13

「あの……レヴィ様」



 マグニフィカトも終わり、レヴィとミオソティスはマクファーレン邸に戻ってきた。全く知らない屋敷に連れて来られたミオソティスは、びくびくと肩を縮こませて歩くばかり。寝室に入れられて、恐る恐る尋ねたのだった。



「……私は……何をしたらよろしのでしょうか……夜伽、を……」

「いや、そういうのいいんで」

「で、では何を……」

「あのー……その敬語、やめてもらえねえ?」

「で、ですが! 貴方は貴族様で、私は、……奴隷です」

「……じゃあ、命令ってことで。敬語やめろ。俺のことも呼び捨て」

「そ、そんな……」



 オロオロとするミオソティスの手を引いて、レヴィはベッドの上に座る。はあ、と溜息をつくレヴィの顔色を伺うように、ミオソティスはちらちらと視線を泳がせた。レッドフォード邸で会った時には乱暴者という印象しか受けていなかったため、何も手を出されないとなると、かえって落ち着かない。



「あの……私と、レヴィさ……レヴィは、幼なじみとおっしゃって、……言ってたけど、本当なの?」

「ああ。おまえ、昔の記憶ないんだってな」

「ご、ごめんなさい……」

「いや、それはいいよ、仕方ない。……俺とおまえの家は、親が仲良くてな。染師のおまえの家に親がいくってときに、よく俺も連れて行かれた」

_170/269
しおりを挟む
PREV LIST NEXT
番外編:表紙 : TOP :
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -