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免罪符は燃え尽きた

※王の男パロ

臨也→女形芸人
静雄→芸人仲間
帝人様→王




ひらり、とその芸人の薄紅色の着物が靡いた。管楽器を片手に軽い足取りで舞を踊る。目尻に引かれた赤い紅が美しい。
切れ長の瞳が此方をとらえ、そしてまた空を舞った。
薄い唇は柔らかな曲線を描き、ただひたすら唄を歌う。
綺麗だ。
今まで散々色々な芸人達を見てきたが、ここまで美しい者はいなかった。
僕は立ち上がり、そしてその黒髪の芸人の手をとる。ほんの少し高い位置にある顔は、間近で見ると更に端正だ。

「…王様?」

小首を傾げる仕草は駒鳥のようだ。熱情が湧き上がる。ほしい。この美しい者を、僕のものにしてしまいたい。

「…あなたの、」

名前は何ですか、と尋ねよう口を開きかけ、背中に突き刺さる痛いような視線に気づく。
振り返ると、そこには、金の髪をもった長身のもう一人の芸人が立っていた。茶の瞳は燃えるような感情を灯し、こちらを凝視している。
成る程、手をだすなということですか。
ふ、と笑みが零れる。それに気付いた目の前の黒髪は、赤い瞳を丸くして、キョトンと僕を見た。

「…あなたの名前は?」

「え、あ、…臨也といいます。」

戸惑いがちに揺れる赤はやはり美しい。
僕は思う。
あの燃えたぎる感情をかき消し、この美しい赤を手に入れたいと。





*
本当の王の男の王様はかなり変態くさいので、帝人様にその役をやらせるのは無理があったとやっとここで気付いた。
臨也が誰おま状態なのはいつものことです。


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