甘い恋をカラメリゼ | ナノ
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「背中、流しますね」



 お風呂にはいるなり、俺はボディソープを手のひらにとって、率先して智駿さんの体を洗い始めた。さすがに、肌と肌で触れ合えば智駿さんの理性を責められるはずだ。お風呂エッチは何度もしたことがあるけれど、大体は俺が智駿さんに身体を触られまくって、甘々な言葉を囁かれながらイク……ってパターン。今回はそんな智駿さんが余裕なエッチじゃなくて、智駿さんが興奮しまくって俺をズッコンバッコン激しく犯しちゃうようなエッチがしたい。

 智駿さんの背中に、ボディソープを塗っていく。丁寧に背中を撫でて撫でて、泡を立ててゆく。ああ、いい背中だなあって思うとアソコがヒクつくけれど、誘惑だからじっくりといかなければいけない。いますぐにアソコを智駿さんにいじくられたい……そんな思いでいっぱいでも、ゆっくりと智駿さんの体を洗ってゆく。



「しっかり、泡……たてますね」



 背中全面が泡立って、俺は智駿さんに抱きついた。そして……ゆっくりと体を上下に揺らして、智駿さんの背中と俺の体の前面をこすり合わせる。



「んっ……」



 にゅるっ、にゅるっ。ぬるぬるとした感触が、触れ合ったところにはしっていやらしい気分になる。乳首がくにくにと潰れて、ちょっとだけ勃ったチンコが当たって。全身がじわじわとした快楽に包まれて、誘惑している俺がどんどん絶頂に追い詰められてしまう。



「あっ……あっ……」

「……もっと、泡立ててみて」

「んっ……」



 智駿さん……やっぱり、余裕なの? 智駿さんの体を使ってオナニーみたいなことをしている俺をみてそんなに平然としているなんてどうなっているんだ……って思ったけれど、ちらりと智駿さんの腹部を覗いて息を呑む。

 智駿さんのもの、堅くなってる。興奮は、してくれているらしい。じゃあなんで襲ってくれないんだよってムキになって、俺は自分の感じるところを押し当てるようにして激しく体を揺すったけれど……



「ありがと、綺麗になったかな」

「あっ……」



 俺がイク前に、智駿さんはくるりと俺に振り返って、俺の誘惑を止めさせてしまう。

 そんな……!って俺が絶望していると、智駿さんが微笑んだ。



「今度は僕が梓乃くんのことを洗ってあげる」

「わっ……」



 背中を向けるように促されて、俺は仕方なくそれに従った。

 今、ちゃんとみたぞ。智駿さん、やっぱり堅くしてる。なのになんで犯してくれないんだろう。俺も勃ってるし、俺がエッチしたいっていうのはわかってるはずなのに……。



「んっ……」



 智駿さんがボディーソープをつけた手で、俺の身体を撫でてくる。丁寧に、ゆるゆると。でも……いつもならここで乳首くりくりをしてきたり、アソコを必要以上に丁寧に洗ってきたりするのにそれはない。本当に、普通に洗っているだけ。本当に、なんで今日はそんなにエッチを避けてるの……って俺が悶々としていると。



「んぁっ……」



 お尻の割れ目に、熱いものがあてられた。偶然触れたわけじゃなくて、智駿さんが当ててきているみたいだ。



「ちっ……ちはやさ……」

「綺麗にしようね」

「んぅ……」



 お尻にあれを当ててぐいぐいしてくるくせに、そのほかにはエッチなことはしない。もしかして――俺は、気付く。俺がいつもに増してエッチをしたがっているから、敢えて智駿さんは焦らしてきているんだ、と。そして、焦らして焦らしてあとから思いっきり犯すつもりだ……と。

 俺はいつもそれでとろっとろになっちゃうし、そうされるのも好き。でも、今日は違う。智駿さんが俺を焦らす余裕をなくしてやりたいんだ。



「んー……!」



 余裕そうな言葉吐けなくしてやるって。自ら腰を後ろに突き出して、穴を智駿さんのものの先端に押し付けた。そして、ぐりぐりってして、智駿さんを煽ってみせる。



「んん〜っ……! ん……!」

「どうしたのかな、梓乃くん」



 手をバスチェアについて、腰を振る。ここまで露骨に誘ってんだから、智駿さんもおかしくなってよ……! 智駿さんの余裕に勝ってやるってがんばってみるけれど、お尻の穴を智駿さんのものに押し当てるなんてことをしているから、俺自身が感じてきてしまって。どんどん頭がぼーっとしてきて、頭の中は智駿さんを誘惑することよりも早くぶちこまれたいってことでいっぱいになってきてしまった。



「……お風呂あがるまえに、これどうにかしないとね」

「んっ……あぁあっ……!」



 もうアソコがきゅんきゅんしちゃっておかしくなる……頭のなかが真っ白になったとき、ずぶっと一気に智駿さんが挿入してきた。そして智駿さんは俺の身体を持ち上げて、自分の上に座らせる。



「あぁっ!」

「ほら、梓乃くん。全身を綺麗にしようね」



 智駿さんが腰を揺らして、俺を突き上げる。俺は上下に揺すられて、ぱちゅんぱちゅんと音を立てながら智駿さんのものに抜き差しされていた。



「あっあっあっあっ」



 気持ちよすぎて、俺はもう顔を蕩けさせながら喘ぐことしかできなくて、誘惑なんてしている暇がない。前に練習したみたいにアソコはぎゅうぎゅうと智駿さんのものを締め付けているけれど、俺が意図してやっているわけじゃない。誘惑は、失敗。智駿さんはいつもみたいに余裕そうに、俺の身体をいじりながら突いてくる。俺のチンコのさきっぽをぬりゅぬりゅといじくったり乳首をぴんぴんと弾いてきたり。俺は全身泡だらけになりながら、智駿さんにイかされてしまった。



「は、ぁっ……! ちはやさっ……! あぁっ……!」

「可愛い、梓乃くん」



 優しい声。イッてしまった俺の全身を撫でて、智駿さんが愛でてくる。

 お風呂上がったら、今度こそ誘惑……。

 イッたばかりで身体はひいひいいっているのに、智駿さんに必死に求められてみたいという欲望が勝ってしまって、俺はこのあともエッチをする気満々になってしまった。



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