夏のデートがしたくて



よし、大丈夫だ。


「それじゃ……臨海公園に行かないか?」
「臨海公園?遊覧船とかに乗るの?」


よし、イメージ通りだ。


「あぁ。それもいいな。でも、今回は、その…………煉瓦道とか、歩かないか?」
「煉瓦道?」


あれ?ちょっと違うが大丈夫だ。


「あそこは人口と海が上手く共存しあっているし」
「でも、暑いよ」


……ちょっとおかしい。


「そう、か?」
「うん。あそこっていうより臨海公園って、影が無いから今の季節はちょっと」
「……そう、だよな」
「だね。曇りなら行ってもいいよ」
「いや、違うところに行こう」
「どこ?」


予定変更だ。

どこだ?どこなら……そうだ、屋根だ!
屋根のある場所を指定すればいいんだ!!

イベントホールとか、か?
ダメだ……今はいいのやっていない。

…………そうだ!!
俺の行きたい場所ではなくて、名前の行きたい場所を指定するべきだったな。


「ならさ」
「決まったの?」
「あぁ。ゲーセンに行かないか?」
「ゲーセン?」
「そう。今、UFOキャッチャーが新しい機械ばかりみたいなんだ」
「へぇ、そうなんだ。詳しいね」
「ネットに、書いてあったからな」
「ネット見るんだ。なら、お菓子とかもいっぱいあるかな?」
「きっとある」
「志波君得意なの?」
「あぁ。……たくさん取ってやる」
「えっ。ほんとに?」
「あぁ。取れたら…………おまえに、名前にやるよ」
「なら、楽しみだな」
「俺も……楽しみ」
「志波君。遅れないでよ?」
「名前もな」
「わかってるってば!!……もう。志波君の意地悪」
「クッ……じゃ、楽しみにしてる」


………………完璧だ。

以上【志波勝己の脳内即席イメージ2】でした。


「なら、ゲーセンに行かないか?」
「ゲーセン?」


よし、イメージ通りだ。


「そう。今、UFOキャッチャーが新しい機械ばかりみたいなんだ」
「ぇ、そうなんだ。詳しいね」
「ネットに、書いてあったからな」
「ネット見るんだ。なら、お菓子とかもいっぱいあるかな?」
「へーそうなんだ。お菓子とかもいっぱい増えたりして」
「きっとある」
「志波君得意なの?」


今回は完璧だ。
屋根もあるし、冷房も効いている。
文句など、どこにもないはずだ!


「あぁ。……たくさん取ってやる」
「えっ。別にいいよ」


…………何故だ!


「そう、なのか?」
「ゲーセンのお菓子をいっぱい取ってもらうより、自分の好きなお菓子を買って欲しい」
「……あぁ。そう、だよな」
「うん」
「「…………」」


もう一度考え直せ。
ゲーセンの二の舞になる……………。

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