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02

「太一が起きるまで待てばよかっただろ?」
「それじゃ意味ないもん。今日のデート、私は前から楽しみにしてたのにさ…」

昨日、楽しみすぎて寝れなかった。
それくらい楽しみにしてたのに、一人ではりきっちゃってバカみたい。

「あー、もう。泣くな。付き合ってやるから、な?」
「…泣いてなんかない。」

ヤマトはなんだかんだ言って、こうやって付き合ってくれるから、ついつい甘えてしまう。
優しい幼なじみ、万歳!

「で、どこ行くんだ?」
「んーとね、買い物!」

自分の服を探しに行くつもりで近くのショッピングセンターへ向かったものの、ふとスポーツショップが目に入り、寄り道することにした。
もちろん、目指すはサッカーコーナー。

「…わ、このスパイクカッコいいー。そういえば、人工芝用欲しいって言ってたよね、太一!…あ。」

思わず、口にしてしまった名前に自己嫌悪。
今日、一緒に来ているのは太一ではなく、ヤマトなのに。
しかも、ヤマトを付き合わせてるのは私なのに。

「ご、ごめん!つい…」
「純、そんなに太一が気になるなら、今からでも行ってやれ。」
「…やだ。」

気にならない、っていえば嘘になる。
勢いで切ったしまった携帯の電源だって、本当は今すぐにでもいれてしまいたいくらい。
でも、そうしないのは変なプライドがあるから。

「太一だって、今日のデート、楽しみにしてたに決まってる。でも、毎日の部活で疲れてるんだ。それは純も知ってるだろ?」

知らない訳がない。
太一は国立目指してやってるから、毎日へとへとに疲れて帰って来てることくらい、分かってた。


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