今日はとってもいいお天気。
空が青くて清々しい気分になる。

任務がない休日は久しぶりで、これから何をしようかと考えたら楽しくなった。



『……』



皆で穏やかに過せたらいいな。

そう思ってたのにボンゴレのお屋敷にお客さんが来たからゆっくりしていられないみたい。












「やっほー、遊びに来ちゃったよ、名前チャン」

『え…っ、白蘭さん…?』

「近くまで来たからさ!いるかなーと思って。今日は休みなんだって?」

『あ…、は、はい…』

「じゃあ、これから食事でもどう?美味しいレストランを見つけてさ。君と行きたいなって思ってたんだ」

「お断りします」

「断るよ」

『む、骸、雲雀先輩…』

「やだなー、僕は名前チャンを誘ってるんだよ。」

「そんな事は分かってるよ。僕も君と食事なんて絶対に嫌だ」

「大体、僕等がいるというのに堂々と二人きりの雰囲気で話を進めるとはいい度胸ですね」

「え?だって君達には用ないもん」

「……」

「………」

『あ、あの、三人、とも…』



骸と雲雀先輩と話していたら突如、間に入ってきた白蘭さん。
彼によって一気に険悪な雰囲気になってしまった。

重なる三人の視線はピリピリと痛い。

雲雀先輩は目に見えて不機嫌になり、骸と白蘭さんは笑ってるのにどこか怖いと感じてしまう。



「今日は僕が先約していたのですよ」

「ワォ、何を言ってるんだい?名前は僕と出かけるんだよ」

「あぁ、つまり二人ともそう言って名前チャンを困らせてたんだね」

「……」

「………」

『あ…、白蘭さん…私、困ってなんかないです、よ…?』

「でも、二人とも言い争って話を聞いてくれなくてどうしようって思ってたでしょ?」

『う……』



ほらね。
そう言って白蘭さんは骸と雲雀先輩に明るく笑いかけた。

その笑顔を向けられた骸と雲雀先輩は眉をピクリとさせ、より不機嫌になった。



「話してても無駄なようだね。さっさと決めようか」

「えぇ、これが一番、手っ取り早い」

「みんな、やる気だねー」

『……?』



何をするのかな?
ぽかんと見ていると瞬きする間もないくらい素早く、雲雀先輩はトンファーを取り出して構えた。

あ、あれ?
トンファーを出して構えてるって事はもしかして…



『だっ、だめです…っ戦っちゃ…っ』

「……っ」

「あ……」

「な…ー…っ!」

『また、ツナくん達に迷惑かけちゃう…!!』



この間、骸と雲雀先輩が戦って、ボンゴレのお屋敷を破壊したのを思い出す。

今日も同じようにお屋敷を壊してしまったら…と思って、とっさに雲雀先輩の腕に抱きつく形で止めに入った。



『……っ』



雲雀先輩が今にも攻撃しそうだから、念のためぎゅっと力を入れる。

その様子を見て骸と白蘭さんがピクリと反応し、また独特の嫌な空気が流れた。



『あ、あの…、どうしたんです、か…?』

「名前、雲雀恭弥から離れなさい」

『で、でも…っ』

「僕も戦おうかな」

『え…っ!?』

「ねぇ、僕等が戦うのって、やだよね?」

『も、もちろんです…!!』

「だったらさ、名前チャンが今みたいに抱きついて僕を止めてよ。」

『え……?』

「ほら、この際、どーんと僕の胸に飛びついちゃっていいから」

『びゃ、白蘭さん…!?』

「何を愚かなことを……。さぁ、この二人は放っておいて僕と出かけましょう。千種や犬も君に会いたがっている」

『千種と犬も…?』

「えぇ、もちろん僕も君と過したいからここにいるんです」

『骸……』

「僕と名前はいつもは任務で共にいるでしょう。たまには任務抜きで君といたい」



そう言って微笑む骸の表情はとても優しい。
任務の間では見られない笑顔にほっとした。



「骸君ー?いい雰囲気を作らないでよー」

「クフフ…、いい雰囲気ですか、それはそれはすみません。やはり特別な好意のあるもの同士ですから自然にそう見えてしまうんですかね?」

「本当、腹立たしいね、君」

「というか僕は"お父さんと娘みたいなほのぼのしたいい雰囲気"って言いたかったんだよねー、何を勘違いしてるんだか。」

「な……っ」

「あぁ、確かに。任務では六道骸は何かと名前のフォローをしてるみたいだしね。」

「でしょ?」

「……ッ!!」

『え…、あの…っ』



口を挟む隙がない口喧嘩。
終わらない所か次第にエスカレートしていった。

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