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イケメンくんと平凡くんが
お付き合い始めました

三ケ月という限定付きで
完結][イケメン×平凡(主人公)][高校生]



EP.3 二人のおやすみ(3/5)
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それにオレらは今、現代を生きる現役の人間だ。
電話やメール、チャットにソーシャルネットワーク等の機能だってあるわけだし、今時の高校生には絶対必要不可欠。
ならそのセオリーに従い、便利なモノは便利に使おう。
あんな気持ちになるぐらいなら、それをならなくさせる手段ぐらい手元に置いておきたい。

「番号は?」

「え?」

「だからお前の番号、教えろって言ってんの。」

そんな気がなかった野郎のくせして、オレは手の平を返して奴から連絡先の交換を求める。
向こうからこっちではなく、こっちから向こうへ。
コイツがこの状況で断るっていう選択肢はないだろう。

「・・・ここ、で?」

でも何かマズイことがあるのか?
その返答の微妙さは明らかにイエスではない。

「嫌なら嫌で別にいいんだけどね。」

「嫌なんて一言も言ってないでしょ!嬉しいよ、嬉しい。だけど先輩から言われるって思ってなかったからビックリしたの。ドッキリとかじゃないよね?やってないよね?そんなこと。」

けど、そこにはコイツなりの事情があったようだ。
持っていた自分の携帯電話を取り出して、その訳を話してくれた。

「俺のケータイ。電池、切らしちゃって・・・。」

携帯電話の電源を何回立ち上げようとしても反応が無。
うんともすんとも鳴ることなく、完全にバッテリーが0%に達してしまっている。

「なんでこのタイミングで切らしちゃうんだろう。こんなことならゲームしながら暇なんて潰さなければよかった。」

(・・・あんな時間からこんな時間までここにいりゃ、そうなっても無理ないよな。)

なんて運の悪い奴だ。
そんなことオレは知ったこっちゃないが、このままではコイツの連絡先が分からないまま。
知らないままでも困りはしないが、知らないままでは不便だと知った今。
コイツじゃなくて、オレが不便なので案を出す。

「お前、時間は?まだ平気?」

「いちお?」

「なら決まりだな。行くぞ。」

「何が?え、どこへ?」

「ケータイが充電できる場所。それぐらいなら付き合ってやれるから。」

それは今日たった今、突発的に決めたこれからの予定。

「え、どこ?それ。カラオケ?充電器持ってないけど大丈夫かな?借りれられるとこ?」

オレはこれからどこへ行こうとしているのか。
具体的なことは何一つコイツに伝えず、不思議な表情にさせたまま連れて、駅から目的地まで徒歩で目指した。





そうして歩いて歩いて、ようやく到着した目的地。
そこは映画館でもなければカラオケでもなくゲームセンターでもないけど、娯楽的なアミューズメント。
その名も、

「ネット、カフェ・・・?」

インターネットカフェ。
お茶やジュースを飲みながらパソコンでゲームが出来たり調べ物が出来たり、漫画や雑誌、新聞紙まで好きなだけ読めたり、ビリヤードでもダーツでも遊べるそんな場所。

「わぁーっ!すごいね、ここ!漫画いっぱい!これ、みんな読んじゃっていいの?」

「なに、お前。ネカフェ初めて?」

「うん。カラオケとかならあるけど、こういうところは初めてだよ。」

「ほら、あっちに充電スポットあるからケータイ挿して来いよ。受付済ませておくから。」

「あ、有料なんだ・・・。お金取られちゃうのは癪だけど仕方ないか。盗まれそうで怖いんだけど大丈夫かな?ちゃんとロック出来たかな?」



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