gift(後編)1



「んんっ…!んっ…!」

無遠慮に入り込んできた舌が、私のそれに絡み付き、そのまま口の中全体を舐め回される。呼吸も何もかも奪われそうな激しい口付けは、解放されても銀糸で繋がれていた。

「なまえさん、甘いよ。今日おあいて2は帰って来ない。おじさんとおばさんも仕事で遅いでしょ?」

楽しそうに口角を上げるおあいて君。
御馳走様と言わんばかりに、赤い舌で唇をペロリと舐める仕草は無邪気な子供の様で。
大きな目を柔らかく細めて、通った鼻筋はそのままに笑う時に大きくなる口に懐かしさを覚える。

そんな状況じゃないはずなのに。

「どうしてそんな事まで知ってるの…?」

「そんなの簡単だよ。この機会を狙ってたからに決まってる」

とうとう服に手をかけ始めるおあいて君。

「やだっ…!止めて!」

抵抗しようと身体を動かそうとしても、右手は相変わらず押さえつけられているし、馬乗りになられていては、返って自分の無力さを思い知らされるばかり。
Tシャツは捲り上げられて、胸元が解放される。

「綺麗…真っ白であの日見た記憶と何も変わってない」

感触を確かめる様に、膨らみを優しく鷲掴みして揉み始める。
そして、左の先端に吸い付いた。

「ふぅっ…んんっ…!」

突起に舌を這わせて転がし、甘く歯を立てられたりと嬲られると背筋にぞくぞくと甘い戦慄が走り、段々と力が抜けていく。もう片方も、その間はずっと彼の指先で弄ばれていた。

「ずっとこうしたいと思ってたんだ…」

今度は私の股の間に身体を割り込ませた彼はそのまま舌でお腹をなぞり、臍を舐めて、とうとう中心へと到達する。

「あの日と同じように二人きりになって…それで僕は…」

大きく股を開かせて、指をそっと私の花びらへと忍ばせるおあいて君。私の身体に起きている異変を察して、口角を上げた。

「もう、身体は僕を受け入れる準備出来てるね。あ、でもちょっと足りないかな?」

この状況にそぐわず、楽しそうにクスクス笑う彼が恐ろしい。

「そうだ、なまえさん、ココ舐められるの好きだよね?あの時、すっごく気持ちよさそうにしてたもん」

懐かしそうに呟く君。
熱い吐息が粘膜へかかり、いかに間近で彼が私の全てを見ているのかと言うことを実感させられる。すると、生温かくぬるりとした舌が私に直に触れた。

「やっ…だめっ…!」

拒否の言葉はかわされて、舌は無慈悲に動き始めた。

あの日一度だけだったのに…

彼はこんなにも鮮明に覚えているのだ。

ちゅぷちゅぷと淫らな音を立てて、まるでキスをするように丁寧に浅く淵の裏をなぞり、奥へと侵入してくる彼の舌。

「ひゃあっ…!?あぁっ…!」

時折蕾に吸い付かれながら、 ざらついた舌を 天井を浅く撫で付けられれば一気に身体の力は抜けてしまった。

「なまえさん可愛い。もっと一杯してあげるから」

私の鳴き声が変わったことに気づいた彼は、艶やかに光る唇をペロリと舐めて嬉しそうに微笑む。
そして、再び股の間に顔を埋め込んだ。

「あぅっ…!はぁっ…」

深く奥に執拗に激しく舌を撫で付ける度に、
高く通った鼻が主張し始めてしまった蕾に触れる。
その度に、肉襞が彼の舌に吸い付く様にうねる。本当にキスをしている様な感覚に陥る。
奥から染み出してくる蜜を舌に絡ませる様に、粘膜を舐めていた。

「もっ…やぁぁっ…!」

ひくひくと腰の中を痙攣させる。
力が抜けてしまう肉体に抗う様に内股に力をいれようとして、思わず彼の頭を挟んでしまった。

「なまえさん、良かったでしょ?」

身体が緩んで彼を解放すれば、身体を起こしたこの人は自身の服を脱いでいく。
無駄のない引き締まった身体は白い肌に覆われていて、彫刻みたいにあまりに綺麗で呆然と眺めてしまう。
彼はそんな私を見下ろしながら、目を三日月形に細める。

「ほら、こっちは僕が欲しくて仕方ないみたい」

そう言うと、蕾に熱くて硬いものが押し付けられる。ぐりぐりと強く、それでいて焦らすように刺激をされる。

「やっ…!おあいて君それだけはお願い…!」

その刺激に、波に漂うよう理性をかき集めて、我に返り訴える。

「何馬鹿なこと言ってるの?ここまで来て止めるわけなんてないでしょ?」

そのまま彼は、先端を花びらへと埋め込み、一気に奥まで自身を沈めた。

「あぁっ!やぁっ…」

顔を背けて拒絶をすれば、チッと小さな舌打ちの後にいきなり顔を掴まれる。

「なまえさん、こっちをちゃんと見て?」

優しい口調とは裏腹に、無理矢理に正面を向かされれば、視界一杯に広がったおあいて君の顔。
元々色素の薄めの彼の瞳は恍惚に濡れて、まるで蜂蜜の様に蕩けていた。


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