school days | ナノ


▼ don't cut in!

「のぞみちゃん、帰ろっか!」

「はい!」

慧先輩は、家庭クラブで唯一の男子。
同じグループで活動する事も多くて仲良し。
クラブの後、いつも一緒に帰っている。

「今日のロールケーキのスポンジ、先輩のが一番ふわふわでおいしかったですね」

先輩はほんとに器用で、唯一の男子ながらクラブの中でも実力はtop 3に入る。

「ふふっ、そうかな?
  のぞみちゃんの生クリームも甘過ぎなくて、すごくスポンジにあってたよ」

なんてわたあめみたいにふわふわの笑顔を見せてくれる。

「ほんとですか!?ありがとうございます!」

尊敬する先輩に褒めてもらえるとテンション上がっちゃうな。


他愛ないことを話ながら校庭にさしかかると、水道に見慣れた人影が。
サッカー部の銀が座っていた。
グランドでは、サッカー部は絶賛練習中ですが。

「あ、銀だ。部活は?」

「自主休憩中」

「…サボりね」

「サボりじゃねーよ!てか、隣誰だよ!」

「あぁ、慧先ぱ…「海人ー!!のぞみが男と2人で歩いてるー!」

銀がそう叫んだ瞬間、グランドでボール蹴ってた海人がドリブルしながら凄い速さでこっちにきた。

「…はぁ、はぁっ!どーゆー事だよ!
   俺達というものがありながら!」

息を切らしながら、海人も叫ぶ。

「ちょ、バカ言わないでよ!
    あんた達とは何もないでしょ!!」

2人がぎゃんぎゃん騒ぐので、先輩がいる事も忘れていつもの調子で応戦してしまう。

「のぞみちゃん、この人達は?」

慧先輩に尋ねられるも、こんな奴らを紹介したくはない。
(明らかにバカなので、同類と思われたくないから)

「あ〜、ただのクラスメ…「俺は井川銀!のぞみの隣の席だ!」

「俺は、東山海人!のぞみの隣のクラスだ!」

2人が勝手に自己紹介する。
しかも、何なんだ。隣の席と隣のクラスって…

「僕は、3年の村上慧。
のぞみちゃんとは家庭クラブで一緒なんだ。」

先輩も笑顔で自己紹介をした。

「なんだ、クラブの先輩か」

「俺達の敵じゃないな」

なぜか上から目線のバカ二人。
先輩に対して、その態度はないでしょ。
しかも何?敵って。
相変わらず、あの2人の言うことは意味わかんない。

「俺達は授業も一緒だからな〜。
今日は5限目にのぞみがヨダレたらして寝てたのみたぞ」

「ちょっ!バカ銀!
そんな事先輩に言わないでよ!」

そんな事バレたら、私の真面目で
かわいい後輩のイメージが崩れる…!
それは困ると慌てて奴の口を塞ぐ。

「俺達は毎日のぞみに会ってるもんね」

海人も得意気だ。
その横で私の手を外そうともがく銀と私はバタバタと格闘していた。

「ふ〜ん、でも、君たちは学校でののぞみちゃんしか知らないんでしょ?」

すると、突然、先輩が口を開いた。

「「えっ?」」

その言葉に2人が固まる。
私もびっくりして手を下ろした。

「僕はプライベートなのぞみちゃんも知ってるから。
     この前の土曜に、デートしたし」

あれ?慧先輩の笑顔がいつもと違ってなんだか黒い気がする。
そして、みるみる内に銀と海人の顔色が変わった。

「どーゆー事だよ!!」

「マジでデートしたのか!?」

今度は逆に2人が私に迫ってくる。

「クラブで使う材料や調理器具の
   買い出しに2人で行ったの!
   んで、ついでに映画行って、
    カフェでケーキ食べただけだよ」

と、答えたら

「「それをデートって言うんだろ!!」」

と、ツッコまれた。

「え!?そうなんですか?先輩。」

「うん。のぞみちゃん気付いて  
   なかったんだ。
   ま、僕としては私服も見れたし
   ラッキーだったけど。 
    黒いワンピース、すごく似合ってたよ」

慧先輩が挑発的にあの2人に視線を送る。

「毎日会ってればいいってものでもないからね」

「「何〜!?」」

先輩は余裕の笑みを浮かべ、銀と海人は今にも食って掛かりそうな勢いで睨み付けている。

放課後の平和な校庭で、私達がいる一角だけが異様な緊張感を放っていた。

「ちょっと、3人とも落ち着いて。
   あんた達、部活中でしょ?
   部活に戻りなよ」

私が声をかけても、銀も海人も無視するし
ソンミン先輩も笑顔で2人を見据えたまま。

…何で初対面なのにこんな険悪なんだろ?
ケンカになったらどうしよう
ヤバイな…
と、内心焦っていたらーー


ゴンッ!!
っと凄い音が聞こえて

「「いてっ!!」」

銀と海人の2人が崩れ落ちた。

突然後ろから頭を叩かれたらしい。
膠着状態が解ける。

「君達、いつまでサボってるつもり?」

サッカー部キャプテンの半田先輩が笑顔でバカ2人の首根っこを掴んだ。

「げっ!?キャプテン!」

「これには深い理由が…」

銀と海人はしどろもどろに言い訳しようとするもむなしく

「言い訳は通用しないよ。  罰は用意してあるから」

先輩はにっこり笑いながら死刑宣告をした。

さ、行くよという優しい口調とは裏腹に
ガシッと凄い力で2人を離さない。

「キャプテン、離して下さい〜!」

「まだ話ついてないのに〜」

2人は叫びながら、先輩に引きずられてグランドに消えて行った。
おそらく、彼らの未来は拷問の様な筋トレによる筋肉痛が約束されているだろう。
自業自得だわ、あれは。


「…先輩、帰りましょう」

「そうだね」

銀と海人を見送った私達は何事もなかったかのように楽しく帰路についた。


Don't cut in!!
ー僕らの世界に現れた侵入者ー


(最悪!何だよあの慧とかいう奴!)

(俺ものぞみの私服みたいな〜)

(君たち、無駄口叩く余裕あるんだ。
腕立て50回2セット追加!)

((え"ぇ〜っ!))



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