short | ナノ

01

窓から外を見て、ため息をつく。
外を見上げれば、大粒の雨が空から降り注いでいた。
太一のお母さんが用意してくれたであろう笹の葉も室内待機となっていた。

I wish, U wish

「今年こそは晴れると思ったのに…」
「仕方ないだろ。天気は変えられないんだから。」
「織姫さまと彦星さまが会えないのはかわいそうだよ…」

そう呟く純は本当に落ち込んで見えて、太一は話題を変えた。

「あ、そういえば、純はもう願い事書いたのか?」
「ううん。まだ書いてない!」
「じゃあ、今書こうぜ。」

太一はどこから取り出したのか、色とりどりの短冊とサインペンをテーブルに並べ始めた。

「太一、準備いいねー?」
「俺じゃなくて、母さんだよ。ヒカリのために用意したんだろ。」

ヒカリちゃんのためのものを勝手に借りてしまっていいのだろうか?
そう思ったものの、目の前にいる太一はさっさと書く準備を始めていたため、純もあとに続いた。

「純、書けたか?」
「もうちょっと待って!失敗したから書き直してるの!」
「じゃあ、先に飾るからなー。んー、どこに飾ろっかなー。」

太一は目立つ場所を探し、笹の周りをウロウロしていた。
なかなかいい場所が見当たらず、台を引っ張りだし、クリスマスツリーのスターのようにてっぺんにも合わせていた。
その間に純も短冊を書き終え、笹に飾り付けていた。

「でーきたっ!」
「お、純も書けたのか?俺もその辺に飾ろーっと!」

結局、太一も台を使わずに飾れる場所に飾ったのだった。


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