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サンフラワーへようこそ

同じアパートに住む大学生たちのお話
完結][大学生][季節柄][コメディ]



EP.12 聖夜のクリスマス(1/5)
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ユーヤの強さ

冬が訪れ、凍りつくような寒い季節へと移り変わり、今年が終わるまで残りわずか。
そんな節の中でユーヤの底知らない強さを思い知る。

「はいッ!クリスマスパーティーやりたいです!」

「「「・・・・・・え。」」」

いつもの持ち前の明るさで、他の住人三人を集めて巻き込み、便利を便利に便利な発言で大、大、発表!

「やろうよやろうよ。クリスマスー。やりたいやりたいー。」

「分かったから駄々捏ねるな。」

「本当、ユーヤって便利ですね。」

っというわけで、久しぶりに賑やかに。やってみましたクリスマス回。



ふった人、フラれた人

でも全員が全員。
その案に乗る気ではないようだ。

「・・・・・・。」

ユーヤの片思いで終わった終わらせた、あれからのそれからというわけで気まずくしていた関係。
モロそれに値するヒナは、そこに自分がいるべきではないと思い、自分だけその枠から外れようとした。

「ごめん、僕。年内中に終わらせなくちゃいけないレポートあるから、ちょっと・・・。」

が。

「だめ。ヒナは強制参加。」

「えっ。」

「オレをごめんなさいでふっておいて、こっちのごめんなさいは許さないよ。」

「ちょ…っ!ゆ、ユーヤ!?」

主催者から抜けることは許されず、ヒナも参加する羽目に。
しかも余計なことまで口にしたものだから、ユーキとレイの二人に、知って知ったことに知らなかったことを知られてしまう。

((ユーヤ、フラれたんだ・・・。))



免許取得おめでとう!

「そういうわけで!12月24日は空けておいてね。場所はヒナの部屋でやるからよろしく〜。」

「あぁぁ、場所まで勝手に・・・。」

「ヒナ先輩ドンマイです。」

ユーヤの一声で、サンフラワーの住人全員でクリスマスパーティー開催決定。
とりあえず食べ物は一人一品は必ず、お酒も(ユーキはジュース)必ず持ってくるように!と、細かくて荒っぽいルールまで決まっていく。

「あ。ケーキはもう予約済みなんで当日、一緒によろしくねレイ。」

「は?なんで俺が?てか、やらない言われてたらどうしてたんだ?それ。」

「主催者命令!運転免許取得祝いついでに結構大きなケーキにしたから。だから荷物ぐらい持ってよね。」

「ついでで祝う奴に荷物持ちやらすな!」



101号室に揃う年上二人

そうしていろいろ決まったところで解散。
皆それぞれ自室に帰って行くのでした。・・・レイ以外。

「過ぎたことを煩く言うつもりないが。さっきユーヤが言ってたこと、マジでいいんだよな?」

「ごめんなさい、黙ったままでいて。隠すつもりなかったんだけど、どう伝えていいか戸惑ってて。」

レイだけが戻らず、自分たちの部屋に帰ってく年下二人の隙を突き、ヒナの部屋に訪れヒナと二人の姿が揃う。
もちろん話のタネは、ついさっき知ったばかりのこと。

「いや。まぁ、そうだよな。普通は言いづらいよな。アイツは平気でくっちゃべってたけど。」

「・・・うん。あんな風に暴露されるって思ってなかった。」



101号室に揃う年上二人 2

「最近、どおりで元気なかったんだな。」

「・・・・・・。」

隣に腰を下ろすレイ。
ずっと調子を落ち込ませていた原因が分かり、ポンポンとヒナの頭を優しく叩いて彼なりに励ます。

「・・・俺は流されるんじゃないか心配だったけどな。」

「え?もしかして知ってたの!?ユーヤのこと。」

「まぁ、な。・・・ヒナの知らないところで色々あって挑発されまくってたから。」

「そう、だったんだ。」

知らないことは知らないままでいい。
そう心で悟ったレイは、ヒナが知らないこと全てを明かさず、自分の中で閉じ込めることにさせた。
それは自分の為ではなく、終わったけど続く二人の関係を思って・・・。



101号室に揃う年上二人 3

「ごめんなさい。結果的にレイまで妙な思いさせて巻き込んで。」

「いや、俺に謝る必要ねぇよ。歪ませた原因、俺かもしれないからな。」

ポン、ポン、ポン。
ヒナの頭に触れるレイの手は、それだけでは気が済まなかったのか。

「レイ・・・。」

そのままその手で、この腕で引き寄せて抱きしめた。

「自分を責めまくって気を病ますなよ。これ、お前の一番悪い癖。」

「・・・うん。」

「どうしようもなくなったら俺を頼れ。ちゃんと支えてやるから。」

「うん・・・。」



上の階に揃う年下二人

「お疲れ様、ユーヤ。」

「ん?」

年上二人と解散した後、自分たちの部屋へ戻って行くユーキとユーヤ。
階段を先に上がりきったユーヤに向かって、そう口にするユーキ。

「えっと、何にお疲れ様?」

「さっき言ってたことですよ。ユーヤ。やっぱりヒナ先輩のこと好き、だったんですね。」

「あー‥、それか。」

話してる内容の割に口は明るいまま。
彼もまたレイと同じく、さっき知ったばかりのことに触れた。

「・・・うん、そうだね。好き、だったよ。フラれたけどね。」

「だからお疲れ様なんですよ。お疲れ様ユーヤ。」

「うーん、なんだろう?それ、ありがとうって言っていいのかよく分かんないね。」



上の階に揃う年下二人 2

「でもユーヤはいい人ですよね。そこでキッチリ終わらせたんですから。」

「どうだろう?本当にいい人だったら、もうとっくの昔に終わらせてるだろうし、変なことも企んだりしないんじゃないかな。」

自分の部屋に帰らないまま、上の階の廊下で話し合う二人。

「じゃあいい人よりの方で手を打ちませんか?」

「なにそれ?普通に悪い人でいいんじゃない?」

「いえいえ。ユーヤは悪い人ではないですよ。もちろんヒナ先輩も悪い人じゃないです。本当に悪い人っていうのはー・・・。」

始めから最後まで。
ニッコリとしたいつもの笑顔でいるから、ずっとずっと明るい話のように聞こえた。

「『フラれてラッキー』とか人の不幸を喜んでいる人のことを言うんだと思いますよ。」

「え、なにそれ?そんな人いるの?」



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