現実世界、そして、ネットの世界の異変に真っ先に気付いたのはやはり、光子郎だった。
光子郎はお台場中学校のパソコンルームへと新旧の選ばれし子どもたちを呼び出した。
パソコンルームのドアがノックされる。
「でじでじ。」
「もんもん……失礼しまーす。」
パソコンルームのドアが開き、大輔が現れた。
でじでじ、もんもん。
この言葉は選ばれし子どもたちだけの合言葉だ。
子どもたち以外の人が入ってくるのを防ぐための方法であった。
一応、扉にはパソコンのメンテナンス中という貼り紙をしてあるのだが、二重の策を施して、まずいことはない。
「これで全員ですね。」
パソコンルームの中には太一、ヤマト、純、タケル、ヒカリ、賢、京、伊織がすでに揃っていた。
もちろん、この場にいない空、ミミ、丈にも声をかけたのだが、都合が合わず、後ほど合流するようだ。
「で、一体どうしたんすか?」
「とりあえず、これを見てください。」
光子郎がパソコンを操作し、スクリーンには小さい男の子がおねしょをした布団の前でピースをしている写真が映し出された。
「あはは。誰こい「これ、太一のちっちゃい頃の写真だー!かっわいいー!」
「んな呑気なこと言ってる場合かよ。」
大輔の発言を無視し、純は喋り出す。
純の発言により、写真の主が太一と分かり、大輔は気まずそうな顔をしていたが、太一本人は純の発言に呆れており、大輔の発言を気にしている様子は見られなかった。
bkm