★企画(毎日更新中)
1日1同級生!

★過去

keyword by GHおだいったー@twitter



「雨だから体育ドッジボールだって」
「そうですか」
「得意?」
「別に」
「まあ土方くん痛いの大好きだからね」
黙りこくれば先生は漸く腰を上げる。昼休みはあと3分しかない。
「でも良かったね水泳じゃなくて」
準備室を出る足が震えた。見透かした様に先生が笑う。
「そんな身体皆に見せられないもんね」


place:昼休みの国語科準備室 key:雨・得意


***




虫の音が耳に涼しい山奥の旅館。こっそり休みを合わせて出掛けたそこは、土方の趣味らしい風情のある宿だ。
久しぶりに見る着流しごしの体は少し痩せたようにも見えて、柄にもなく心配になる。
なのに、今日は好きにしていいなんて言われたら、止めらんなくなるかもしれねえのはお前が一番知ってんだろ。


place:旅館 key:虫・痩せた


***




先生は俺たちの密かなアイドルだった。
こっそり見ていられるだけで良かった、見て欲しいなんて思っちゃいけなかったのに。

二人だけの教室であえかな声で泣く先生は俺だけを瞳に映して、いつも綺麗な眉が熱を受け容れて歪む。
謝らなくちゃと口を開けば、零れたのは今更取り返しもつかない「好きでした」

place:夜の教室 key:アイドル・あえかな声で


***




「先生、こんなとこでサボりですか」
もぞっと肩が動いて、くたびれた扇子の下からいつもの気の抜けた顔。
「シエスタ」
「サボりですね」
「抱き枕くれ」
「わ…っ」
甘やかしているつもりはないけれど、甘やかされている自覚はある。
チャイムを遠くに聴きながら頭を撫でられて瞼をとじる、晴れた昼下がり。

place:草むら key:扇子・甘やかす


***




はあ、と一つ吐いた息はひどく熱を孕んでいた。喉の奥が焼け付くようにひりひりと痛む。主が不在の万事屋は驚く程静かで、その中に響く自分の呼吸は後ろめたいほどに劣情を煽った。ねばつく指先をティッシュで拭うと、震える手でファスナを上げる。出直そうと腰をあげた瞬間、ガラリ、と戸が開いた。

place:万事屋 key:ねばつく・ティッシュ


***



「あーまじこんなストレス溜まるもんだとは知らなかったわ〜」「てめェは一日さぼってただけだろ!」パトカーの中でそう愚痴りながら、坂田は隊服のスカーフを無造作に外した。車内には二人きり。はだけた胸元に無意識に目をやると、その視線を拾って坂田が笑った。「これから二人で残業、しますか?」

place:パトカー key:はだけた・ストレス


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「随分大人しくなったな…最初はあんなに騒いでたのに」「早くここから出せ」「やだ。ほら、あーん」ハンストすれば便所に行かせてもらえなくなるから渋々口を開ける。この飯に薬が混ぜてあることも知っている。でも仕方が無い。こんなやり方でしか快感を得られない男を好きになってしまったのだから。

place:万事屋の押し入れ key:薬・騒ぐ


***



放課後の屋上、雨上がりの夕焼けを背負う様に土方は座り込んでいた。彼の白衣を瞼裏に浮かべ、馬鹿みたいに手を動かす。土方、と彼の声が頭に響いた瞬間目の奥が熱くなって、それから溜息が漏れた。粘つく糸のつたう右手を空に翳せば真っ赤に染まって、まるで傷口から流れる血みたいにずきんと痛んだ。
(0721)

place:夕焼けの綺麗な屋上 key:粘つく・冷や汗



keyword by 恋愛お題ったー@twitter



沈黙

迫り来る明日から逃げる様に、必死で階段を駆け上がる。自分の息遣いと足音だけが響く中を一気に駆け、先にある扉を力任せに開く。途端に目に飛び込む、零れそうな星空。震える手を空へと伸ばした。星座が織り成す梯子を伝ってこのまま天に昇れたら。そう願った指先は音もなく宙を掻いた。

key:夜の階段・逃げる・星座

***


告白

「練習台になって下さい」とその客は言った。バイト中ではあったが早朝で他に客もいなかったので俺はこの意味不明なお願いを聞くことにした。男は指輪を取り出し気障な愛の言葉と共にそれを俺の指に嵌めた。成程告白の練習かと笑っていると男は急に真顔になった。「次は本番です…あなたが好きです」

key:早朝のコンビニ・好きにされる・指輪

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家出

屋上からの夜景は宝石の様に綺麗だ。もらった指輪を置いてきたのは、そんな高価なものをさらりと買えてしまう恋人に対するせめてもの意地だった、けれど。「ねえもう限界」震える声が無性に愛しくなってしまった。振り向いて合鍵を振る。「帰ろっか」宝石よりも綺麗な金色が泣きそうな顔で笑った。

key:夜の屋上・つよがる・鍵
(金土同棲)

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とける

「何だこれ」「チョコ」枕元に置いとくとかサンタさんか「先月のお返し」「あげたつもりはねえけど」「ツンデレ」「天パ」「tndr」「チョコなんて朝から食えるかよ…」にぃと笑った銀髪がそれを頬張って、近付いて、目が合って、唇が押し付けられた「甘ェ…」「好きなくせに」甘すぎて、嫌になりそうだ

key:早朝のベッド・見つめ合う・チョコレート

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