あなたのためにがんばります
 今日の波折の料理は肉じゃがだった。優しい味が体に染みるようなそれに、これは本格的に嫁に欲しいぞ、なんて思いながら鑓水は夕食のときまで波折のことを想っていた。


「波折〜一生養って〜」

「んー? 慧太はちゃんと女の子と結婚して子供つくりなさい」

「やだよ。波折とずっといたい」

「あは、俺とは結婚できないよ」

「じゃあ外国いって結婚しようぜ!」

「……外国?」


 食べ終えた食器を片付けながら、波折がきょと、と鑓水を見つめる。あれ、何か変なこと言ったかな、と鑓水が首をかしげれば、波折がどこか遠くを見てつぶやく。


「外国……外国かぁ……ふぅん」

「な、なんだよ」

「外国にいったら誰も俺たちのことを知らないだろうね」

「そうだな?」

「そっかー……誰も、俺のことを知らないところ。全部から逃げられるところ。いいなぁ、行ってみたい」


 波折が立ち上がり、食器を流しに持って行く。軽く食器を洗って水に浸け、手を洗うとまた鑓水のもとへ戻ってきた。


「慧太」

「ん?」

「……俺を、どこか知らないところへ連れ去ってくれますか」

「えっ……」


 波折の切なげな表情に、鑓水は固まってしまう。一体どういうことだ……そう思って、気付く。「ご主人様」から逃げたいのか、と。でも……波折はたしか「ご主人様」に心酔していなかったか。なぜそんなことを言ってきたのか。そして、「誰も知らないところ」へ逃げなければ「ご主人様」からは逃げられないということなのか。


「うそ。じょーだんだよ、慧太」

「な、波折……」


 鑓水がごちゃごちゃと思案していれば、波折が誤魔化すようににこ、と笑った。なんだかその笑顔にムカついて、鑓水は波折の手をガッと掴む。そしてびくりとした波折に詰め寄って、言う。


「どこへでも連れ去ってやるよ。昼間も言ったけど、俺はおまえさえいれば何もいらない。ふたりきりで、どこまででも行こう」

「……だ、だめだよ。ごめん、ほんと冗談だから、ね、慧太」


 へら、と波折が泣きそうな顔で笑う。またそんな顔で笑って、と鑓水が波折の手を強く握れば、波折が唇を噛んで瞳を震わせた。そして、潤んだ瞳で鑓水を見つめ、口付けてくる。


「でも……ありがとう。けいた。嬉しい」


 波折がちゅ、ちゅ、とキスを繰り返してくる。鑓水はそれに応えながら、波折の頭をよしよしと撫でてやった。波折はぺたりと鑓水にくっついてきて、甘えるように唇を押し付けてくる。非常に愛らしいが、一体波折はどうしたんだろうと鑓水は不安に思った。


「けいた……俺、おかしくなっちゃいそう」

「……おかしく?」

「ほんとうに、溢れてくるんだ。慧太のことが好きって気持ち。こんなに……こんなに慧太に愛してもらって、俺……幸せ」


 ……波折は鑓水の言葉が本当に嬉しかったのだろう。必死なくらいに鑓水にキスをしてくる。瞼をあければ、波折もうっすらと鑓水をみていたから、視線が交わった。熱視線が絡み合って、どくどくと心臓が高鳴ってゆく。


「慧太……大好き」

「俺も、波折のこと好き。愛してるよ」

「けいた……」


 波折のことを本当にどこかへ連れ去ってしまいたい。抱えるもの全てから波折を逃がしてやりたい。でもそんなことできないから、と波折自身が諦めている。しかしそうしてくれると言った鑓水に、波折は感謝していた。なんとなく鑓水はそんな波折の気持ちがわかってきて、馬鹿、と心の中で毒付く。俺は本当におまえのためならすべてを投げ出す覚悟はできているんだよ。この世界のなによりもおまえを愛している。なかなか伝わらない想いをこめて、鑓水はキスを深めてゆく。


「けいた……けいた……」


 波折の手が、鑓水の服の中に入り込んでくる。あ、と思って鑓水は波折を抱き上げた。そしてベッドに座って、向かい合う。


「……けいた」

「……っ、波折」


 波折が鑓水を押し倒す。ほんとうに、好きという気持ちが溢れている、そんな波折の様子に鑓水はくらくらとした。発情しているというよりも、とにかく鑓水に触れたい、そんな様子だった。

 波折が服を脱いでゆく。そうすれば女物の下着を身につけた身体があらわになった。改めて見るとその下着をつけた波折は本当にいやらしい。白い身体にすけすけのレースの下着が妙に似合っている。


「けいた……俺、いまから女の子になるからね」

「へっ」

「心も体もオンナになって、けいたに尽くすから……俺……けいたのオンナになる……」


 はあ、と波折の唇から吐息が溢れる。波折は鑓水の服を脱がすと、あらわれた筋肉質の体をみてうっとりとした表情を浮かべた。ぺたりと波折が鑓水の体にくっつけば、肌の色や体格差が顕著になる。ピンク色のふわふわとした下着が手伝って、本当に男と女が抱き合っているような、そんな錯覚を覚えてしまうくらいだった。


「けいたのからだ……好き」

「あんまりからだが好きって言われると参っちまうって」

「そう……? 俺、けいたのからだかっこいいから、ぎゅってされただけでイきそうになるくらい好きなのに……ね、けいた」


 波折が起き上がる。とろんとした眼差しで鑓水をみつめ、鑓水の手をとると自分の胸まで持っていった。


「けいたの手……おっきいよね」

「普通だって」

「ううん……この手も俺、大好きなの。けいた……おっぱい揉んで。女の子の俺のおっぱい揉んで……」



 ちか、と眩しいものでもみたように鑓水の瞳が眇められた。あまりのいやらしさに目眩を覚えたのだ。そんな鑓水の顔にもドキリとして、波折の息はあがってゆく。

 鑓水の大きな手のひらが、波折の平らな胸を包む。じわりとしみこんできた熱だけで感じてしまって、波折はのけぞった。指先でぐ、ぐ、と揉まれるとだんだんといやらしい気分になってくる。胸が平らなせいか鑓水がそこを揉むたびに身体がゆさゆさと揺れて、鑓水の指先に身体を支配されてしまっているような感じがしてたまらなかった。下着がくしゃくしゃと形が崩れていくのもいやらしくて、すごくいい。乳首のところにあたった布が乳頭をこすって、腰が砕けそうになる。……とにかく気持ちいい。女の子みたいにおっぱいを揉まれるのが、すごく気持ちいい。


「あんっ……あんっ……」

「波折……気持ちいい?」

「きもちいい……けいたの手、おっきい……あっ……」

「乳首いじっていい? 波折のとろっとろの顔みたい……」

「うんっ……ちくびいじめてっ……女の子みたいにちくびでイかせてっ……」


 鑓水の指が下着の上から波折の乳首を摘んだ。すでにこりこりに勃っていた乳首は下着をぽつんと盛り上げていて、そこをぎゅっと摘まれればズクンッと下腹部に電流がはしった。


「はぅっ……」


 ぐに、ぐに、と下着ごと乳首を揉まれる。いつもとは違う感触に波折はぶるぶると震えながら感じていた。乳首をいじめられると、触られてもいないアソコがじんじんしてくる。乳首をぎゅっとされるたびに、まるで乳首とアソコが繋がっているみたいにアソコがきゅぅんって疼く。そして触られれば触られるほど膨らんでいく乳首はすごくエッチな子だから、感度がどんどん増していって蕩けそうになってしまう。


「あぁんっ……ちくびきもちいい……おれ、けいたにちくびいじめられて感じてる……あぁっ……」

「波折、乳首好きだよな」

「だいすき……ちくびにえっちなことされるのだいすきぃ……そのうちミルクでちゃうかも……」

「出るんじゃね? 女の乳首よりエロいもん。感じてくると女の乳首みたいに膨らむし」

「えへっ……おれのちくび、おんなのこ……あぁん、あんっ……あふっ……」


 アソコがだんだん濡れてくる。薄いレースの下着がぐしょぐしょになってきて、腰が揺れるたびになかでぬちょっとなっているのがわかる。このまま鑓水の腹に乗っている体勢でいると、鑓水の腹をエッチな汁で汚してしまうと思った波折は、乳首責めに名残惜しさを感じながらもそこを退いた。もう乳首はいいの? といった鑓水の視線に、波折はとろんとした眼差しで答える。


「……けいたに気持ち良くなってもらうからね」



 波折が鑓水の下腹部に顔を埋めた。あ、もしかして、と鑓水が体を起こせば、やはり波折は鑓水のペニスにちゅ、と口付けた。


「いっぱいご奉仕するね」

「……っ、波折……69しない? おまえばっかり」

「ん……でも、俺が慧太にご奉仕するところ見てて欲しい……」

「……よし、じゃあ……やって」

「うん……がんばる!」


 へへ、と波折が笑った。ペニスを掴みながらそんな笑顔を浮かべられると悪いことをやってる気分になってしまって鑓水は苦笑いをする。

 波折は鑓水のペニスをじっとみつめる。まだ勃っていないそれを、どこからご奉仕しようかと考えていた。……それにしてもこのおちんちん好きだなぁとかこれでいつも可愛がってもらっているんだなぁ、とか考えるとアソコがさらに濡れてくる。もうぐしょぐしょだ。ああ、どこから舐めよう、どこもかしこも美味しそう、むしゃぶりつきたい、これでお口のなかをいっぱいにしたい……


「な、波折……」

「えっ?」

「あ、あんまりチンコみられるとさすがに恥ずかしいんだけど……」

「あっ、ご、ごめんね、慧太のに見惚れちゃって」

「……チンコに?」


 鑓水が困った様子を見せていたため、波折は慌ててペニスの根元をパクリと唇で挟んだ。びく、と鑓水が震えた。どうしたら鑓水が気持ち良くなるか、とうんうん考えつつも波折は鑓水のペニスの感覚が気持ち良くてはむはむとひたすらに唇で根元を刺激していた。


「んん……おいひぃ……」

「美味しいの?」

「んー……んっ……ふふ」


 なにやら楽しそうにフェラをしている波折に、鑓水は戸惑ってしまう。可愛いんだけど……なんでこんなに楽しそうなんだ、と。AVなんかでもフェラをする女優は苦しそうにやってるイメージしかなかった。だから波折が楽しそうに嬉しそうに自分のペニスをはむはむとしているのにびっくりしてしまった。……さすが波折、と鑓水が波折のことを撫でると、波折が「んー」と幸せそうに鳴く。


「ん、ふ……」


 波折が鑓水の亀頭を口に含む。その瞬間、波折はとろんと顔を蕩けさせた。すごく、美味しかったのだ。口の中に雄っぽい味がひろがって、興奮してしまってお尻の穴がきゅっと締まった。これが慧太の味なんだ……と波折の頭のなかはハートでいっぱいだ。


(けいたのおちんぽ……おいしい……けいた……けいた……)

「んっんっんっんっ」

(けいたー……いつもこれでいっぱい突いてくれる……けいた、けいた……)

「んー……んっ、んー、んー」


「……っ」


 あんまりにも波折が美味しそうにちゅうちゅうぺろぺろとペニスに奉仕するものだから、鑓水も熱がふつふつと湧いてきてしまう。じゅっぽじゅっぽと音をたてながら波折がペニスを口に出したりいれたりしているうちに、芯をもってきた。


「……かたくなってきた……」

「ちょっ……おまえのフェラ気持ちよすぎなんだけど……」

「へへ……ほんと? 嬉しい」



 いつも自分を突き上げるときと同じ大きさになった鑓水のペニスをみて、波折はとろんと顔を蕩けさせた。波折はちらりと鑓水を見上げると、にこ、と笑う。


「けいた……もっと気持ち良くなって……」

「えっ……」


 波折がブラジャーをずり上げる。そして、ぷっくりと赤く膨らんだ乳首を露出させた。そして、ぺったりとした胸を無理矢理手で寄せてちいさな谷間をつくり、鑓水のペニスに近付けた。


「な、波折……」

「ごめんね……おっぱいちいさくて……」

「ちいさいもなにもないじゃん!?」


 波折のやろうとしていることを悟り、鑓水はくらりと目眩を覚えた。そのうっすい胸でパイズリをするのか、と。

 波折は胸板をペニスに押し付ける。谷間など無いにも等しいため、ペニスを挟むことはできない。でも、胸をペニスにすりすりと擦り付け、刺激してやる。のけぞり、うっとりとした顔をしながら身体を揺らし、胸をつかって必死に鑓水に奉仕した。


「……っ」


 刺激自体はそこまででもない。しかし、視界的には凄まじい刺激だった。ブラジャーをずりあげて自らのおっぱいをペニスにすりすりとしている波折。いやらしいにもほどがある。もっともっといやらしいことをしてやりたい。変態じみた行為をしてみたい。鑓水のなかにそんな欲望が湧き上がってきて、鑓水はふ、と笑った。


「波折……ごめん、ちょっと」

「え?……んっ……あっ……」


 鑓水は自らのペニスを掴むと、先っぽを波折の乳首にぐりぐりと押し付けた。熱くてかたい、鑓水のペニスでそんなことをされて波折はぶるぶると震える。ペニスで乳首をつぶされて、ぐりぐりされる。波折はふるふると首を振りながら甘い声をあげた。


「あーっ……きもちいいっ……ちくびっ……やーっ……」

「すっげぇエロい……波折の乳首こりこりしてるから気持ちいいわ」

「んんっ……ほんと? けいたっ……気持ちいい? もっとこりこりするっ……」


 波折が鑓水のペニスを掴む。そして、自分の乳首をぎゅっとひっぱると、鑓水のペニスの先にくりくりと押し付けた。


「あっ……はふっ……」

「波折っ……」

「ちくびがっ……あぁんっ……きもちいいぃっ……けいたっ、けいた、きもちいい? けいたっ……」

「いいよ、波折……気持ちいい……エロいよおまえ、最高……」


 鑓水に褒められると、波折は嬉しそうに笑った。ぐりぐりと乳首を使って鑓水のペニスを刺激し、幸せそうな顔をしながら自らも悶えている。

 やがて、波折は起き上がって鑓水にぴとりと抱きついた。ペニスで刺激してぷくぷくに大きくなった乳首を、鑓水の胸板に押し付ける。


「けいた……」


 波折はぐしょぐしょになったアソコを鑓水のペニスに押し付けた。薄いレースでできたパンティーが波折のこぼした蜜でぬるぬるになっている。波折はパンティーをはいたまま鑓水のペニスにアソコを擦り付け、身体を揺すり始めた。


「あっ……あんっ……」

「波折……おまえ、ここ弄ってないのに濡れすぎ……」

「だって……おれ、けいたのからだ見ただけで濡れちゃうの……」

「なにそれ、エロい……もうおまえ、俺のもんになろうよ」

「んっ……あぁっ……」


 波折が前後に腰を振れば、ぬちぬちと触れ合ったところが卑猥な音をたてた。レース越しの刺激がたまらなくて、波折は腰を突き出しながらも後ろに手をついて、まっすぐに立っていることができなかった。アソコがじんじんしてきて、なかがきゅんっ、きゅんっと締まり始める。焦れた鑓水が波折の両方の乳首をぎゅっと引っ張れば、腰が勝手にがくがくと震えてぐりっと思い切りアソコを鑓水のペニスに押し付けてしまう。


「はぁあんっ……! いくっ……」

「波折っ……今日も我慢してよ……潮吹いて。みたい」

「んんっ……わかった……がまんするっ……あふっ……がんばって潮吹きするね……!」


 はあはあと波折は息を荒げ、腰を揺らす速度をあげてゆく。そして、きゅ、と眉を寄せて唇を噛んだ。そんなふうに可愛い顔をしながら、波折は「んっ……」と鳴いてびくびくっ、と震える。その直後にカクンと体の力が抜けたから、どうやらドライでイッたようだ。


「あ……ふ……アソコが熱い……けいた……」

「挿れよう、波折。欲しいだろ? 俺も早く挿れたい」

「うん……今日は俺が動くからね。けいた……」

「騎乗位?」

「うん!」


 波折がぐい、と鑓水の胸を押して再び押し倒す。そして、自分のお尻に手を伸ばすと、ぐちゅぐちゅとなかを指で掻き回した。やがてぬぽっ、と今日1日なかに挿れていたローターを取り出すと、それを放り投げる。


「ローター、1日挿れててどうだった?」

「すごくえっちな気分だった。今俺は慧太にえっちなことされてるんだって、そんな気分がずっと続いて……」

「あんな済ましていたくせに」

「へへ……ずっとお尻のなかひくひくしてたよ」


 てれてれと笑って、波折が鑓水のペニスの上に腰を下ろしていく。パンティーははいたまま。布をずらして、そこからペニスを挿入してゆく。


「んんっ……」


 波折がぐっとのけぞりながら、最後までペニスを挿入していった。奥へ奥へとそれが入り込むたびに波折はぴくぴくと震え、悶える。ぺたんと鑓水の上に座り込んだ瞬間、なかがビクビクっと痙攣して、波折はイってしまった。


「うっ……はぅっ……」

「波折……出してない?」

「だして……ないよ……ほら、けいた……みてて、おれのもの、出さないように見張ってて……」


 波折がパンティーを下にずらし、勃ちあがったペニスをぷるんと外にだす。ぐちょぐちょの下着の中に閉じ込めらていたそのペニスは、全体がぬらぬらとてかっていていやらしい。しかしその液体は透明で、精液ではなかった。ちゃんと波折は我慢できたらしい。


「けいた……けいたの上で潮吹きしちゃっていい……?」

「おお、俺の上で吹いてよ。昨日みたいに俺に中をいじられなくても、自分で吹ける?」

「うん……けいたがみたいっていうから……がんばる。がんばって潮吹きするからね……」


 ちろ、と波折が鑓水を熱っぽい瞳で見下ろす。みてて、そんな瞳。昨日あんなに恥ずかしがっていた潮吹きを、みせてくれるなんて……最高のご奉仕だな、と鑓水の心は期待にゆれる。


「あんっ……!」


 波折が、前後に揺れた。その瞬間、波折はびくんっ、と震えて苦しそうに眉を寄せる。ちょっと動いただけでもイキそうになってしまうのだろう。しかも今回は波折が半端に抜いだ濡れ濡れのパンティーが擦れて、妙な刺激まで加わってくる。ぬちゅ、ぬちゅ、と動くたびに波折は「んっ、んっ、」と鼻を抜けるような甘い声を漏らして、快楽に耐えていた。


「波折。乳首も刺激してみろよ」

「へっ……ちくびっ……?」

「我慢、がんばれよ?」

「はいっ……けいた、ちくびもいじります……みてて、がまんするから……」


 鑓水が見たいと言ったことすべてを実行してくれるようだ。波折は素直に自らの乳首をつまみ上げて、鑓水にみせつけるようにこりこりと弄る。そうすればお尻のなかがきゅううっとしまってびくんっ、と震えた。今ので一回イったようだ。波折はかあっと顔を赤らめ、ふるふると首を振って射精感に耐えている。


「きゃうぅ……ううっ……」

「がんばれ、波折」

「でそう……」

「まだ早いよ」

「はいっ……んんっ……く、っ……ぅんっ……」


 波折が動くたびにぬちゃぬちゃと音がしていやらしい。波折は「ん〜っ」と唸りながら腰をかくかくと揺らしている。可愛いのと卑猥なのが混ざり合って鑓水も興奮してしまっていた。波折をガツンガツンと突き上げたい衝動に駆られるが、ここはなんとか我慢して波折に自分で潮吹きさせたい。ああ、これこのまま毎回セックスのたびに潮吹きできるように調教できるんじゃないかな、なんて思い始めて楽しくなってくる。


「はーっ、……はーっ……、あぅっ……はぁっ……」

「きっつ……波折、締めつけ過ぎ……」

「うっ……イっちゃう……けいたぁ……お尻とけちゃうぅ……たすけて……」

「……波折ー、みたいな、波折の潮吹き」

「……っ、がんばる……ひゃあぅっ……あんっ……」

「ほら、乳首もちゃんといじって。手が止まってる」

「う、うう……あぁあっ……やんっ……あっ、イキそう……」


 ビクビク、ビクビク、と中が痙攣している。もう何回いっているのだろう。波折のペニスからこぼれた先走りがだらだらとこぼれてパンティーをさらに濡らしている。もう結合部がぬるぬるだ。


「もうっ……だめぇ……」

「波折、上下に腰揺らして」

「ふっ……そ、そんな……」

「みたいな〜、波折が頑張って腰振ってるところ」

「んん〜っ……はい、みててくださいっ……けいた……」


 ぽろぽろと涙をこぼしながら、波折がこくこくと頷く。そして、おそるおそるといった様子で腰を浮かせ、どぷんっ、と下におろした。


「ひゃぁんっ……」


 ぎゅうううっ、となかが締まる。波折はうつむいて、ぴくぴく、ぴくぴく、と震えてしばらく動けないでいたが、やがてちらっと鑓水をみつめ、はあ、と意を決したように息をはく。

 波折が、上下に腰をふりはじめた。波折は乳首をいじる余裕などないようで、胸元でぎゅっと拳を握り締めながら唇を噛んで必死に射精を耐えていた。ずっぷんずっぷんと音をたてながら波折が鑓水の上で飛び跳ねる。ひんひんと泣いて、それでも鑓水に気持ちよくなってほしくて、波折は必死に、必死に腰を振った。


「けいたっ……きもちいい……? けいたっ……」

「ああ……きもちいいよ波折……最高」

「うれしいっ……けいたっ……あっ、いっちゃいそうっ……」


 鑓水が笑った途端、波折の中が今までで一番に締まった。きゅんきゅん、きゅんきゅんと細かくそこが痙攣して、波折が限界に追い立てられていることが顕著に体に現れている。「うーっ」、と波折が首を振って、嗚咽を漏らしながら泣き出した。そしてびくんっ、と大きく跳ね上がった瞬間、慌てて波折が自分のペニスを掴む。


「はっ……はぁっ……でそうだった……」

「腰止めるな」

「っ……はい……いっぱい潮吹けるようにがんばるっ……」


 ぱちゅぱちゅ、ぐっちゅぐっちゅと波折が腰を振るたびに水音が響く。はーっ、はーっ、と激しい呼吸をして、ペニスをぎゅっと掴んで、それでも波折は鑓水の言うとおりに体を揺すった。


「あーっ……あーっ……あっ、あっ……あーっ」

「波折、ほら、がんばれ」

「やーっ……もうっ……だめぇっ……!」


 振って、振って、ひたすら腰を振って、波折の限界が迫る。ビクビクッとペニスが震えて、思わず波折は手を離してしまった。


「あっ……あっ、あ〜〜ッ……!」


 その瞬間、ぷしゃっと波折のペニスから潮が吹く。よし、と鑓水は我慢から解き放たれたような心地になって、一気に腰を突き上げた。波折が自分で潮を吹けたのをみて満足だ。波折の手をつかみ、ガツガツと波折を下から突いてやる。


「ひゃあっ! やあっ! けいたっ! いっぱい、でちゃうっ……!」

「もっと出せっ……波折っ……」


 鑓水が突き上げるたびにじょぼじょぼと波折のペニスから潮が溢れ出る。手をつながれているせいで腰を引くこともできない波折は突き上げられるままにガクガクと揺さぶられていた。鑓水の腹が自分の潮でびしょ濡れになるのが嫌でこれ以上潮を吹かないように我慢しているのに、鑓水が前立腺をごりごりとこすってくるものだからドバドバと出てしまう。


「はぁっ……けいたっ……しおふきっ……したっ……よ……! おれ、がんばった……!」

「ああ、めっちゃよかったよ、波折……かわいい……!」

「ほめてっ……けいた、もっとほめて……! はぁっ……あぁっ……きもちいい……しおふききもちいー……!」

「いいこ、波折……ほら、ごほうび」


 鑓水が波折を引き倒し、覆いかぶさる。くたっとした波折は自分の上に乗っかった鑓水をみて恍惚とした表情を浮かべた。汗だくの波折の額に張り付いた前髪を払って鑓水がキスをしてやると、波折が嬉しそうにそれに応じる。


「んんっ……!」


 体位を変えて動きやすくなった鑓水は、勢いよく波折を突き始める。激しく最奥をついてやれば、波折は潮をたくさんこぼして歓んだ。


「んっ、んっ、んっ、んっ」


 ギシギシとベッドが軋む。ぎゅっと抱きしめ合って、お互いを求めまくった。全身を密着させて快楽を貪って、そして……絶頂を迎える。鑓水が中出しした瞬間に、最後にまた波折がぶしゃっと潮を吹く。


「は……は……」


 二人共ぐったりと横たわって、息を整える。全身がびしょ濡れで後処理が大変そうだ。しかし、胸の中がいっぱいに満たされて、今は幸福感に浸ることしかできなかった。


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