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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.44 Eva episode(5)(1/4)
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7月20日

今日は1学期が終わる7月20日。
終業式が終わった後、クロスカルテットの4人は直ぐにチェリーストーンの事務所へと集合。
そこで先に待っていたアリカやリライトのイブやユウ。関係者社員の徹夜、真昼、朝陽、志摩と合流し、本日開催されるアリカ&リライトのファンクラブ限定シークレットコラボライブ会場の現地、市民ホールに全員揃って移動完了。
そして当日でしか会場に入ることが出来なかったから、急ピッチで行われている最終リハーサル。
本番まで残り数時間しかないから、みんなバタバタ大忙し。
現地スタッフ同士の怒声も響くが、それは何もかも今晩のため。
志摩も緊張で昨日はよく寝れなくて胃も痛いけれど、なんとか徹夜の指示に食らいついていく。

(みんな大丈夫かな?)

今日という日だけでも、足手まといだけにはなりたくなかったから。



急ピッチのリハーサル

アリカ、リライトは真昼・朝陽と共にステージ上にいた。
そこでマイクやら立ち位置やら細かく細かく調整。
真昼の指示は完璧すぎるほど完璧で、徹夜が真昼に任せた理由もよく分かる。
そうしてクロスカルテットも1曲だけ通しでステージに立ちテストプレイ。
でもそこにいたにはエース、アズ、キィの3人だけ。
エヴァは念のため、リハーサルを控えさせた。
ドクターストップが解けて、捻挫もほぼ完治してエヴァ自身も動けるようになって本番は出れるとは言え、今無理に動かして再び痛ませるわけにもいかないから配慮して。

「Hey、アリカ。エヴァに声掛けないのですか?」

「・・・今は止めとく。」



自分がいないクロスカルテット

観客席から3人を見ていたエヴァ。
そこで真昼の指示を聞いて、本番の動きを見て覚えなければいけないのに、すっかり右から左へと抜けていた。

「・・・・・・。」

今この目に映るクロスカルテットは、これからのクロスカルテット。
エーチがいて、アズがいて、キィがいて、それでおしまい。
自分はそこにいない。
まるで自分がいなくなった後のクロスカルテットを見ているようだった。

「・・・・・・っ。」

それでもテストが終わる最後まで、目を逸らさない。
これが。このライブがエヴァにとって最初で最後のステージになるかもしれないから。
だからしっかり3人を胸に刻ませて忘れないように、そこにどんな終わりが待っていようとも、最後の最後まで見届けた。



会場開演

こうしてリハーサルが無事に終わり、照明も装飾も音響も衣装も準備は万端。
時間となり会場が開くと、アリカファンやリライトファンのお客さんが次々と客席に入っていく。

「それじゃ俺ら先にステージ行ってるから。クロスカルテットも後でちゃんと来いよ。」

「はいっ!アリカ先輩もイブ先輩もユウ先輩も行ってらっしゃい!」

そして開演時間を迎えると共に、熱狂した歓声が一斉に爆発して大沸騰。
それはクロスカルテットが控えてる楽屋まで余裕で届くほど。

「うぁ!?やっぱりあんちゃんたちすごいね!」

「どうしよう?僕たちの時に、この熱が冷めちゃったら。」

「さらっと怖いこと言わないでよキィちゃん!」



1分1秒この瞬間

楽屋に置かれたモニターでステージの様子が見えた。
市民ホールはこの間、アリカバースデーで使った会場よりも小さなステージ。
けどアリカもリライトも、そこには何も動じない。文句なんて始めからなかったし、不服だって欠片すら抱かない。
そんなことよりもこの夜をもっと熱く。もっともっと熱くしたい。させたい。
今回のライブは突如発表して急遽で開催されたのに、それでも自分のファンが自分たちの為にスケジュールを合わせてくれたのだ。
1分1秒この瞬間で『来てくれてありがとう』を自分の全部で伝えて、観客と一帯となり大いに盛り上げる。

「・・・・・・ッ。」

それは格の違いを当て付けるかのように見せ付けて。
モニター越しで見てるクロスカルテットも釘つけにさせた。



ガッタガタのガッチガチ

クロスカルテットの出番は、もうじき。
そんな先輩たちが衣装替えで下がる中盤時。

「みんなもうじき出番だよ。大丈夫?」

徹夜の指示で、楽屋に訪れた志摩。
そろそろステージに移動させる為、4人を迎えにやって来た。が、

「あわわわわわっ、どうしよう志摩ちゃん!緊張が止まらない!!」

「え!?」

「心臓ばくばくで痛いよ、しまちゃん・・・。」

「ええ!?」

「僕もだよ!手が汗でベッタベタ!拭いても拭いても取れないの!!」

「えええ!?」

エーチもアズもキィも緊張のあまり、ガッタガタのガッチガチ。
先にステージへ立った先輩たちの姿を見て、すっかりしっかり気後れしていた。



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