年寄りのお節介は、人によって感謝する時がある



そんなことを考えていると、泣き声をあげていたおじいさんから違う言葉が飛び出してきた。


「イタタタタ…」
「え?」
「……」
「痛いのぉ。腰が痛いぞ」
「コラ。じじい」
「大丈夫なんですか?」
「全然大丈夫だよ、放って置いて」
「いやいや、ダメじゃ。こりゃ、痛くて動けんぞ。しまったなぁ、まだやる事はあるのに、肝心なわしが動けん」
「ってかさ、何がしたいんだよ」
「いやぁ、たった1人の男手じゃったワシが、まさか腰痛とは」
「……えっと、平気ですか?」
「……」


痛がるおじいさんに声をかけるが、名前さんは眉を寄せて不快さを醸し出しながら、おじいさんの行動を見つめていた。


「元気が取り柄と言われているワシが腰痛とは、どうしようかのぉ」
「……チラッとコッチを見るな」
「痛い痛い、痛くてたまらん」
「……はぁ。分かったよ。分かったから、邪魔だから部屋に戻ってろ」
「そうかそうか、しっかりやるんじゃぞ名前に青年よ」
「てめっ。最後までしっかり痛がっていろよ」


何か起こったのか分からないが、名前さんが何かを悟って了承の言葉を言うと、怪しいが痛いと行っていたおじいさんは、元気いっぱいにすばやく部屋へとかけて行った。

そして、そんなおじいさんがいなくなると、名前さんは俺へと向き直って、少し罰が悪そうな顔をしながら髪を掻き揚げた。


「そのさ」
「あ、はい」
「さっきは大丈夫と言ったけど、じじいがアレだから、手伝ってもらっていいかな?」
「……あ、はい!」


本当に今更抱けれど、おじいさんがわざと痛がっていたわけが、名前さんの言葉でやっとおじいさんの行動の意味を掴んだ俺は、自分でも少し恥ずかしいくらいに力強く返事をしてしまったことに、顔が熱くなるのを感じていた。


それから、数時間後。

少年トランクスが、青年トランクスがどこに行ったのかブルマに聞くと、大変楽しそうに名前さんの元に行ったから邪魔しちゃダメと言われたが、すぐさま自分も行くと言い出して、大騒ぎになるのはもう少し先の話。


END

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