甘い恋をカラメリゼ | ナノ
 six


「わー……すごい」



 温泉は何度か来ているけれど、貸し切り風呂は始めてだった。思った以上に広くて外の景色も見渡せるものだから、感激してしまう。

 ささっと身体を洗って、そして湯船に入る。程よい温度のそれに足を入れると、じーん、としびれるような心地よさが伝わってきて思わず声をあげてしまう。智駿さんはそんな俺を見て笑っていて、俺より先に肩まで浸かってしまっていた。



「あー、すっごい気持ちいい。寝そう」

「いや寝ないでくださいよ」



 ぼんやりと景色を眺めている智駿さんの横にくっついて、俺も温泉を堪能する。涼しい空気と程よく熱いお湯の差がまた心地良くて、本当に心地よい。



「梓乃くん、こっち」

「ん……」



 智駿さんが俺の腰を軽く引き寄せてきた。俺はそのまま抗うこともなく、智駿さんの脚の間に移動する。智駿さんの体を背もたれにするような形で、だらんと身を預けた。



「……なんか、すごく幸せです」



 いつも、一緒にお風呂に入るときもこの体勢をとることがあるけれど、温泉でやると窮屈感がなくて本当にリラックスできる。後ろから智駿さんに抱きしめられて、頭を智駿さんの肩に預けて……うっとりしてしまう。



「ずっとこうしていたいです」

「うん……」



 ほんの少し身じろぐだけでちゃぷっと音をたてるお湯が雰囲気をだしている。遠くに見える美しい緑の木々と済んだ空が、湯気で霞んでなんとも非現実的だ。普段は味わえないゆったりとした空間の中で智駿さんと一緒にいると、このまま時が止まってしまえばいいのに、なんて思ってしまう。



「あっ……」



 智駿さんが俺の首筋にキスをしてきた。ちゅ、と肌を吸い上げてきて、俺の身体はぴくんと震えてしまう。



「ち、智駿さん……ここで……するの……?」

「しないよ。触るだけ」

「ぁんっ……」



 ここでエッチしたら、お湯を汚してしまうかもしれない……そう思ったけれど、最後まではしないっぽい。でも俺は感じやすくて智駿さんに触られるとチンコからどんどんエッチな汁を出しちゃうから、触るだけでもなかなかに危ない。

 事実俺は……首にキスマークを付けられているだけで、ものすごく感じていた。温泉で温まってほかほかとした皮膚をちゅうっと座れると、アソコがきゅうんっと収縮する。ものすごくリラックスした状態でいるから、本当に気持ちよくてとろん……としてしまって、いつもよりも感じやすいかもしれない。



「あっ……あっ……」

「梓乃くん……顔、とろとろ」

「あぅ……」



 首に痕をつけられながら、乳首のてっぺんを指でくるくると撫でられる。ゆっくり、くーるくーるとされると、ぞくぞくってして脚がもじもじしてしまう。俺が身じろぐたびにお湯がちゃぷっと音をたてるから、なんだか恥ずかしい。



「ふふ、お湯汚しちゃだめだよ」

「んっ……あっ……で、も……」

「無理そうだったら、自分ででないように抑えていたら? こんな感じで」

「あっ……」



 智駿さんが俺の手をとって、俺のチンコの根元をきゅっと持たせる。指で輪っかを作らされて、それで根元を締め付けるようなそんなことをさせられる。すごく恥ずかしいことをしているって自分でわかるけれど……でも、こうでもしていないと出しちゃうかもしれない。

 俺がチンコを掴んだのを確認して、智駿さんはふっと笑う。そして、乳首を今度はいつもみたいに根元から掴んでひっぱりあげた。



「〜〜っ!」



 じわーっと下腹部が熱くなって、腰が浮き上がった。温泉の熱で身体が温まっているせいか、いつもの乳首責めのような身体を貫くような刺激はない。じわじわ、じわじわとゆるやかな刺激、でもじっとしていられないくらいの刺激が俺を蝕んでゆく。



「んっ、んぅっ……あっ……」

「こっちも触ってあげるね」

「ふ、ぁあ……」



 智駿さんの手が俺の脚の間にするりと入ってきた。俺のお尻の穴に指を二本当てて、くるくると撫でてくる。そんなことをされるとヒクッ、ヒクッ、って奥が疼いてしまうけれど、湯船の中ではきっと智駿さんはなかに挿れてくれない。なかに挿れられて掻き混ぜられることを覚えたお尻は、これからものすごく焦らされるんだと思う。



「あふ……」

「ゆっくりお風呂浸かろうね」

「あ……あ……」



 智駿さんにぐったりと寄りかかりながら、俺は喘いでいた。緩やかな快楽が断続的に襲ってきて、頭の中がぼーっとしてくる。智駿さんが耳の中に舌を挿れてきて、ぴちゃ、ぴちゃって音を立ててくるから、俺はもう智駿さんに支配されてしまっていた。全身を智駿さんに与えられる快楽で包まれて、いやらしい音で責められて。気持ちよすぎてうっとりと目を閉じてしまう。



「お風呂、気持ちいいね、梓乃くん」

「はい……ぁん……あ……あ……」

「ふふ、梓乃くん、とろとろ」



 智駿さんの指が、お尻の穴のいりぐちをとんとん、とノックしてくる。奥がヒクンヒクンッてうずいて返事をすれば、またいりぐちをくるくると円を描くように撫でてくる。そうやって俺の「挿れて欲しい」を煽ってきたかと思えば今度は手のひらを使ってアソコ全体のマッサージ。チンコの玉ごとアソコをもみもみとゆっくり揉み込んでくる。



「あぁ……んっ……あっ……なか……ほし、い……」

「だめ。せっかくの温泉なんだからゆっくりしよう?」

「そんな……ちはやさん……おくの、ほう……あつい、……あんっ……」

「ふふ。だーめ」



 熱くて熱くて、汗が吹き出てくる。ピクッ、ピクッ、って俺の身体がひくつき始めてなかに欲しがっている。



「うーっ……ふ、……あぁー……」



 なかで熱がぐんぐん膨らんでいって、はじけてしまいそうだ。根本を握っているのにチンコの先からはぬるぬるとしたエッチな汁が出てきてしまっている。お湯が汚れちゃうからってイかないように必死にこらえているのに、智駿さんは俺への刺激をやめるつもりはないらしい。



「い、イッちゃう……イッちゃう、イッちゃう……」

「イッちゃだめだよー」

「そ、んな……あーっ……あーっ……」



 ガクガクって腰が震えて、もう、限界だ。奥の方のヒクつきがはんぱない。だしちゃだめ、だしちゃだめ……そう頭のなかで何度も唱えて、俺はチンコの根本をぎゅっと強くつかむ。



「いくっ……!」



 俺はふわっと腰を浮かせて、ビクンビクンッて震わせながらイッてしまった。強くチンコを握っていたお陰で、なんとか精液は出さずにすんだ。ドライでイッたから、まだまだ身体は熱くて、唇からは「はぁーっ、はぁーっ、」って発情丸出しの吐息が零れてしまう。



「ちゃんと出さないでイけたね、梓乃くんえらいえらい」

「ちはやさ……なか、……なか……ほし、……なか……」

「んーちょっと待ってね。僕もう少し浸かっていたいなあ」

「あっ……! やっ、だめっ、だめっ」



 なんとか、射精せずにすんだというのに……また、智駿さんは俺の身体を刺激してきた。しかも、今度はチンコを直接。

 親指で先っぽをくりくりと撫でながら、他の指で竿を扱く。そして、同時に乳首を引っ張ってくる。



「あっあっあっあっ」

「先の方はちょっとだけ出てるんだね。ぬるぬるしてる。梓乃くん、悪い子だなあ」

「やっあっ、んっ、あっあっ」



 腰を突き出して、脚をぱかって開いて、かくかくと下半身を揺らす。我慢が本当に辛くてひんひんと泣きだしてしまった俺の顔を、真横で智駿さんが覗きこんでくる。「我慢だよ」って囁かれて涙を舐められて、智駿さんに調教されているって気分が高まってしまった俺は、また限界がやってきた。



「でるっ……やだっ、でる、でる、いっちゃう、たすけてっ……」

「我慢は? 梓乃くん」

「やっ、ほんと、でちゃうっ……いやっ……ちはやさっ……いっちゃう、いっちゃう……!」

「んー、仕方ないなあ」



 智駿さんは苦笑いをすると、「よいしょ」と言って俺の太ももの裏を抱える。そして、一気に立ち上がった。



「ひ、あぁっ……」



 智駿さんに持ち上げられた俺は、脚を大きくM字に開いてアソコをおっぴろげる体勢になってしまった。あんまりにもはしたない格好に俺は慌ててふるふると首を振る。でも、智駿さんは笑うだけで下ろしてはくれない。それどころか鏡の前に移動して、俺に俺自身の痴態を見せつけてきた。



「や……」

「みえる? 自分のお尻。すっごくヒクヒクしてる。がんばって我慢していたんだね」

「は、はずか、し……や……」

「恥ずかしいって……僕はいつも、梓乃くんのここ、みてるんだよ?」



 「ほら」そう言って智駿さんが俺の身体を軽く揺する。俺は鏡に向かってアソコを突き出しながら、必死にチンコを掴んでいた。このままだと、でちゃう。ゆっさゆっさって身体を揺すられて、振動でなかが刺激されて……またイッちゃう……!



「だしていいよ、梓乃くん」

「ふ、あ……」

「ここならお湯を汚しちゃうこともないし、ね?」



 こんな、鏡の前で脚を広げてだしちゃうなんてできない……そう思ったけれど、もう身体は限界に近い。出したくて出したくてたまらない。

 俺は欲望に負けて、チンコから手を離す。そうすると、智駿さんが思い切り俺の身体を揺すってきた。脚をぐっと広げてお尻の穴をヒクヒクさせて、……そしてユサユサ激しく身体を揺すられて。



「あっ! あっ! あっ!」



 頭の中がさーっと真っ白になって、奥の方がいじられてもいないのにヒクヒクッて激しく収縮して。身体が硬直して、もう俺は……



「いくっ……あっ……! いくっ、いく……イッちゃう……!」



 ださなければ、いけなかった。我慢なんて許されなかった。ぷしゃーっと激しく、潮を吹き出してしまう。精液じゃなくて、潮がでてしまった。思い切りそれは俺の映っている鏡にかかって、もう大変なことになってしまう。



「あ……あぅ……」

「梓乃くん、すっかり潮吹きできるようになったよね。可愛い」

「あ……あ……」



 思い切り潮を吹いたあとも、しばらくぴゅっ、ぴゅくっ……って潮がでていた。俺のアソコはびしょぬれになって、ぽたぽたと汁が床に落ちてゆく。


「う……」

「気持よかった?」

「はい……」



 潮吹きが落ち着くと、智駿さんが俺を降ろしてくれた。俺は潮吹きの余韻に浸ってぼーっとしながら、自分の濡らした鏡に手をつく。

 潮吹きって、気持ちいい。頭が真っ白になって、すさまじい解放感が一気に押し寄せてくる。自分がすごく恥ずかしいことになっているなんてどうでもよくなって、全神経がその快楽に集中してしまう。だから潮吹きの後は何も考えられなくて、ただ火照る身体を冷ますために何かにすがりつくことしかできない。俺は鏡に、手をつくだけではなくてぺたりと上半身をくっつけてしまっていた。



「そんなに鏡にくっついたら、梓乃くん汚れちゃうよ? せっかくお風呂はいったのに」

「ん……」



 智駿さんが俺の後ろで、くすくすと笑う。たしかにそうだ。鏡には俺のだした潮がだらだらとついてしまっている。こうして上半身をぴったりとくっつければ俺の身体は汚れてしまうわけだ。



「ほら、おいで。洗ってあげるから」



 智駿さんに呼ばれて、俺はゆっくりと振り返る。そうすれば、智駿さんが俺の身体にシャワーをかけてきた。



「んっ……」



 そして、濡れた身体にボディソープをつけてゆく。腕と、肩と……そして、お腹と胸。お腹と胸を智駿さんは丹念に泡を立てていた。くーるくーるって優しく丁寧に撫でてきて、その優しい手つきに俺の身体は反応してしまう。ぴくんっ、ぴくっ、て身体を洗われながら、俺は震えていた。



「梓乃くん。僕の身体も洗ってくれる?」

「はい……」

「身体をつかってね。その泡だらけの身体をつかって、僕の身体も洗って」

「からだ……」



 身体を使うって、どういうことだろう。ちょっと考えて俺が思いついたのは……



「ん……」



 智駿さんに正面から抱きついて、密着。そして身体をゆっくり上下に揺らして、俺の身体をスポンジ代わりにして泡をたててゆくことだった。



「あっ……あっ……」

「上手、梓乃くん」



 泡をたてられるくらいにくっつくと、かなりの密着度になる。たくさんイって、潮吹きまでしてしまった超敏感になっている俺の身体は、こんなことをすれば感じまくってしまう。にゅるっ、にゅるっ、と肌が擦れるたびに全身がぞくぞくと粟立った。



「んんっ……ぁん……」

「もっとくっつけて」

「んー……」



 智駿さんの身体の上で乳首が転がる。びんびんに勃ってしまった乳首はこうやって身体をこすり合わせると刺激されて気持ちよかった。思わず俺は胸を強く押し付けて、乳首を智駿さんの体に擦り付けてしまう。



「そうそう、梓乃くんいい子だね。脚のほうも洗ってくれる?」

「あっ……はい……」



 智駿さんはシャワーベンチに座って、「おねがい」って優しく俺に言ってきた。俺はそろそろと智駿さんの片脚を跨いで座って……前後に腰を振る。



「あっ……! ぁんっ……!」



 アソコがにゅるんにゅるんと擦れて、下腹部がゾクゾクッとした。なかがすごくヒクついて、すごく気持ちいい。でもいりぐちだけの刺激だから……なか、挿れて欲しくなるなあ、ってそう思った。挿れて欲しい、挿れて欲しいって頭の中で何度も懇願して腰を振る。そうしていると……



「んぁあっ!」



 ぐんっ、と智駿さんが急に腿を上に突き上げてきた。ズンッと押し上げるような刺激がアソコから脳天を突き抜けて、俺は仰け反って甲高い声をあげてしまう。



「あはは、なんか物欲しげな顔をしてるから」

「あぁっ、あっ」

「ほら、ちゃんと僕の体洗って」

「んっ、あっ……ごっ、ごめんな、さっ……」



 智駿さんの目が、サディストの目になっていた。すごい、いじめられてるっ……!ってゾクゾクしてしまって、俺のアソコがヒクヒクする。

 俺は智駿さんの肩につかまって、必死に腰を前後に振った。智駿さんに突き上げられながら。さっき潮を吹いたばかりのチンコはまた勃っていて、ズンッて突き上げられるたびにぴゅってなんの液体かもわからないものを出している。もう気持ちよすぎて、わけがわからなくなって、俺はひんひんと泣きながら喘いで、夢中で腰を振っていた。



「あっ、ひっ、んぁっ、やぁっ」

「いい鳴きっぷり。可愛いよ、梓乃くん」

「あぁっ……ちはやさっ……もっと、……もっと……」

「いいよ。もっと気持ちよくなりたいんだね」



 俺がおねだりすれば、智駿さんはふふって笑って俺の両頬を手のひらで包んでキスをしてきた。気持ちよすぎてぽろぽろと涙が溢れている瞳にも、キス。甘い甘いそんなキスに胸がきゅんきゅんして幸せな気分になって、全身から力が抜けてゆく。

 そんな、くたりとした俺を、智駿さんは体勢を変えるように誘導してた。座った智駿さんの上に、智駿さんに背を向けるようにして座るような、さっきお風呂にはいっていたときのような体勢に。でも違うのは……



「あぁ……」



 今度は、挿入されたということ。俺は智駿さんのかたくなったものにお尻の穴のいりぐちを当てた状態で、重力に身を任せていく。



「あ……あ……」

「なかに欲しかったんだよね」

「はい……あっ……くる……おくに、……ちはやさん、の……あぁ……」

「ほら、最後まで、いれて」

「あー……おくっ……おくに、……あっ、あぁっ……あっ!」



 ずぷぷ……、とゆっくり、ゆっくりと腰を落としていけば、智駿さんのものは俺のなかにぐんぐんはいってきた。そして、最後まではいってぺたりと智駿さんの脚に俺のお尻がくっつけば、ズンッと重い快楽が俺の身体を突き上げる。



「んぁあっ……!」

「ああ、すごい。奥の方が震えてるね」

「だっ、てぇ……んっ……んっ……!」



 智駿さんが俺の乳首をつまみ上げて、チンコをしごいてきて、そして背中にキスを落としてくる。身体をゆさゆさと揺すられれば身体の奥の方ですさまじい快楽がはじけて、眩暈がする。

 前かがみになって、それでも快楽からは逃げられなくて。智駿さんがしごいているチンコは俺の出したいろんな液体でぬるぬるになって。揺すってくるスピードはそれほどのものでもないのに、着実に、じわじわと俺は絶頂に責め立てられていって。



「あっ……あっ……あっ……あーっ……!」

「……っ、きつ、……梓乃くん……」

「ちはやさっ……いくっ……!」



 ぽろ、と智駿さんの唇からこぼれた、熱っぽい言葉で、俺はイッてしまった。

 ……智駿さん、そういう声も出すんだ。イってヒクヒクしながら、俺は智駿さんの少し余裕のない声にドキドキしていた。いつも、余裕たっぷりに俺をいじめてくるから、こういう声を聞くとものすごくドキッとしてしまう。

 珍しい智駿さんの反応に満足しながらもぐたっと全身から力が抜けて、俺は智駿さんにもたれかかってしまった。ぐったりと智駿さんの肩に頭を乗せれば、智駿さんは俺の顔にキスを降らせてくる。俺はとろんとしてしまって目を閉じて、智駿さんのキスに蕩けていった。



「はー……はー……」

「梓乃くん……まだ、旅行始まったばかりだよ……」

「はい……智駿さん……もっと……もっと、……忘れられない思い出、つくりましょう」



 本当に、そのとおり。まだ夜にもなっていないから、温泉宿の本番はこれからってところ。

 ああ、今日は熱い夜になるのかな。そう思うとすごくドキドキして、にやけてしまった。



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