▼ cinq
「智駿さん、こんにちは」
「こんにちは」
例のAVをみてから数日。ようやく、智駿さんに会える日がやってきた。あれからというものの、俺は毎日一人エッチして、がんばっていた。だから、今日はいつもよりも智駿さんに喜んでもらえるかなって、ワクワクしていた。ずっと智駿さんのことを想って一人エッチしていたから、ようやく智駿さんに触ってもらえるっていう嬉しさも、ワクワクのひとつだけれど。
今日も智駿さんの家にあがってからはくっついてごろごろしたりして、しばらくはのんびりと過ごしていた。
智駿さんの首すじとか、指先とか、腕の筋肉の筋とか……そこをみたり触ったりしているとドキドキしてくるのはいつものこと。それから匂いも、俺の身体を熱くする。今日は智駿さんのことをエッチで喜ばせることばかり考えているせいか、発情しちゃうのも早かった。智駿さんの腕に抱きつきながら、自分の身体がエッチ仕様に変わっていくのを感じる。シャツの下で乳首が勃ってきたし、お尻の穴がひくひくし始めたし。たぶん今なら……キスで即イクと思う。
「梓乃くん、ほんとわかりやすい」
「……やっぱり、わかりますか……?」
「雰囲気だけで梓乃くんがエッチなこと考えてるのわかるよ」
智駿さんが俺の顔を覗き込む。俺、今どんな顔をしているんだろう。やらしい顔をしているのかな。智駿さんが欲しくて欲しくてたまらないって顔、してるかな。智駿さんが微笑みながら俺の頬を撫でてきて、俺はうっとりとしてしまう。
「今日は梓乃くん、こういう気分になるの早いんじゃない?」
「……だって……ずっと、智駿さんのこと考えて一人でしてて……」
「そっかそっか、僕に触って欲しいんだね」
智駿さんの手が、俺の胸にぴたりとあてられる。そして、くるくると手のひらで大きく撫でてきた。シャツの下で乳首がくにくにといっていて、ぞわぞわとしてくる。ふるふると震え始めた俺を智駿さんはたのしげに見ていて、俺は感じているときも顔に出やすいんだなって思った。
しばらくそうやってじりじりと胸を責められて、乳首がこりこりになってきた。智駿さんはシャツの上からそれを感じ取ったのか、ふと手を離して、そして指で……ぴんっ、と乳首を弾いてくる。
「あぁんっ……!」
――あ。
しまった、うっかり声が出た。
だめだ、智駿さんは声を我慢するのがいいから……。せっかく練習したのに、声を出してしまったら意味がない。
「ふっ……ぅっ、んっ……」
また、ぴんっと弾かれて、今度こそ俺は声を堪えた。瞼と唇をぎゅっと閉じて、智駿さんに縋り付く。びくんっと震える俺の身体が面白いのか、智駿さん何度も何度も乳首を弾いてきて、俺は声をこらえるのに必死だった。
「んっ……んっ、……んっ!」
なんで……なんで智駿さんに触られるとこんなに感じちゃうんだろう。乳首に媚薬を塗り込んで自分でぎゅーぎゅーひっぱったときよりも、こうして智駿に軽く弾かれるほうがずっと感じてしまう。弾かれるたびに大袈裟に身体がビクンッ、ビクンッ、って震えて、そして脚がガクガクと言い始めて……気持ちよすぎて、パンツのなかがびしょびしょになっているのがわかるくらいチンコからだらだらとエッチな汁が溢れていた。
「可愛い、梓乃くん。ね、胸、みせて」
「ん……」
とろんとなった俺の頭を、智駿さんが撫で撫でとしてくれる。俺は気持ちよくてとろんとなりながら……シャツを、くいっとたくしあげた。シャツの下からピンクに膨らんだ乳首が現れて、触って触ってと存在を主張している。自分で服をたくしあげてこのいやらしい乳首をみせるのは、恥ずかしい。
「そう、いい子。梓乃くん、胸、反ってみて」
「んっ……」
「そうそう……いやらしいね」
「あっ……んぁっ……」
言われた通りにぐっと上半身を反らすと、乳首が上向きにツンと勃った。智駿さんはそんな俺の乳首を、根本からきゅうっとつまみ上げる。ぷっくりこりこりに膨らんで勃っているのに柔らかい俺の乳首は、智駿さんが指でくにくにとすると素直にぐにょぐにょと形を変えていた。乳首をこねくり回されて、俺はもうたまらなくなって、蕩けたような声が漏れそうになってしまう。
「あぁっ……う、……んんっ……」
「可愛い」
「んーっ!」
声でちゃう……!
俺は慌ててたくしあげたシャツをぱくりと咥える。
「あはは、なあに、それ。すっごく可愛い。僕のこと煽ってる?」
「んーっ……んんーっ……!」
ぎゅうっとシャツを噛めば、なぜか智駿さんはそれを「いい」って感じたみたいで。俺がシャツを噛んだまま上目遣いに智駿さんを伺い見えれば、智駿さんはいつもの熱っぽい瞳をしていた。この目をしているときは、智駿さんが俺をいじめたおしたいって思っている時。俺を愛でたいって思っているとき。智駿さんは口元では優しく笑いながら、俺の乳首をぐいぐいと引っ張っていじめてきた。
「んんっ……! んーっ……!」
「ほんと、梓乃くんの乳首は敏感だね。触ってて楽しい」
「んんー……」
ぴんっ、ぴんっ、と跳ねてきたり、ぎゅっと引っ張ってパッと離してみたり。智駿さんは俺の乳首でたくさん遊んだ。俺の腰がびくんびくんと前後に揺れ始めて、絶頂が訪れる。ぎゅっと手先とつま先をまるめて、俺は智駿さんに乳首をおもいっきり引っ張られながら、イッた。
「ふっ……うっ、ぅん……!」
「あは、梓乃くんのイってるときの顔、何回みても可愛い」
「んんっ……!」
イって、ビクンビクンしているのに智駿さんはまだ乳首をいじくってくる。そんなことをされると俺は断続的にイってしまうわけで……咥えているシャツが唾液でべたべたになってくる。
智駿さんは片方の乳首をいじったまま、俺のズボンを脱がせてきた。するするとがされて下半身を覆うものがなくなくと、勃ちあがったチンコがぷるんっと姿を現す。案の定濡れていて、チンコはぬらぬらとテカっていた。
「はい、もうシャツ噛まなくていいよ。疲れたでしょ?」
「ふ、ぁっ……」
噛んでいたシャツを、離す。これで声を我慢していたのに、大丈夫だろうか……俺は不安になってくる。
「じゃあもっといっぱいイこうね」
「ぁん……」
仕方ないから手を軽く口に添えた。それでも、智駿さんにアソコを触られると感じてしまって声が漏れる。智駿さんはぬるぬるを手のひらにつけて、そして穴があるあたりをくるくると撫で回してきた。キュンッ、キュンッ、とお尻の穴がヒクついて、そのたびに俺は身体をくねらせながら小さく声をあげる。
「んっ……ぅう、ん……」
「ふふ、マッサージ」
「ぁ、う……」
大きく、手のひらでアソコをもみもみとされる。早く指を突っ込んで欲しいけれど、……これも気持ちいい。乳首をこりこり、アソコをもみもみ。俺は智駿さんの腕の中でとろとろになってしまっていて、頭がぼんやりとしてきた。
「ぁ……ぁん……ん……」
「うっとりしてる……気持ちいい?」
「きもち、い……」
「可愛い」
声、でちゃう……。どんどん理性を溶かされていって、声を抑えられなくなってくる。口を抑えていた手もずるっとずり落ちてパタリと腰の脇に落ちる。完全に智駿さんに身体を委ねた体勢で、俺は智駿さんに蕩けていた。
アソコが、とろとろになってくる。女の子でもこんなに濡れないってくらいに俺のアソコはびしょ濡れ。チンコからとろとろとろとろと溢れてくるエッチな汁が、すごい量。くちゃ、くちゃ、と音をたてながら智駿さんはアソコを揉みしだいてきて、俺のアソコは溶けちゃうんじゃないかってくらいに熱くなってくる。
「んっ……んっ……ぁ、ふ……」
「なかに挿れて欲しい?」
「ん……ん……」
「そう。じゃあおねだりしてごらん」
でも、なんとか声を我慢する。智駿さんに喜んでもらうため。智駿さんはいつもと変わらない調子で俺を可愛がるのを楽しんでいるけれど、きっといつもよりもいいって思ってくれている。そう信じて、声の我慢は続行。
だから、「おねだり」で迷った。声を我慢しているのが好きってことは、あんまり露骨におねだりしないほうがいいんじゃ……?って。でも、なかは掻き回して欲しくてたまらないし、おねだりはしないと……。
「んっ……ん、……あっ……」
俺は迷った末に、アソコを智駿さんの手にぐりぐりと押し付けた。挿れて挿れて、って懇願するように、軽く腰を浮かせて智駿さんの手のひらにぬりゅぬりゅと穴を擦り付ける。もちろんこんなことをすれば感じてしまうわけで、俺は自分でこんなことをやりながらアソコをヒクヒクさせて腰をくねらせていた。
「あっ……んぁ……」
「新しいおねだりだね。もっとしてみて」
「ふっ……うっ、んぁ……」
これ、智駿さんの手のひらを使ってオナニーしているみたい。そう気付いて恥ずかしくなったけれど、腰を動かすのが止まらない。声を我慢しながら、何度も何度も腰を揺らす。
「こうするの、気持ちいい?」
「ん、ん……」
「ん? 違うの?」
智駿さんの意地悪は、いつものこと。こうして焦らされると俺がとろとろになるってわかっているから、ひどいくらいに焦らしてくる。俺は挿れて欲しくてこうしておねだりしているのに、智駿さんは挿れてくれない。俺のして欲しいことなんてわかっているくせに……。
智駿さんの手のひらがぬるぬるになるまでアソコを擦り付けたけれど、やっぱりだめ。もっとわかりやすいおねだりがいいのかな。でも声で言わないほうがいいよね? 悩んで、俺はゆっくりと、自分の穴に指を添える。
「んっ……」
脚を開いて、穴をくぱっと広げてみせた。そして、智駿さんを見上げて目を合わせる。挿れて、って目で必死に訴えた。ぐいっ、ぐいっ、って穴を広げておねだりを頑張った。
「ん? 梓乃くん。どうして欲しいの?」
「ちは、やさ……」
「ほら、もっとおねだり」
「ちはやさん……」
はやく、挿れて……。なかがヒクヒクしまくって、熱い。
俺は耐えられなくなって、智駿さんの指を軽く掴む。そして、自分の穴にいざなった。腰を突き出して、智駿さんの指をずぷ……、と挿れてゆく。そして、目をぱちくりとしている智駿さんに見せつけるようにして腰を振った。自分で、智駿さんの指を抜き差しする。
「ふっ……あは、そうくるとは思わなかったな」
ちゅぷ、ちゅぷ、何度か智駿さんの指を挿れて、智駿さんの笑う声が聞こえたところで俺は振り向く。智駿さんは意地悪そうに微笑んでいて、その顔を見た瞬間に俺のなかがキュンッと締まって智駿さんの指を締め付けた。
智駿さんが、つぷ……っと指を引き抜く。
「……よくできました、梓乃くん」
「〜〜ッ」
そして……ズブッと三本、一気に挿れてきた。あんまりにも快楽が強烈で、俺は大げさなくらいにのけぞって身悶える。じゅぼっ、じゅぼっ、って激しく抜き差しが始まって、俺はイッてしまって、声をあげそうになった。
「んむっ……!」
でも、それを智駿さんが塞いだ。俺の顎を掴んで振り向いた状態で固定してきて、キスをされる。
「んっ……ん、ふ……!」
舌をねじ込まれて、咥内を犯され始めた。そして同時にアソコをめちゃくちゃに掻き回されて、俺は頭が真っ白になる。
とろっとろのアソコはとにかく感じやすかった。ぐっちゅぐっちゅとなかをいじられまくって、智駿さんの指を思い切り締め付けながら俺はイキまくる。焦らされ焦らされたアソコを一気にイかせる智駿さんのいじめ方に俺はとにかく弱くて、智駿さんが指を動かす度にイッていた。小さな絶頂を何度も何度も繰り返していた。
「あぅっ……うっ……ん、ぁっ……」
そんな風にイッてイッてイきまくっているから、キスの合間に声が漏れてしまう。舌を突っ込まれているから食いしばることもできなくて、唾液を口の端からつうっと垂らしながら俺はあえいでしまった。やばい、やばい……そう思うのに声は止まらない。
「うぁ……」
キスされながらイかされるの、気持ちいい……声をだしちゃだめ、でももっといじめて。そんな、俺のドエム心がふつふつと膨らみ始めたとき……唇が、離される。もっとして欲しかったのに……って俺が寂しいって顔をしたからか、智駿さんはふっと笑って、俺の唇を指でぬぐってくれた。俺はそんな智駿さんの行動にきゅんっとしてしまう。
「梓乃くんのお尻、すっごいとろとろ」
「ちはやさん……」
「挿れたくなってきちゃった。挿れるね、梓乃くん」
「んぁっ……」
ぐっとそのまま前に倒されて、俺はうつ伏せになった。腰を高く突き出して、獣みたいなポーズ。
ああ、今日はバックだ……。バックで突き上げられる時の快感を思い出して、ゾクゾクしてきた。バックで突かれると、「犯されてる」感があってすごくいい。智駿さんにお尻を掴まれてガツガツ突かれて、どうしようもなくなってアンアン言ってると、支配されてるような気分になってすごく幸せになる。だから、バック大好き。俺はお尻をヒクヒクさせながら、智駿さんに挿入されるのを待っていた。
「んっ……」
「あ、すごいきゅんきゅんいってる」
「んぁ……」
智駿さんのものがあてられて、ず……、となかにはいってきた。ああ、やばい、イク、イク……。いつものように、挿れられただけでイきそうになる。でも声、だしちゃだめだから、俺はシーツにぎゅっと唇を押し当てて、声を我慢した。
「……ッ、」
脚がガクガクと震える。奥まではいってくると、俺のなかはきゅんっ、きゅんっ、って痙攣してやっぱりイッた。智駿さんはそんな俺の絶頂を感じて笑う。そして、腰をぐいぐいと押し当ててきて、俺の奥をそのふとくておおきいものでぐりぐりしてした。
「んーっ!」
「あは、すごくイってる。もっとイッちゃって」
「んーっ、んんーっ……!」
全身が震える。智駿さんのものが大好きな俺の身体が歓喜に震えている。感じすぎて俺は涙を流し、そしてシーツを噛んでいた。
「梓乃くん」
不意に智駿さんが声をかけてくる。同時に一突き、ズンッと奥にやられて俺は声をあげそうになった。
「今日、あんまり声を出さないんだね?」
「ふ……、え、?」
「ずっと、こらえてる」
ずず……と智駿さんのものが引き抜かれていく。そして、勢いよく、パァンと音がなるくらいに腰を叩きつけられた。
「〜〜ッ」
脳天を突き抜けるような衝撃に、俺は声にならない声をあげる。ぎゅっとシーツを握りしめて唇をシーツに押し付けて、なんとか声をあげないように耐えたけれど、智駿さんはそんな俺を面白そうに笑っている。
「そうされるとさ、」
また、引き抜かれて、思い切り。パァン! パァン! って凄まじい勢いで突き上げられる。
「んんっ! んんーっ!」
「余計に、鳴かせたくなるよね」
「んーッ!」
イク、イクイク、イッちゃう、だめ……!ふーっ、ふーっ、て息をしながら俺は泣いて、それでも声がでないように耐えた。もうチンコからはぷしゃぷしゃって潮をふいてしまっていて、腰が砕けそうになっている。
「がんばるね、梓乃くん。じゃあもっと耐えてみる?」
「ん……ん……」
前立腺をごりっ、ごりっ、とこすり上げるようにして智駿さんは奥を突き上げてくる。すっかり俺の下半身は力が抜けてしまっていて、智駿さんにされるがまま。潮がシーツを濡らして俺の下はびちょびちょになっていて、それでも智駿さんは容赦しない。
俺はもう、限界だった。突かれるたびに、声がどんどん漏れてきていた。これじゃあ智駿さんが喜ばないって思って悔しくて、ぼろぼろと涙がでてくるけれど、声は出てきてしまう。
でも、そんな俺を、智駿さんが優しく撫でてきた。声が出てしまうことなんてわかっていた、って言うように。それがまた申し訳なくて、悲しくなってくる。
「ねえ、梓乃くん」
「うぁ……」
「なんで我慢しているの」
智駿さんが俺に覆いかぶさってきて、耳元で囁く。僅か乱れた吐息が、怖いくらいに色っぽい。それだけで俺はまたイきそうになったけれど、智駿さんが俺の腰を引き寄せるように掴んできて腰をぐーっと押し付けてきたのが良すぎて、それで俺はイッた。シーツに顔を押し付けて、涙も声も必死に堪えながら、イッた。
「僕は、」
「ひっ……あー……」
耳の中に、熱い吐息が入り込む。それ以上近くで囁かれたら壊れちゃいそうになって顔をそむけようとしたけれど、それは叶わない。智駿さんが片手で俺の顎を掴んできて、逃がさまいとしっかりと固定してきたのだ。
「聞きたいよ、梓乃くんの声」
「ふ、……え?」
「とろっとろに蕩けた梓乃くんのいやらしい声、聞かせて欲しいな。梓乃くん」
思わず、何度もまばたきをしてしまう。智駿さんは優しく微笑んで、「ね?」と首を軽くかしげた。
「……ちはやさん……俺の声……いやじゃない?」
「嫌なわけないでしょ?」
「……耐えているほうが、好きなんじゃないの……?」
「んー、耐えているのもすごく可愛かったけど……僕、梓乃くんが可愛い声出しているところ大好きなんだよね」
ふふ、と智駿さんが笑って、優しく腰を動かした。「声が好き」って言われて嬉しくてしょうがなかった俺は、それだけで「あっ……」と甘い声を出してしまう。それを聞いた智駿さんはさらにゆるゆると俺のなかを突いてきた。
「あっ……あっ……あっ……」
「そう、可愛いよ、梓乃くん。もっと出して」
「あぁっ……」
もう、我慢しなくていい。声を出して、智駿さんが喜んでくれる。その嬉しさも相まって、俺はいっぱい声をだしてしまった。智駿さんはしきりに俺の首に愛おしげにキスを落としてくる。さっきの激しい責めとはまた違う、甘いとろとろな責めにもまた俺は、たくさんイッていた。ひくんっ、ひくんっ、って何度も腰を跳ねさせて、感じまくっていた。
しばらく、バックで挿入されたままゆるゆると抜き差しされたり背面にキスをされたりしていたけれど、やがてくるりと体を反転させられて、正常位の状態にされる。智駿さんは仰向けになった俺にぐっと顔を近づけてきて、息のかかる距離で囁いた。
「梓乃くん、じゃあ、口でおねだりしてみて」
「口で……?」
「さっき、やって欲しいことを言葉でおねだりしてくれなかったでしょ。ねえ、やって欲しいこと……言ってみて」
じ、と目を覗き込まれる。その視線に、「可愛い」「愛おしい」「大好き」って智駿さんの愛の囁きが聞こえてきて、ものすごくドキドキした。やって欲しいこと、ってなんだろう。たくさんあるし、そのどれもが口にするのは恥ずかしいし……けれど、俺が声に出すことを、智駿さんは喜んでくれる。いやらしい声をあげることも可愛いって言ってくれるから……いやらしいおねだりも、きっといいって思ってくれるはず。
「……ちくび……いじめてください」
「……こう?」
「あんっ……あっ、あと……奥のほう……ぐりぐりって、強くしてください……」
「ふふ、こうかな」
「んぁあっ……あぅっ……きもち、い……それから……んっ……」
「それから?」
「……それからっ……きす……キスを、してください……智駿さん……キスして」
だから、やって欲しいこと、素直に言った。すごくいやらしくてエッチなことだけど……智駿さんは目を細めて、優しく微笑んだ。
ちゅ、って唇を重ねられる。何度も、何度も。乳首をこりこりされて、奥の方をぐりぐりっと突かれて……それをされながら、甘いキスをした。幸せで幸せで、おかしくなってしまいそう。
「あっ……ん、ぁ……」
「可愛い、梓乃くん、可愛い……」
「あぁっ、ああ……ちはやさん……んぁ……」
見つめあって、交わした視線が溶けてしまいそうで。そして吐息交じりの声が、こぼれてゆく。胸が満たされて、きゅーんってして。エッチって心がいっぱいいっぱいになるんだって改めて実感した。だからエッチ大好き。気持ちいいのももちろんだけれど、幸せになるから、智駿さんとのエッチが大好き。
「あっ……あっ……」
「梓乃くん、」
「んっ、……ちはや、さ……なかだし、して……」
「ん、梓乃くん……」
「いっぱい、そそいで……ちはやさん、なかにだしてっ……」
智駿さんの吐息が荒くなってきて、そろそろだ、と感じた。俺はもうイきまくっていて、十分に快楽は得ていたのに、エッチが終わりに近づいてきて残念に思ってしまう。
「あっ、あっ、あっ、あっ……」
「梓乃くんッ……」
「んぁっ……ちはやさんっ……ちはやさん、ちはやさん……」
ぐっ、と腰を押し当てられて俺は仰け反った。そして、智駿さんの背に爪を立てるようにしてしがみつく。
どくん、となかに出される感覚に、俺の全身が歓喜に震える。なかが智駿さんで満たされていく……幸せすぎて、どうしようもない。
「智駿さん……すき……」
「僕も、梓乃くん。大好き」
イッた余韻でひくひくと震えながら、またしばらくキスをしていた。溶けてしまいそうだ、そう感じていた。
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