戦いの終わり。
これからどんな日が待ってるのかな。



『……』



どんな日でも、最後には幸せだって笑いたい。

胸を張って生きたい。



『………』



大切な人が傍にいる世界で。








私の居場所



「終わったな」

「うん……、あっ!そうだ!皆は大丈夫だよなっ!?」

「まったく、お前は甘いな。」

「い、いいだろ、別に!」

「心配しなくても無事だぞ。ランチアも解毒剤が間に合ったみてぇだ」

「よかった…!!」

「ここにもすぐに医療班が来るはずだ。」

「そ、そっか!あ……骸も死んでない、よな?」

「近づくんじゃねぇびょん!!」

「え……っ!?」

「……っマフィアが骸さんに触んな!!」

「何で、そんなになってまで庇うんだ…!骸はお前達の事を利用してたんだぞ…!!」

「分かったような口、きくな…」

「こんくれぇ、あの頃の苦しみに比べたらどうってことねぇびょん…!!」

「あの頃…?」

「話せ。何があった?」

「…ー…オレらはな、自分のファミリーに人体実験のモルモットにされてたんだ!!」

「……やはり、お前達もそうだったのか。」

「人体実験って、羽依ちゃんもされたっていう奴…っ!?」

「あぁ。で、羽依が禁弾を開発し人体実験の元凶であるエストラーネオファミリーのボスの娘、なんだな」

「……っ」

「だから、骸やお前達は羽依を恨んでたって訳か」

「…ー…違う」

「……?」

「違う……。骸様は、羽依を……っオレ達、だって…っ!!」

「え……?」

「柿ピーッ!!何、言ってんだびょん…!!」

「……っ!」

「…ー…っ大体な、禁弾だって言うけど、そんなのお前らの都合だろうが!!」



遠くで聞こえる犬の声。
犬はエストラーネオファミリーの事を話していた。

ツナくんとリボーンくんは話に耳を傾けてるようで、犬の声しかしない。



「その時……っオレらに初めて居場所が出来たんだ…!!」



初めての、居場所。

犬、千種、私にとっての初めての居場所は骸が作ってくれた。

エストラーネオファミリーのように、そこにいなくちゃいけない居場所じゃない。

いてもいい場所を骸は作ってくれた。

私たちは自分から望んで骸の傍にいた。



「それを、お前らに壊されてたまっかよ……!!」



犬の悲痛な声が胸に響く。

目頭が熱くなって、涙が伝った。



『……(む、くろ…)』



骸は最初から、私を利用するつもりでいたのかな?

…なんて事は不思議と思わない。

これからも何をされたって、私は信じてる。

骸は優しい人だって。

彼の傍は今でも私の居場所だって、思うから。



「…ー…オレだって同じだよ」

「………!?」

「オレだって仲間が傷つくのを見てられない」

「……」

「もう、絶対に傷つけることなんてしたくない、守っていきたいんだ」

「…ー…っ」

「皆がいる、羽依ちゃんがいる、オレの居場所を」

「く……っ」



しんと静まりかえった空間。
だけど、沈黙を破ったのは駆けつけてくれた治療班…



…ー…ではなかった。



「あ…っ!!」

「ぐ……っ!!」

「早いお出ましだな」

「な、何してるんですか…っ!!」

「ツナ、復讐者に逆らうと厄介だ。」

「復讐者っ!?で、でも!骸達をどこに連れて行くんだよ…!!」

『……!!』



復讐者に、連れて行かれるの?

犬と千種…、骸、も…?



『……っ』



遠くで鎖の音がジャラジャラと響いてる。

その音にピクリと反応して目を開けた。



『…ー…っ』



目の前がぼやけているけれど、意識はある。

身体、動くかな。



『ぁ……っ、く…』



痛いけれど、大丈夫。

まだ、動く。



『……っ』



私は立ち上がろうと身体に力を入れる。



▼その時、声が聞こえた
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