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01

男より女の方が成長は早い。
男はいつまで経っても子ども。
なんてよく聞くけど、そんなのただの噂でしかないと思う。
てゆーか、噂でしかない。
少なくとも、こいつより俺の方が大人だ。


僕たち、オトコノコ


珍しくサッカー部も休みで、特に予定もない俺は家でのんびりしてた。
家に誰もいないところを見ると、母さんは近所のおばさ…ではなく、お姉さま方とランチにでもでかけたのだろう。
ヒカリは同じマンションの子の家に遊びに行くとか言っていた。
どこかに遊びに行こうかとも思ったけど、この暑すぎる夏空の下、とてもじゃないけど、遊びに行く気にはなれなかった。
ゲームでもしよっかなー、とソファーから立ち上がった時だった。

ピンポーン。

「お邪魔しまーす。」

インターホンが鳴り止む前に、玄関のドアが開いた。

「あ、よかった。いたいたー。」

俺の返事を待たずして、入ってきた彼女の名前は佐藤純。
まぁ、なんだ。
俺の彼女、だったりするわけだけど。

「鍵空いてんだから、いるに決まってんじゃん。」
「ま、そーだよねー。あ、これ、うちにあったから持ってきた!」

はい、と差し出された袋の中にあったのは箱に入った棒状のアイス。

「サンキュ。」

それだけ言って受け取ろうとしたが、それは叶わなかった。

「ね、それ食べよ!」

純はあろうことか自ら持ってきたそのアイスの箱を開け始め、中から袋に包まれたアイスを二本取り出すと、封の開いたアイスの箱を渡して来た。
どうやら、冷凍庫に入れろ。と言うことらしい。
アイスが溶けても困るので、すぐに冷凍庫にしまった。


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