「そうだな…俺だったら、女性ボーカルとして、純をTEEN-AGE WOLVESに入れるかな。」
「なにそれ。絶対やだ。」
「顔は嬉しそうだけどな。」
「…ヤマトは欲張りだ。」
だって、私とバンド、どっちも優先させちゃうんだもん。
「まぁな。大事なものはもう手放したくないんだ。」
「ヤマトがその言葉言うと、ムダに重みがあるよねー。」
「ま、俺だからな。」
照れ臭くて、つい笑う方向へ話を持っていってしまう。
ヤマトはそれを分かって、ちゃんと話にノってくれる。
それはヤマトが私を最優先してくれてる証拠。
昔のヤマトだったら、無視して終わりだったよ、きっと。
だから、大丈夫。
バンドに時間を注ぎ込んでも、気持ちの中では私が最優先って分かるから。
他の人には分からないだろうけど。
「ヤマトの彼女は私にしか務まらないだろうなー。」
「なんだよ、いきなり。」
「ヤマトの不器用な愛情を感じてあげられるのは私だけってこと!」
それは誰にも譲れない私の独占権。
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bkm