やきもち焼きの言い訳(飛段と角都)



「角都ってほんと、お金大好きだよね」

「ふん、貴様に金の良さがわかるはずがないだろう」

そんな二人の会話を影からこっそり聞いているのは、ジャシン様命!な俺様飛段様である。自分にとって一番の相方ともいえる角都と、一生のパートナーである愛すべき椿が二人っきりで話をしているのだ、気にならない筈がなかった。

「でもあんまり金、金言ってたら飛段に愛想尽かされるんじゃない?」

「飛段?別に愛想を尽かされても構わん」

角都のヤツ…何気にひでーこと言ってやがるな。
相方に毒を吐かれ、飛段は一人悶々とする。愛すべき椿もそれを否定することなく笑っている。

「ふうん?でも飛段に愛想尽かされたら相方いなくなっちゃうよ?それは困るんじゃない?」

「その時はお前が俺の相方になるんだな」

はあ!?おいおい角都のヤツ、何言い始めちゃってんの!?
予想外の言葉に飛段は驚きに目を見開く。危うく二人の前に姿を現してしまうところだった。

「え?私?」

「そうだ。お前なら俺の相方でも務まるだろう」

角都の手が椿の頬をゆるりとなぞった。飛段は我慢の限界で、隠れていたことも忘れ二人の前に姿を現した。

「角都!!俺のモンに触ってんじゃねえよ!」

「飛段!?」

「…やっと出てきたか。貴様が盗み聞きしていることなんて、とっくに気づいていた」

「へ!?ま、マジかよ!」

呆れたように言う角都に驚きを隠せない飛段。

「ヤキモチか?餓鬼だな」

「や、ヤキモチなんか焼いてねえ!ただ…っ、ただ俺のモンに触れられたくなかっただけだっつの!」

それをヤキモチというのでは?と角都はマスクの下で頬を緩ませた。椿は飛段の苦し紛れの言い訳に意味を理解していないのか、不思議そうに首を傾げていた。

だが、飛段がワタワタと慌てているのを見ていると自然と笑みが溢れていた。



ヤキモチ焼きの言い訳
(これはヤキモチじゃねえっての!)




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