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 おもちゃというのは俺が出来心で買ったバイブで、単純な造形をした、震えたりうねったりするバイブだ。薄いピンク色のころんとした形のもので、卑猥な雰囲気はない。

 それでも、南波は少しびくびくとしていた。この前、初めてこれを見た時はここまでびくびくはしていなかったので、やはりこれで感じてしまう自分が怖いのだろう。南波をあやすように後ろから抱きしめると、少しばかり安心したように肩の力を抜いてくれた。


「覚えてる? この前、南波はこれでいっぱいイッたんだよ」

「……うん、……」

「もう一回、見せて。いっぱいイッてる南波が、大好きだよ」


 下着だけを残して、服を脱がせる。片腕で南波の胸を掴むようにして抱き寄せると、南波はその腕にきゅっと捕まって、じっとバイブを握る俺の手を見つめていた。


「脚開いて……」

「ん、……」


 まずはスイッチをいれないで、先端で南波の股間を軽く擦る。はあ、と南波の唇から吐息が零れて、色っぽい。


「俺の指で触られるときと、どう違う?」

「……無機質な、感じ……」

「ふ、なにそれ」


「あっ……」


 下着の盛り上がっているところ、南波のペニスの先端のあたりを、バイブの先っぽでくるくると撫でる。ぴく、ぴく、と南波の体が震えて、可愛らしい。


「余裕そうだね」

「……、」

「俺の指でくりくりされるほうが好き?」

「……うん、……それ、大好き……」

「やらしくて可愛い、南波」

「あ……ンッ」


 ちゅ、と南波の頬にキスを落として、バイブのスイッチをいれる。ブーン、と低い音が響き、南波が俺の腕を掴む手に力を込めてきた。これをペニスの先端に当て続けると少し刺激が強すぎるので、股間を縦に往復するようにゆっくりと擦ってやる。南波の陰嚢からアナルまでをいったりきたりを繰り返してやれば、南波は感じてきたのか腰をゆるゆると揺らし始めた。


「気持ちよくなってきた?」

「……っ」


 南波は自分の口を手で塞いで、ぎゅっと目を閉じる。声を我慢しようとしているらしく、「ん、ん、」とくぐもった声だけが漏れてくる。やはり、おもちゃで感じるのに少し抵抗があるらしい。南波の手を払って口を晒してやると、南波は「やっ……」と小さく声をあげた。


「声、出して」

「あっ――……」


 ぐ、とバイブの先端をアナルに押し当てて、ぐりぐりとしてやる。そうすると南波はビクンビクンと腰を振って甲高い声をあげてくれた。


「あっ、……やだっ……、アッ、あ……あっ……」

「いや? 可愛い声でてるのに?」

「あっ……あっ、……伊勢くっ……、だめっ……」


 バイブの先端は小さくなっているので、少し力を込めて押し込むと、そのまま中にはいってしまう。先端の玉の半分くらいが布越しに南波のアナルにめりこんで、南波は可愛らしく声をあげながらイッている。がくがくっと腰を震わせて、「いっちゃう」と儚い声を零していた。

 声を我慢したいのか唇にきゅっと力を込めてはいるが、我慢しきれない声がぽろぽろと溢れ出ていて、本当に可愛い。俺の言うことをちゃんと聞いて、手で口を塞いだりはしないところも、最高に可愛い。


「イッちゃったね。ここ、キツく締まったからおもちゃが押し出されちゃった」

「ひっ……、ぁ、……ご、ごめん、ね……」

「なんで謝るの?」

「道具で、イっちゃって……ごめんなさい……伊勢くんに触られたときだけ、……イきたいのに……道具で……イっちゃった……」

「……」


「アッ――…… だめっ、……だめ、ぐりぐりしないでっ……イッ……イッちゃう……イッちゃうから、……やめ、……ご、ごめん、なさっ……イクッ……伊勢くん、イッちゃう……伊勢くん、伊勢くん……アッ……イッちゃう、よぉ……ごめん、ね……あぁっ……」


 心の中で、ごめん、と南波に謝った。変な気分になって、南波の言葉に興奮してしまった。少しだけだから、と言い訳しながら南波のアナルのいりぐちをぐりぐりとおもちゃで刺激してしまう。


「伊勢くんッ――……」


 南波は俺の名前を呼びながら、絶頂した。下着にじわ……と染みができる。射精してしまったようだ。

 いやいや言いながらも、素直に脚を開いたまま、俺の腕に抱かれたまま、抵抗しなかったのが可愛い。はあ、はあ、と息をしながらぐったりと俺の胸にもたれかかり、「ごめんなさい……」と呟いている。

 これ以上虐めてしまうと南波が可哀想だし、俺もなんだか変なものに目覚めそうになるので、一旦バイブのスイッチを切った。あやすように両腕でぎゅうっと南波を抱きしめて、潤んでいる南波の瞳にキスをすると、南波は体の向きを変えて正面から俺に抱きついてきた。すんすんと鼻をならしながら俺の首に顔をこすりつけてくる。


「道具で、イっちゃった……ごめんなさい……伊勢くん、叱って……」

「叱らないよ」


 南波はぽろぽろと泣きながらも、呼吸を乱して体を火照らせている。倒錯的な南波の姿に心臓がバクバクといっているが、冷静を装って南波の頭を撫でてやる。


「南波、後ろでイけるようになったのは、誰のおかげ?」

「……? 伊勢くんのおかげだよ……?」

「うん。だから、こうして南波が後ろでイッてるのは、南波が俺のこと好きだからだよ。南波が悪い子だからじゃないよ」

「あ、」


 南波の下着を脱がせて、軽く尻たぶを揉む。俺の手で触ってやると南波は素直に可愛い声で鳴いた。ゆるく腰を振って、もっとして、とアピールもしてくれる。

 指にローションをつけて、アナルを解す。指を一本いれただけでもぎゅうぎゅうに締め付けてくるそこは、本当に素直に俺のことを好きでいてくれるようで、少し動かすだけでも過ぎるくらいに南波は感じてくれていた。


「南波のここをいやらしい器官にしたのは誰?」

「あっ……、あぁ、……伊勢くん、です……」

「俺に抱かれていやらしい声を出している南波は、いい子? 悪い子?」

「……いい子、……です……」

「そうだね。南波はいい子だよ。じゃあ、俺が開発したここに、おもちゃを挿入れられていやらしい声を出している南波は?」

「……、いい、子……――……あっ……!」


 十分に解して、休憩をとっていたバイブをソコに挿入してやった。その瞬間、南波はまたイッて、俺にギュッと抱きつきながら腰を撓らせる。


「ん? いい子? 悪い子? もう一回言って?」

「あっ、……あぁ、あ、……いい子、……いい子です……ッ……」

「よくできました」


 バイブのスイッチをいれて、ゆっくりと抜き差しをした。ちゅぷ、ちゅぷ、と小さな水音が響いて、愛らしい。南波は少しずつ素直に声を出してくれるようになり、ようやくいつものような甘い声で鳴きはじめる。


「南波、いい子だ。可愛いよ、南波。可愛い」

「あ、……伊勢くんっ……伊勢くん、……あ、あぁっ……」

「可愛い……」

「もっと……もっと、言って……伊勢くん……もっと褒めて……」

「んー……じゃあ、このままおもちゃで潮吹きしたら褒めてあげる」

「そんな、……あっ……いつも、伊勢くんがさせてくれるから、……わからない、よ……あんっ……」

「南波は頭がいいから、わかるだろ? いつも、どこを突かれて潮吹きしてるの? ほら、自分でイイところに当てて、やってみてよ。できたら、いっぱい褒めてあげるから」

「……、ほんと……? じゃあ、できたら……いっぱい……褒めて、ね……?」





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