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02

「純はなんて書いたんだ?」
「これー。織姫さまと彦星さまが会えますようにって。」
「自分の願い事じゃないじゃん!」
「だって、会えないのかわいそうなんだもん!年に一回なのにさ。それより、太一はなんて書いたの?」
「ま、俺のはなんでもいいじゃん!」

そう言って、短冊を隠す太一を押し退け、無理矢理短冊を覗き込む。

「えーと、純とずっと一緒にいれますよう、に…」
「見んなって言ったのに…」
「太一。」

真っ赤な顔を手で覆っていた太一よそに純は自分の短冊のその奥を指差した。
そこには笹の葉に隠れて分かりにくいが、ピンク色の短冊がかかっていた。

「私も書いちゃった。」

その短冊を見れば、
太一とずっと一緒にいれますように
と書かれていた。

「願わなくてもよかったな?」
「うん。もう叶いそうだもんね!」

外を見ると、いつの間にか雨はあがり、虹がかかっていた。
織姫さまと彦星さまが会える。
二人は顔を見合わせて笑うのだった。


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