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01

今日は待ちに待った球技大会。
スポーツは得意じゃないけど、授業はなくなるし、体は動かせるし、出番がないときは休んでいられるし、いいことだらけ。
がんばっていきまっしょーい!
え、古い?


シュート!


気合を入れたものの、私の出番はあっさり終わってしまった。
運動が苦手な私のせいだけではないと思いたい…!!

なにはともあれ、出番が終わってしまった私はクラスメイトの応援をするだけ。
どの球技を応援するか悩んでいると、目の前が急に暗くなった。
顔を上げれば、幼馴染の姿があった。

「太一。」
「純、もう出番終わった?」
「終わったー。二回戦敗退―。」
「ぶは。さすが期待を裏切らねぇな。」
「うっさい!そういう太一はどうなの?サッカーじゃないから、負けちゃった?」

球技大会の種目にサッカーは含まれていないため、太一はバスケのメンバーに選出されていた。
なんだかんだ運動神経がいい子たちが集まっていたから、負けたとは思えないけど。

「負けるわけねぇじゃん。次、決勝だし。」
「すごいじゃん!応援しに行こー。」
「おー、来い来い。優勝する瞬間、見せてやるわ。」

そんな話をしていると、遠くから太一の名前を呼ぶ声が聞こえた。

「あ、もう行くわ。お前のためにダンクシュート…は無理だから、ブザービート決めてやるからなー!」

そう大声で叫びながら、走り出す太一に視線が集まるのは当然だと思う。
自然と私にも視線が集まっているのだけれど。

「あんたたち、本当に付き合ってないわけ?」

その様子を隣で見ていた空がボソッと呟いた。
他の子たちも遠巻きに私を見て、うんうんと頷いていた。
え、なに、この状況。

「付き合ってないよ。太一はただの幼馴染。シスコンとかブラコンみたいなものだよ。空も知ってるでしょ?」

小さい頃から一緒にいた私と太一はいて当たり前の存在ではあるけれど、恋愛感情は一切持ち合わせていない。
一緒にいて楽だから、一緒にいることは多いけど。

「そうね。私からはもうなにも言わないわ。」
「変な空。あ、試合始まるみたい!行こう!」

空の腕を引っ張って、バスケコートへと足を向けた。


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