インストールされた超魔法 [ 5 ]
「お待ちしておりました。」
「「「…バルゴ!??」」」
見知った処女宮の星霊が、通路の中心に立ちふさがっていた。
その存在を確認した途端に、足場が無くなる。
「まじか!」
「黒羽の鎧!!」
「うおぉぉ!!」
三人は奈落の底に落ちるかのように見えたが寸でのところで這い上がる…
だが、ハッピーが慌てた様子でこちらに向かって叫んだ。
「ナツ!!まずいよ!」
奥にある開けた場所にいたルーシィが、虚ろな瞳で何かを詠唱し、掲げたその手に大きく魔方陣が広がるのが見えた。
辺り一帯に何の属性かわからない青白い火花のような光が走る。
避ける間もなく三人と一匹の体に感じたことの無いバチバチと弾く電撃のような衝撃が走り、一気に力が抜けた。
「ルーシィー!オイラだよ!わからないの!?」
ハッピーが、何とか上半身を地面から起こして叫ぶ。
ナツは瞬時に起き上がりルーシィに立ち塞がるバルゴに向かう。
「アイスメイク…フロア!!」
鍾乳洞の床全体にグレイの魔力で作られた氷が張られる。
「これで穴は掘れねえぜバルゴさんよぉ!」
「開け金牛宮の扉!タウロス!」
一瞬にしてバルゴは消え、その場所にタウロスが現れ、タウロスの怪力でナツの拳は受け止められてしまった。
「モォォォォ!!!!!」
見知った星霊であるタウロスはどこか様子が違う。いつも体が大きいのだがそれ以上に…
先ほどのバルゴも、自身の体を使って穴を掘るのではなく、目の前に大きな穴を瞬時で作り出していた。
ルーシィの魔力がいつもと違うことで、星霊自体にも影響があるのかもしれない。
「ルーシィがまた何か詠唱してるよ!!」
ハッピーが皆に警鐘を鳴らす。
エルザがタウロスの斧に目掛けて剣を降り下ろしながら叫んだ。
「ナツ!行け!!!」
だが一足早くルーシィの詠唱が終わり、辺りは先ほど見た青白い火花に包まれた。
全員が力の入らない体を地面預け、唸る。
ルーシィは星霊で足止めし、その間に詠唱を終わらせることで、強力な魔法攻撃を繰り返すことができるようだった。
力が入らず、震え続けてしまう体に無理やり力を込め、三人と一匹は起き上がろうとする。
「ちょっと待て……星霊魔導士って…最強じゃね…?」
「あい……今のルーシィなら…S級魔導士になれるよ…」
「…お前達!気を…抜くな…!」
「グレイ………エルザ………。援護を…………………頼む…!」
目は鋭く、全身に炎を纏いだしたナツが、一気に動き出した。
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