クレオメ(デイダラ)

 

「やっぱりアート制作出来るこの時間が一番幸せだな、うん」
「ほんと、デイダラは粘土遊びが好きだよね…」

太陽が真上に昇った頃。アジト内のデイダラの部屋で、私はデイダラと二人っきりでいた。ちなみに他のメンバーは任務へ行ったり部屋に籠ってたり。確かリーダーとイタチ、サソリ辺りはアジトにいたような気がする。

「粘土遊び言うな!これは立派なアート制作だ、うん!」
「ふうん?どう見ても遊びにしか見えないんだけどな」
「……椿、あんまりオイラを挑発すんなよ、襲うぞ?うん」

デイダラは粘土を捏ねていた手を止め、今にもキレ出しそうな目つきで私を睨みながら言った。しかし、そんな彼の言葉に私は口角を上げる。私の表情を疑問に思ったのだろう、デイダラは首を傾げた。

「なんだ、何がおかしいんだ。うん」
「よく言うよ。デイダラが私を襲えるハズないじゃない」
「はあ!?」

その言葉についに堪忍袋の緒が切れてしまったみたいだ。デイダラは怒りと共に立ち上がった。

「だって、私を襲ったらサソリが黙ってないでしょ?」

そう。サソリは冷たいながらに最年少の私をかわいがってくれている。現にデイダラとはつきあっているけど、一度も身体を重ねたことなんてない。仮に身体を重ねたとしても、そんな事実がサソリの耳にでも入ったら、デイダラはどうなってしまうことか。きっと、それを恐れて私に手を出してこないんだろうしね。

「旦那?さあ、どうかな。オイラだって本気を出せば旦那より強えかもしんねーぜ?うん」

デイダラは私の目線に合わすようにしゃがんだかと思うと、とん、と私の肩を押し簡単に床へと押し倒した。すぐに私の上へ覆いかぶさるデイダラの顔は、いつものかわいらしい顔ではなく、確かに男の顔をしていた。

「オイラを怒らせたこと、後悔させてやるよ。うん」

言葉の後、デイダラは食らいつくように唇を重ねてきた。私は驚き、咄嗟にデイダラを離そうと胸板を押し返したが、それはとても敵わなかった。

「んっ…ふ…」
「今までずっと我慢してきたんだ。手加減は出来ねえぞ、うん」

重ねていた唇を離し、デイダラは服の中へ手を差し込み、やんわりと胸を揉むように愛撫し始めた。時折胸の突起を弾くように触れるもんだから、その度に身体が跳ね上がって反応してしまって恥ずかしかった。

「声、我慢すんなよ?うん」
「っ…や、」

手慣れたような動作で上衣を脱がされてしまい、反射的に上半身を隠そうとするも、デイダラの力強い腕によって阻止されてしまった。

「隠すなよ、うん」
「だ、って…こんな明るいところで…っ」
「椿はオイラのものだろ?もっとちゃんと見せろ」

あれ、あれ、デイダラってこんなSっ気あったっけ…?怒らせるとこんな感じになっちゃうの?普段のかわいいデイダラはどこ行った!?
パニくる頭で必死になって考えるも、この状況から逃げる術は見つけられるわけもなく。服越しに下半身へとデイダラの手が伸び、つい声が溢れ出てしまった。

「かわいい声だねえ、うん」
「ふ、っ…やぁ」

指で擦るように秘部に触れられ、声が止められない。服越しなのに、何でこんなに感じちゃうの……!
手を離され、今度は膝で秘部を軽く刺激される。無自覚にも下着がじわりと濡れてきているのを感じてしまい、顔に熱を帯びていくのを嫌でも感じた。

「脱がすから、腰上げろ」
「っ、や……」

嫌だと思うものの、相手は大好きなデイダラだ。本心から嫌なはずがない。真剣な瞳に見つめられおずおずと腰を上げると、下着ごと下衣を脱がされてしまった。

「椿……すげえ濡れてんぞ、うん」
「や、見ないで!」
「いや見るだろ、うん…」

デイダラは興奮したように吐息を吐くと、優しい手つきで私の秘部へと触れた。突起部を擦られ、身体中を電流のように流れる快感が私へ襲いかかる。
声を必死になって我慢しながら、デイダラにしがみついていると、一瞬デイダラの手の動きが止まった。

不思議に思い顔を上げデイダラを見ると、彼は顔を赤らめて私と目が合った瞬間すぐに逸らした。

「で、デイダラ…?」

先程までの強気な態度はどこへやら。顔を赤らめて照れくさそうにしているデイダラは、まさに普段のかわいらしいデイダラだ。恐る恐る彼の顔へ手を伸ばし、頬へ触れてみると、驚いたように私へ視線を向けた。

「な、なんだよ、うん!」
「や……私のセリフだって……」

どうしたの、と問いかけると、デイダラは再び顔を背けようとした。背けようとしたから、私は両手でデイダラの頬を掴んでそれを阻止した。

「ほら、正直に言って!」

強気な口調で言うと、デイダラはぐっと一瞬言葉を詰まらせたが、少し経ち諦めたように口を開いた。

「っ……椿がかわいすぎて、今更緊張してきたんだよ、うん!」
「!」

その言葉に顔を赤らめたのはデイダラだけでなく、私もだった。
何だ、あんな強気な態度で挑んできたくせに実は我に帰ったら急に緊張してきちゃいましたってか。それこそかわいい私のデイダラだわ。

無性にデイダラがかわいく思えてきて、つい頭を撫でてしまった。

「っ、何…「私もだよ。私も緊張してるよ、すごく」

ほら、とデイダラの右手を掴み自分の左胸へ誘導し触れさせてみる。普段より幾分と早い心臓音がデイダラに伝わった筈だ。
その私の行動に更に顔を赤らめるデイダラ。

「ね、続き、しよう?」
「…旦那が黙ってないんじゃなかったのかよ、うん」
「もうそんなのいいよ。本当は私だって…その、シたくないわけじゃなかったから」
「っ、それ以上オイラを煽んな、どうなったって知らねーぞ……うん」

言葉の後でデイダラは再び唇を重ね、舌を差し込んできた。右手でそっと私の秘部へ触れたかと思えば、ゆっくりと指を挿入させた。

「んっ……!」
「痛くねえか?」
「ん、平気…」

下着に染みが出来るくらい濡れていたものだから、指一本くらいじゃ全く痛みはなかった。それでもデイダラは気遣うように指を出し入れし、奥を突かれる度、快感が身体中へ流れていく。

「あ、ふ、っ」
「すげえ濡れてるなぁ……うん」

いつの間にか増やした指を段々と激しく出し入れされ、私の感じる部分を見つけたデイダラは、そこを的確に攻めてくる。

「あ、あっ、デイ、ダラ……!」
「うん…?」
「も、いれて……っ!デイダラが、欲しいの!」

両腕でデイダラにしがみつきながら訴えると、デイダラがごくりと喉を鳴らしたのがわかった。

「っ、もう我慢出来ねえ…」

デイダラは下着ごと脱いだかと思えば、そのまま猛り勃ったものを私の秘部へと宛がった。暫し自身の先端で秘部を撫で上げるように擦っていたが、次の瞬間グッとゆっくり挿入し始めた。

「っ、あ……!」
「くっ、きつ……っ」

ゆっくり時間をかけようやく根元まで挿入されると、デイダラは動きを止めた。荒い息を吐きながら愛しげに私を見つめるデイダラが、愛おしくて。デイダラの首へ腕を回すと、そのまま唇を重ねた。

「椿……好きだぞ、うん」
「私も好きだよ……デイダラ」

互いに微笑むと、デイダラはゆっくりと津動を開始した。先程覚えたであろう私の良い場所を的確に突いてくるものだから、もう堪らない。必死になってデイダラにしがみついた。

「あ、んっ、やぁ」
「ん、は……気持ちいい……っ」

私の首筋を舐め上げながらも腰の動きは止めぬまま。何度もイきそうになるのを堪えながら、声を我慢することは堪えることが出来なかった。

「あ、も……イっちゃう……っ!」
「ん、オイラも、っ……一緒にイくぞっ……」

ラストスパートをかけるようにデイダラの腰の動きが急に早まり、私はもう限界だった。私が果てたのと同時に、ナカでビクビクとデイダラのモノが脈打つのがわかり、ほぼ同時に達したのだと感じた。

「はぁ、は……っ、椿、大丈夫か……?」
「ん、大丈夫っ…」

力尽きたようにデイダラは私の隣へ寝転んだ。
夢中で気が付かなかったけど、床で致してしまったものだから、今になって身体が痛みを訴える。

でも……

「幸せ、だな…」

小さな声で呟いたのだが、デイダラにはバッチリ聞こえてしまったらしい。彼は嬉しそうに、にんまり笑顔で

「オイラもだ、うん」

と答えた。


後日、隣の部屋のサソリに思い切り声が聞こえていたのを知り、しばらくの間サソリに冷たい目を向けられることになるのだが……それは、また別のお話。


fin




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