暴走するジェミニ [ 2 ]
あ〜ぁ〜。
…ボクもパワーアップした状態で戦ってみたかったな……。
もし呼ばれてたら、どんな風になって戦ってたんだろ…。
なんで呼んでくれなかったのールーシィ……。
…バルゴもタウロスもかっこよかったなーー!!!
……レオは……………あ、…やっぱり呼ばれない方がよかったのかな………。
てゆうか、レオは人間界に遊びに行きすぎだよ!!
せこいよ!ボク達だってもっとルーシィと会いたい!!
子犬座のニコラなんて…しょっちゅう呼ばれて名前までつけてもらってるんだよ。
ボク達の方が小さくてかわいいし!二体いるから二度おいしいはずなのに!!
どうして!?なんで!??
………う〜〜ん、よし!!
ボク達もルーシィに会いに行こう!そして遊んでもらうんだ!
「そうしよう!」
「うん!そうしよう!」
フェアリーテイルにあるカフェテラス。
そこを少しはずれた人気のない場所に双児宮の星霊は現れた。
「…ピーリ!ピーリ!」
……あ、いたいた!!……アレ?レオだ。また人間界に遊びに来てたんだ!せこい!!
あ!ルーシィの所に!!……ボク達も行こう!
「……そうだ、コッソリ近づいて驚かせようよ!」
「うん!そうしよう!」
双児宮の星霊は草むらや人の足に隠れ、時々踏まれそうになりながらもなんとかルーシィに近づく。
そして、ちょうどルーシィが座っているガーデンチェアの真後ろにある並べられた観葉植物達に紛れながらルーシィを驚かすタイミングを見計らおうとした。
「やぁ。ルーシィ。」
「…ロキ!?また勝手に!…もう、自由なのはいいことだけど、デートとか仕事とかで肝心な時に呼び出せなくなるのは困るんだけど…!」
「……あはは…ごめんね、ルーシィ。」
「…全然悪いって思ってないでしょ!?」
ルーシィは、半分呆れながらもオーナーとしてたまにはきつく言っておかなければと思い、口先だけでも怒ったフリをする。
しかし、双児宮の星霊にはそれがわからず、本気で怒られていると勘違いを起こしてしまう。
「どうしようっミニー!勝手に出てきたら怒られるみたい!」
「うん、大変!ばれる前に帰ろうよ!」
「え!?まだルーシィと遊んでないのに!?それはやだよ!」
「だってだって、怒られるのやだよ!」
「ボクだってやだよ!でもレオみたいに自由に遊びたい!コッソリでも無理かな……。」
「…うーん…そうだ!ルーシィがレオに気をとられている間にルーシィに変身して遊びに行こう!」
「そうだ、そうしよう!」
双児宮の星霊は、そーっとルーシィの足元に近づく。触れないと変身できないからだ。
「…それでロキ、しばらく見なかったけど今日は何しに来たの?カナと仕事?」
「いや、ちがうよ、今日はね…」
「………ん?ロキじゃないか。暫くぶりだな。」
「エルザ!」
「…エルザ!!!!??うわああああぁああ!ごめん用事思い出した!!じゃあね!!」
「「……………………………」」
「……一体どうしたんだ?」
「……さぁ……。」
なぜか急に大声で慌て去って行った彼のおかげで、双児宮の星霊は気付かれないままルーシィに触れて変身することに成功した。
二人はまだ呆気にとられたままだ。
ルーシィとなった双児宮の星霊は急いで観葉植物の裏に隠れ、安堵の息を吐いた。
「ふぅーー。気付かれてないよね。でも…どうしたんだろレオ。……も…もしかして…トラウマ?」
双児宮の星霊は、例の戦闘後に星霊界に戻ってきたレオが何日も何もしゃべらず、大きな影を落としていたのを思い出して呟いた。
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