talk(32)
サニー号に遊びに行ったときにサンジが出してくれたケーキは相変わらず美味しそうだった。
美味しそうだけではなく綺麗だった。

出来上がってから少しでも早く頂くのが礼儀だと分かっていながらも、ついついスマートフォンを取り出して写真を撮ってしまう。
「彩りも本当素敵だなあ。Twitterのアイコンに…いや、それはこの前作ってもらったゼリーの写真を使っているからLINEのアイコンにしよう!」
結論が出てケーキの柔らかな甘味を堪能し終わると、サンジがクスクス笑いながらお皿を下げてくれた。

「またなんか呪文唱えてたね、***ちゃん」
「あ!えっとね…サンジが作ってくれたケーキの写真をこれに使おうと思って」
うまく口で説明できる自信がなかったのでLINEの画面を見せた。
しげしげとそれを眺めたサンジは「なるほど、***ちゃんだということを示す目印ってことかな」となんとなく意味を理解したようだった。
「そういうことだよ」と言うと「おれが作ったものを使ってくれてクソ光栄」と笑ってくれた。

ここの世界との繋がりがまた一つ増えた喜びを感じていると、サンジが突然怪訝な顔をした。
「ところで***ちゃん、これってなんの会話だい?」
サンジに見せていたのはグループLINE。
週末の飲み会に向けてみんなで打ち合わせをしているところだった。
「男も沢山来るなんて心配だ」
不貞腐れたように言う姿を見て、もう一度喜びを感じたのは内緒。

(おれも行く!)
(それは話がややこしくなるから駄目!)
(じゃあ***ちゃんの両隣も向かいの席も女の子が座るようにして!)
(わっ…分かった!)


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