次富

※大学パロ(つづき)

切れたのは誰のものでもない自分の理性。
俯いた視線を唇ごとすくい取って重ねると、今まで感じたことない甘さに目眩がしそうだった。それを甘んじて受け止めてくれる作兵衛の姿もさらに俺に熱を与え、軽く唇を吸いつく。のぼせ上がった頭で舌をねじ込み、お互いの吐息を混ぜ合わせると崩壊した理性は止まることを知らない。
緊張感で震える指先が俺をとらえて、俺の指がいびつな硬さを残しながらも作兵衛を引き寄せる。

「ぅあ、ん、ぁ」

酒によって緩んで熱くなった舌が何度も滑りながらもこちらを求めてくる。ちりちりと短くなっていく感覚がやけに脳内を焦がして、自分を支配していく。けれど同時に震えの止まらない指先が急激に展開し、夢と現実の狭間で迷う自分を示していた。

「作、好きだよ」

このまま本能に従ってもいい、だけどそれではきっと消えてしまう、いや消し去りたい過去になってしまうだろう。
緊張の溶けない俺の手は冷たく、酒でほてらされた作兵衛の手は熱くて握ると丁度よく溶けあっていくようだった。

「明日、全部作の中から酒が抜けて、それでも俺の言葉が届いたなら作の全部俺にちょうだい」
「ん」

とろりと溶けかけた瞼に口づけを一つ落とせば、安堵にまぎれて落ちるのはたやすい。それでも握られた俺の袖口が皺を保っていることが嬉しくて、くらくらと現実と夢の間をさまよいながら、急激な展開に疲れ切ったのか俺が落ちるのもさほど時間を食わなかった。
どうかこの暖かな夢が覚めても夢ではありませんように、そう抱きしめた体は想像してたよりもずっと優しい優越感に包まれていた。

つぎとまで、服のはしっこをちょこんとつまむシーンを描きます。その2



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