甘い恋をカラメリゼ | ナノ
 douze


「ん……」



 瞼の裏が明るくなって、俺は目を覚ます。瞼を開ければ俺は裸で智駿さんに抱きしめられていた。どろどろだった身体は綺麗になっていて、久々に意識をとばしちゃったんだな、と俺は残念な気持ちになる。



「……ん、あ……梓乃くん。起きた?」

「智駿さん……」



 俺が身じろいだからか智駿さんも目を覚ましてしまった。智駿さんはゆっくりと俺と目を合わせて、頬を撫でてくる。



「……ごめんね、やりすぎちゃった」



 ドキッと胸が高鳴った。昨夜の激しすぎるセックスを思い出して。昨日のセックス、すごかったな……って頭の中がぽーっとしてくる。



「あのくらいめちゃくちゃにされるの、気持ちいいので……謝らないでください」

「……でも、ごめんね。昨日の梓乃くんがすごくエッチで歯止めがきかなくなっちゃって」

「……智駿さんが止まらなくなっちゃうくらい俺に興奮してくれたの、嬉しいです」



 俺の言葉に、智駿さんは困ったように笑っていた。ほんとうに俺はあのくらい激しくしてくれてもいいのに、智駿さんはどうしても俺のことを甘やかしたいみたいだ。ごめんね、っていうようにちゅっ、ちゅっ、て柔らかいキスを何度もしてくる。



「……ああいうのは、ときどきね。梓乃くんの身体が壊れちゃう」

「壊しちゃっていいんですよ……智駿さんにならなにをされても嬉しいから」

「……もう、」



 よしよしと頭を撫でながらちゅーって唇を押し付けるようなキスをしてきた智駿さんは、たぶんわかっていない。これはしばらく、智駿さんの誘惑を頑張っていかないとなって思った。




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