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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.41 Eva episode(2)(1/3)
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落ちた彼

アリカと話終えて別れたその直後のこと。

「んじゃ、俺は戻るから。またあとでな。」

「はい。・・・エーチたちをよろしくお願いします。」

エヴァが階段を降りていた途中、滑った足を庇った方の足が変に捻ってしまい、不運にもそのまま一番下まで転げ落ちてしまったのだ。

「ーーー・・・ッ!」

顔を熱くさせて凄く苦しそうな表情をしているエヴァ。
気付いたアリカも直ぐに駆け寄って来たが、何も答えることが出来なかった。

「エヴァ!!」

「・・・・・・っ。」

「しっかりしろ!エヴァ!エヴァ!!」



落ちた彼 2

「誰か・・・、誰か来て!!誰かッ!!」

必死に誰かの助けを呼ぶアリカの声。
探索で見回っていた志摩の耳に届き、駆け付けてきたことで事態が発覚。

「え、エヴァ!?アリカこれはいったい!?」

「志摩さん救急車!エヴァが階段から落ちた!救急車呼んで、救急車!」

そうして強い痛みで動けなくなったエヴァは緊急搬送。
志摩が付き添って一緒に病院へ運ばれ、診察された結果に耳を疑ったが、紛れもない現実を打ち付けられた。

「そんな・・・!?」



告げられる現実と

足関節の捻挫だと告げられたエヴァの症状。
そこまで重たくないが軽くもなく、最低でも1週間は絶対安静だと医者から指導が入った。
もちろんそれは病院を出たあと、直ぐに徹夜へ報告。

「・・・そう、分かった。こっちのことは任せてもらっていいから。志摩はそのままエヴァを頼んだよ。」

「てっちゃん今の志摩ちゃんからの電話!?」

会場から出たあとエーチたちも事務所に待機しており、彼らには徹夜の口から告げられる。

「足首の捻挫だって。長く見積もって完治まで3週間ってところだろうね。」

「3週間!?」

「それってアリカのライブに間に合うの!?」

「・・・ドクターストップが入った以上、エヴァを出してあげることは出来ないよ。」

エヴァがアリカのバースデーライブに参加出来なくなったことも一緒に。



告げた現実

クロスカルテットのデビューもかかっているアリカのバースデーライブ。
なのにエヴァが出られなくなったと聞いたら当然、黙っていられるわけがない。

「待って、てっちゃん。それじゃあ僕らのライブは!?」

「うん?心配しなくても予定は変わらないから、何も問題ないよ。」

「えっ。」

こんな事態となってしまった今でも、冷静で沈着に。徹夜は涼しい顔をしていた。
まるでこういうことがいつ起きても問題ないよう、予め備えていたかのように。

「本番まで残り数日しかないから、3人には死ぬ気で頑張ってもらうことになるけど。」

「・・・・・・っ。」



決定は確定

「エーチ、指示を。」

「・・・!」

そしてそれをエーチに命じて、彼の口からアズとキィを指示通りに従わさせる。

「聞いて・・・アズ、キィちゃん。てっちゃんが言った通り、アリカ先輩のライブにはオレら3人だけで出ることになる、から・・・。」

エヴァの分(パート)を抜いても差し支えがないように。残り数日間しかない中で、歌も振り付けも3人のバージョンで覚え直しをすることが決定された。

「アリカ先輩のバースデーライブは、アリカ先輩にとっても大事なライブ。せっかく設けてくれた時間に後輩である新人のオレたちが穴を開けるわけにはいかないから。」

「えいちゃん・・・。」

「アリカ先輩に恥をかかせないよう。オレら3人で頑張ろう。・・・エヴァがいなくても大丈夫なように。」

決定された以上、それは確定であり変更することなんて出来ない。
デビュー目前で満たない新人の彼らには、それを覆すような力はなく、ただ徹夜に従うしか術がなかった。



2度目の訪れ

一方、その頃ー・・・。
病院を後にしたエヴァと志摩は、タクシーを使って一緒にエヴァ宅にいた。

「すみませんでした。俺の不注意でこんなにご迷惑をかけてしまって。」

「ううん。気にしないでいいよ、そんなこと。それよりエヴァこそ足、大丈夫?」

「はい・・・。骨折ではなくて良かったです。落ちた時、覚悟していたので。」

エヴァのアパートに訪れるのは、これで2度目。
アリカに教えてもらった時は部屋の前までだったから、室内に入るのはこれが初めて。
中は外装通りに志摩が住むアパートと似たり寄ったりの構造で、おひとり人様にはピッタリな1DK。
でもここにはエヴァが暮らしてる日常がたっぷり詰め込められている。

「すみません。こんな汚い部屋で・・・。志摩さんが来るって分かっていれば、少しは掃除していたのに。」

「いやいやいや。むしろ俺の部屋より綺麗でビックリだよ。」



エヴァと2人きりの生活

高校生だけど一人暮し中のエヴァ。
両親の急な転勤で高校1年生の時から別々で暮らしてると聞いている。
でも今は絶対安静の身。彼ひとりでやれることには限りがあるので、徹夜からの指示により志摩が身の回りの世話を任された。

「そういうわけで暫く厄介になるけど、何かあったら何でもするから俺に言っていいよ。後で荷物とってくるから、その間ちょっといなくなるけど。」

「いえ、大丈夫です。自分で出来ることぐらい自分でやります。これ以上、志摩さんに迷惑かけるわけには。」

「そんなに畏まらないでいいよ。ここはエヴァんちなんだし、むしろ畏まるべきなのは俺の方なんだから。」

「いえ、そんなこと!志摩さんも寛いでいてほしいです。お世話させてしまうのは俺の方ですから。」

「そっか、ありがとう。じゃあお言葉に甘えてそうさせてもらうよ。エヴァも構わず俺に甘えていいからね。」

よって暫くの間、エヴァの家でエヴァと2人きりの生活を送ることに。

「それじゃあ改めて。よろしくエヴァ。」

「こちらこそ・・・。よろしくお願いします。」



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