なかまで綺麗に1
家に帰ると、玄関で波折がきょろきょろにやにやとしていた。可愛い仕草だけどどうしたんだろうと沙良が顔を覗き込めば、波折がへへ、と笑う。
「……また来れて嬉しい」
「〜〜っ」
可愛い……! 沙良がわっと湧き上がってきた波折への愛おしさに悶えていると、そんな沙良には構わず波折は靴を脱ぎ始める。
「……沙良と一緒にいれて、俺本当に嬉しいんだ。沙良との思い出、いつもきらいらしていて眩しかったから」
「お、俺も……波折先輩とこうして仲良くできて幸せです……!」
ぱっと先に靴を脱いであがった沙良は、波折の手をとって引いてやる。波折は「おじゃまします」と言って沙良のエスコートを借りてあがり、久々の沙良の家の匂いを堪能するようにしばらくじっとしていた。その表情は、本当に嬉しそうなもので。「きらきら」が再び戻ってきたことが、波折は相当嬉しかったのだろう。
「……先輩、どうしますか? 先にお風呂入ります?」
「お風呂、」
「えっと……これからエッチいっぱいしたいから」
「……じゃ、お風呂はいろ」
波折がつい、と沙良に寄ってきて服の裾を引っ張る。これから沙良にたくさん抱かれる、と考えているのかその頬は上気していてほんのりと赤い。沙良はぎゅっと波折を抱きしめると、その首筋に口付けをした。「あっ……」と波折から儚い声が漏れる。そういえば波折と一緒にお風呂は初めてだ。まずはお風呂でいっぱい波折を愛してあげようと、沙良はこれからの展開に期待した。