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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.33 一人暮らし始めましたの話(後編)(1/3)
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前回を軽くおさらい

5月が終わるとある日。
仕事のブラック的な事情で一人暮らしを決意した俺、真島志摩。
事務所との距離もそんなに遠くなかったので、エーチやエヴァがいる地域へと引っ越してきた。
そして手伝いに来てくれたエーチにお礼を兼ねて、俺の奢りで堀北食堂にお昼ご飯を食べに来たのだが。

『お前らに出すメシなんかねえ!とっとと出てけ!!』

そこにいた金髪少年にひどい仕打ちと罵声を受け、

『志摩さん、何故ここに?』

そこにやって来たエヴァとも、ここで偶然出会い、色んな『どうして』が生まれる。
まずとりあえず何故、彼は堀北食堂のエプロンを身に付けているんだろう・・・?



エーチ以外にごめんなさい

「やっと来たエヴァ。燐之助をどうにかしろよ!」

「は?え、え!?」

この空気が読めてないエヴァは、この状況も1人では掴めず、エーチの説明もあってようやく把握。
キッチンにいたおじさんから掲げていた買い物袋と布巾を交換して、慌ててこっちにやって来る。

「何してんの!?リン。あぁ・・・、机までこんなにして。志摩さんも本当すみません、服まで汚させてしまって。」

「あ、いや、大丈夫大丈夫。ただの水だったし。」

そして水でびちゃびちゃになった机を拭き上げて、お冷もグラスごと新しいのに交換を。
堀北食堂のおばちゃんと一緒に連携して、この騒ぎを速やかに沈めた。

「エヴァ。オレには?オレにも謝ってよ。」

「リンと一緒になって騒いでた奴が、何言ってんだ・・・。」

そしてそして一息つく前に、

「リン。ちょっとこっちに。」

近くにいた金髪少年の名を強く呼ぶと共に、彼を店内の奥へとヅルヅル連れて行った。



反省の色皆無

2人は壁際にいて他のお客さんから見えないよう配慮しているが、俺やエーチが座ってる席からは、その様子が丸見え。

「志摩さんになにしてんの?他のお客さんやおばさんにも迷惑かけて。」

「ツーン。」

そこでエヴァが金髪少年を叱っている。
話し声までは流石にこっちに届いてこないけど、2人を見ている限り、ソッポを向いた金髪少年は反省の色がまるでない。
イコール俺らにやって来たアレは、悪気も悪意も100%だったというわけだ。
もちろんそんな反応を見たエヴァも、そのまま見過ごさず黙っていなかった。

「リン。こっち見ろ。」

「!」

トンッと壁につけた両手。
腕と腕の間に金髪少年を収めて逃げ道を奪い、自分と視線を合わさせる。



エヴァのお説教

「な・・・!?ばか、何してんだ!?こんなとこで!」

「・・・・・・。」

「だってあの男も関連してるんだろ?枝葉巻き込んだ奴と。」

「・・・・・・・・・。」

こっちから見てるだけじゃ、壁ドンと変わらない2人の状況。
無言で怒るエヴァに目を合わせられて焦る金髪少年は、強気な態度もアセアセと弱くなっていく。

「悪かった。俺が悪かったから、コレもうやめろ・・・っ。」

その結果、敗れたのは金髪少年。

「俺に謝るんじゃなくて、志摩さんに謝ってよ。」

「そいつは無理だ。」

「・・・はぁ。ついでにいつものペロキャン買って来たから、先に休憩してろ。好きだったろ?この味。」

「ん?んー、まあ好きだけど?」

しっかり反省したのか、よく分からないが。エヴァから解放されると共に棒付きのペロペロキャンディを貰い、店の奥へと消えて行った。



サービスワンドリンク

「英一くんもお連れ様も、息子がご迷惑をお掛けして申し訳ございません。」

「あ、いえいえ。こちらこそお騒がせさせてしまって、すみません。」

「・・・オレもごめんなさい。」

エヴァが金髪少年を叱っている間、おばちゃんが
ペコペコと深々頭を下げて謝り、お詫びとしてエーチにはオレンジジュース。俺にはアイスコーヒーをサービスしてくれた。

「やんちゃ譲りはお父ちゃんからなんですけど、ずっとあの子よりも店を構っていたせいで、躾もロクにせず育てた結果、捻くれられちゃいまいて。」

「はぁ・・・。」

「それでも枝葉くんと出会ってからは、あれでも丸くなった方なんですけどね。」

そして金髪少年を息子と語り、世間話を少々したおばちゃんは、他のお客さんに呼ばれると直ぐにそちらに対応。
俺らから離れていく。



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