幼なじみであるスパナが突然「ジャッポーネに行く」と言い出した。 旅行に行くの?と聞いたら、しばらく戻って来ないと短い返事。 何でいきなりジャッポーネに行く事になったかというとミルフィオーレファミリーの日本支部アジトに配属になったためらしい。 少しは悩むと思いきや憧れのジャッポーネを前にして、名残はまったくないようであっさりとイタリアから、私の元から去っていった。 恋人でも何でもない、ただの幼なじみの私には引き止める理由はない。 今まで通りに接して彼を見送った。 『……』 ジャッポーネに憧れを抱いていたのは知ってる。 いつも瞳を輝かせて色んな事を語ってくれたもの。 だけどイタリアで変わらず機械弄りをしていたから、スパナがいなくなるなんて今まで考えた事もなかった。 『……寂しいじゃん、スパナのバカ。』 恋してたの、あなたに。 いつでも伝えられるから、まだこのままでいいって思っていたのに。 今はすごく遠い。 伝えたいのに伝えられない。 Dear |