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サンフラワーへようこそ

同じアパートに住む大学生たちのお話
完結][大学生][季節柄][コメディ]



EP.6 8月の海水浴(3/3)
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パーカー着ていたもう一つの理由?

三人のおかげで彼もようやく泳ぐ気になれたようで、着ていたパーカーを脱ぐ。
その時、

「あれ?ヒナ、ここ赤いけど大丈夫?」

「え!?」

ユーヤが明るい口調で自分の鎖骨に指差して指摘。
するとヒナは顔を赤くして、脱いだばかりのパーカーで慌てて前を隠す。

「やだ、嘘!?まだ残っ・・・「うん、嘘だよ。」

けどそれは冗談。ユーヤのお得意おふざけジョーク。

「・・・・・・・・・。」

だが悪ふざけしずぎたようで、

「キャーキャーッ!やだやだ!蹴らないで!レイ、蹴らないで!!」

「うるさい!お前がいきなり変なこと言うからだろうが!!」

釣られたヒナが何も言えなくなった代わりに、真っ赤な顔したレイから足蹴りの制裁を喰らわされた。



分からなかったのはユーキだけ

「?」

レイの顔が赤いのは、ビールを飲んでいたから。
けどヒナまで顔を赤く染めた理由と、ユーヤが蹴られることになった理由が分からない。
そんな年上三人を見ていて、首を傾げたユーキ。

「え?蚊に刺されじゃないんですか?」

ユーヤに何も返せれず黙ってしまったヒナに、更なる追い打ちを。

「ち、違う・・・かな。」

「じゃあ何に、さされたんですか?」

「え!?あ、いや、なんでもないよ。うん、なんでもないから。」

「???」

ユーキから質問攻撃が続いたが、何一つ答えられなかった。



帰り道

ヒナ以外、ユーキ、ユーヤ、レイの三人は日焼け肌へ。こんがりと出来上がり。
それからオレンジ色に空が染まってきたので、ここからで帰ることにした四人。

「「Zzz・・・。」」

後部座席に乗ったユーキとユーヤは、文字通りに電池が切れたのか。
車に乗る寸前までは騒がしかったのに、おとなしく二人で仲良くスヤスヤと眠っている。

「ヒナ。大丈夫か?疲れてるなら我慢せずに、少し休め。」

「うん・・・。次のパーキングエリアで、そうしてもいい?」

「ああ。そうしろ。」

運転手はヒナ。助手席はレイ。
前方に座る彼らも、さすがに疲れて電池切れの模様だった。



保護者、二名

安全運転を考慮したため。帰り道の途中、少し休憩することに。
パーキングエリアに着いた頃には、沈んでいく日が夜を迎えようとしている。

「二人ともグッスリだね。」

「あれだけ燥いでたからな。」

後ろで眠る二人を見て、微笑ましく笑う二人。

「完全に俺ら今、保護者だよな。」

「ね?この間から気になってたんだけど。それってやっぱり僕がママ側の位置なのかな?」

「・・・嫌なのか?」

「うーん、なんだろう?ユーヤとユーキだからなのかな?嫌じゃない気持ちがあって少し複雑だね。」

それは自分らが保護者側であることを、改めて認めた瞬間だった。



二度の質問

「・・・嫌なのか?」

「なんでもう一回訊くの?」

「・・・・・・。」

「・・・あ、そっか。そう、だよね。そういうことにもなる、よね。」

レイから尋ねられる同じ質問。
それがどういう意味を齎していたのか、察したヒナ。

「・・・うん。嫌・・・じゃないよ。レイとだったら嫌じゃない。」

顔を赤く染めて言葉を震わせながら、自分が思ったことを素直に伝えた。

「そっか。・・・よかった。」



サンフラワーファミリー

ユーヤがお兄ちゃんなら、ユーキは弟。

「俺はあの頃から気持ちは一切変わってない。・・・傍にいてほしいって、今もずっと思ってる。」

「・・・レイ。」

「いて・・・くれる、か?」

ヒナがママなら、レイはパパ。

「・・・んっ。」

保護者二人は距離を寄せ合い、静かに口を重ね合う。
子供二人が寝ている隙に。

(目の前で堂々とやってほしくないんだけどな。)

そのうちの一人が起きていたことに気付かずに・・・。

(ユーキがガチ寝しててよかった。)



「サンフラワーへようこそ!」の第六話を
お読みいただきましてありがとうございます!
また暑中見舞い申し上げ致します

私が最後に海に行ったのは、えっと
『にじゅう・・・』って書いてしまうと年齢バレるので
ハッキリと言いませんが、小学生のころに行ったっきり
それ以降は行ったことありません
一番近い海へ行くのに車で二時間以上かかる距離なので
海に行きたい気持ちになれなかったりします
車酔いもしやすいので、車で長時間移動はヤなんですよ


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