INAZUMA
小ネタ部屋
▽木春
女の子の私は、とびっきり甘い夢を見るの。
お菓子の家も、魔法の鏡も、白馬の王子様だって。
本当は今でも、きっと、これからも。いつか現れるって、いつか出会えるって信じてるの。
大きくなって、化粧をしたりヒールを履いたり、『可愛い』よりも『綺麗』に憧れる年頃になったって。
本当はね、心の中ではいつも夢見てるのよ。
「まぁ木暮くんにはわからないでしょうけどね」
「話がいきなりすぎて俺じゃなくてもわかんないから。って言うかその言い方失礼だろ!」
「じゃあ聞くけど木暮くん、花嫁さんってどう思う?」
「……綺麗だな?」
「馬鹿ね、答えは『お姫様』よ」
「完全にお前のほうが馬鹿だろ!むしろ痛い!」
「何よ、失礼ね!」
「どっちがだよ!!」
だからね、花婿さんは王子様なの。
世界で一番私を愛してくれて、大事にしてくれる。かけがえのない、大切な人。たったひとりの、運命の人。
ガラスの靴が無くたって、貴方だけはいつか私を見つけて迎えに来てくれるの。
ねぇ、わかるでしょ?
「…音無せんせ、は」
「なに?」
「………頭の中までも相変わらず可愛いんだな」
「なっ、どういう意味よ!」
「…知ーらないっ」
ほんと、乙女心に鈍感なんだからって言ったら、木暮くんが拗ねたみたいな表情でどっちがだよってまた言い返してきたの。全くもう、いつまでも子どもなんだから。
(私も知らない)
(貴方も知らない)
(どっちもどっち、気づいてないの)
*********************
とりあえず木春はいつまでもいちゃついてたら良いんじゃないですかね(^q^)www
っていうか結婚式はまだですk((ガタッ
▽基緑
ぎゅっとぎゅっと大好きを詰め込んで。
甘く煮詰めてサクサクのパイで蓋をして包み込んで。
君が大好きだよって、少しでも伝わればいい。
「アップルパイ?」
「うん。玲奈に教わりながら作ったんだ。食べてよヒロト」
「へえ。それじゃあ、いただきます」
「どうぞ、召し上がれ」
律儀に手を合わせてからフォークを取るヒロトを緊張した面持ちで見つめながら、俺はどきどきが止まらなかった。見た目はちょっと失敗しちゃったけど、どうだろう。ヒロトは少しでも喜んでくれるだろうか。
「・・・ど、どう?」
「・・・うん、美味しいよ。すごく」
「ほ、本当!?」
「本当だって。・・・でも、俺はこっちのほうが好きかな」
そう言ってヒロトがにっこりと笑ったかと思うと、途端に唇が重なる。確かに至近距離だったけど、これはいくらなんでも不意打ちすぎるキスだ。俺は目を見開いて体の熱が急上昇するのを感じた。
「・・・ば、馬鹿っ!いきなり何するんだよ!」
「エプロン姿の緑川があんまりにも可愛いからつい、ね。ご馳走さま」
「つい、じゃない!あとご馳走さまも違う!」
「だってどっちも同じ味だし」
「えっ?」
「・・・・・・緑川、作ってる最中につまみ食いしたでしょ」
「・・・・・・ちょっとだけ」
ああなるほど、だから同じ味か。なんて、簡単に納得しちゃう俺はやっぱり君に甘いみたいです。
(コンポート)
(もっと煮詰めて)
(溶けちゃうくらい甘いよ)
******************
甘ったるい基緑!
久しぶりに書いた〜(*^▽^*)
最近よく林檎食べてます(笑)
▽基緑
「もし、もしもだよ」
たとえ話はそんなに嫌いじゃない。
だけど、やっぱり好きにもなれない。
だってそれは希望と言うよりも、どちらかと言えば悲しみに満ちた願望だから。
目の前の受け入れられない現実から目を背けて、逃げているだけのように思えるから。
「たとえば、俺とヒロトが出会わない運命もあったのかなぁ」
「あったと思うよ。多分ね、」
「・・・そっか。じゃあ何で俺達は出会っちゃったんだろうね」
「後悔してるの?」
「まさか。すごいラッキーなんだなって思うよ」
「・・・俺達が出会えたのは運命だよって言ったらどうする?」
「安っぽいドラマみたいなセリフだなぁって笑うよ」
「ヒドイよ緑川」
だけど多分、きっと本当に運命。
出会えない可能性、ほんの1秒にも満たないタイムログ、ずれた一瞬の交わらない未来。
だけど俺達は、こうして出会えた。奇跡かもしれない。だから奇跡なんだ。
まるで誰かに導かれたかのように。俺達は出会い、惹かれあって、恋に堕ちた。
「誰かって誰だよ」
「さあ。・・・まぁ、心当たりは3人くらい居るけど」
「心当たり多すぎない?」
「だから運命ってことにしようよ」
出会えなかったとしても運命。出会えたことも運命。なんて都合の良い話なんだろう。
だけど、現実にならなかったたとえ話じゃなくて、どうせならこれからの未来の約束の話をしようよ。2人一緒なら、きっとどこまでも希望に満ち溢れているから、
「・・・やっぱりヒロトはキザって言うか、クサイよね」
「・・・緑川、その言い方はさすがに傷つくよ」
もしも、たとえば。俺達がお日さま園で出会わなかったとしても。
きっと俺は、世界中のどこに居てもたった一人、お前だけに恋をするよ。
(不確かな約束)
(訪れない運命)
(だから僕は、君を離さない)
******************
やっと普通の基緑のいちゃいちゃが書けました!
・・・ってあれ、これ普通・・・?
((聞くな
さて、導いたのは誰でしょう(゜▽゜)
▽木春
君を好きで良かったと、素直に感謝できるくらいに俺は大人になった。
でも同時に、無邪気で愛おしい、あの頃にはもう戻れないんだと寂しさを覚えるようにもなった。
ずっとそばに居たわけじゃない。離れている日々のほうがきっと長かった。だけど俺もお前も、何度季節が巡っても、どれだけ変わっても。揺るがない想いをひとつ、小さな胸にずっと抱えていた。
この気持ちは恋だと、気づいたのはいつだったんだろう。
もう忘れた。思い出せない。ただ音無が好きだ。大好きだ。呼吸するみたいに、自然にそう思う。俺にとってもはや当たり前の事なんだ。多分音無も、きっと同じ。
重ねた年月のぶんだけ俺達は大人になって、嘘も上手くなったし世の中の事だって多少は偉そうに語れる。でも自分の気持ちを素直に言葉に出来ないのは今も昔も同じで、もしかしたら今のほうがずっと性質が悪いのかもしれない。
「木暮くん、飲みに行こっ」
「・・・えー、やだよ音無せんせ酔い方めんどくせぇし」
「何よその言い方!自分だって愚痴言うでしょー?」
「それこそお前だって言うだろ」
デートしよう、その一言が上手く言えない。そんな大人になってしまった俺達を、あの頃の俺達はどんな風に思うだろうか。切ないほどに眩しかった過去にはもう戻れない。だけど、
「ほら木暮くん、行きましょ」
「わかったから引っ張るなっての」
たとえば馬鹿みたいにいつでも楽しそうな音無の笑顔とか、相変わらず直らない俺のイタズラ癖とか。今でも変わらないものは、結構あるのかもしれない。
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今年初の雰囲気文な木春です(゜▽゜)
書いてる桜兎自身も眠たすぎて何書いてるのか意味不明です(笑)
大人になった木春も相変わらず仲良しで微笑ましいです///
▽木春
“素直じゃないし、木暮くんって意地悪よね”
そう言って笑ったらすっかり拗ねちゃって、幼い子供みたいに口を尖らせて「どーせ俺は優しくねーよ」なんて言って仕返しのつもりなのかカエルのおもちゃを私に投げて逃げようとする。
馬鹿ね、毎回毎回同じ手に引っかかるわけ無いじゃない。
私はあっさりと奇襲攻撃をかわして、慌てて走り出そうとする木暮くんの首根っこを掴んだ。
「うわわっ、降ろ・・・離せよ!」
「先に手を出したのは木暮くんでしょ。それに、話は最後まで聞きなさいよね」
「はぁっ?」
「・・・木暮くんはね、素直じゃないし意地悪だけど本当は優しくってカッコいいって事、私は知ってるよ」
「なっ、・・・に言って・・・」
「嫌いじゃないって言ってるの!」
あの頃、あんなにも小さくって余裕の無かった彼が大人になって私を戸惑わせる逆の立場になるのはまた別のお話。
(不思議ね)
(きっと私気づいてたの)
(遠い未来の貴方の姿)
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よくわかんないネタになりましたが・・・とりあえず木春ください(笑)
先週回は久しぶりに春にゃんが喋ってくれてテンションMAXでした(笑)
▽南涼
「深海の魚になりたい」
「は?」
暗くて冷たい海の底。光の届かない寂しい場所。
だからこそ穏やかで、揺るがなくて、誰にも見つからない。
私は静かに呼吸をして、眠るように瞳を伏せて漂っていたい。
「・・・・・・そんな場所にはやらねーよ」
そう言って晴矢が切なそうな瞳で私を力強く抱き締める。
ああほら、だから嫌なんだ。
君の熱は私を渇かして、干上がらせてしまうから。
もっともっとと欲張って、光を求めて、これ以上君に溺れるなんて私はどうすればいいの。
(堕ちた魚の行方)
(もう海には還れない)
(ごめんね、人魚姫)
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桜兎は南涼をどうしたいんですかね^q^
普通に甘ったるいのを書きたいのに、風介の厨二病が・・・しかも晴矢も乗っかるし((言い訳
でも(一応)バカップルですよ(笑)
▽南涼
愛だと呼ぶには大げさな気がした。
と言うか、自信が無いんだ。
どれだけたくさんの優しい奴らに囲まれていても、どれだけお日さま園が居心地の良い場所でも。確かに埋められない胸の痛みが、傷が、欠片があって。
あとどのくらい経ったらこの痛みを乗り越えられるのかわからない。
明日かもしれねーし、ずっと一生かもしれねぇ。
どんなに威張ってても、所詮俺はまだ中学生のガキだから。愛を語るには歳も背も、心だって足りないんだ。
だけど、コイツを大事にしたいって気持ちは本当だから。
守ってやる。一緒に居てやる。強がってるくせに不器用で怖がりなお前の事、ちゃんと俺だけは分かっててやるから。
だからもう少しだけ待ってろよ。
お前が望むなら頭を撫でてやるし、手だって繋ぐ。眠れない夜は抱き締めてやる。泣きたい時は、俺がいつだってそばに居るから。
愛を語るのは、もう少しだけ。
「・・・良いよ、それで。晴矢にしては充分だよ」
「・・・どういう意味だ」
「ありがとう、って言ってるんだよ」
「・・・ふーすけ」
「ん、」
「・・・・・・好きだ」
「・・・・・・・・・私も嫌いじゃない」
そう言って風介が静かに笑って瞳を閉じるから、俺は引き寄せられるように自然にキスをした。
(どっちもどっち)
(素直じゃないね)
(でも愛しいね)
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いつもいつも似たり寄ったりの南涼で申し訳ないです・・・!
あ、南涼に限った話じゃないですね(笑)
南涼幸せになれ〜!!!!
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