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仮面優等生の歪いた愛欲

この瞬間だけでも、俺を愛して・・・。
完結][既婚者教師×仮面優等生(主人公)][略奪愛]


EP.1「付き合っていただけませんか?」(6/6)
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神崎先生は俺に、

「昨日のことは・・・、なかったことに。」

ーーー・・と。

「忘れて頂けれないでしょうか。」

「!!」

頭を深く深く下げて、謝罪を述べる。

「錦くんもご存知だと思われますが、先生は結婚していて。・・・っ・・・奥さんもいて。」

知ってる、知ってたよ。
昨日のあの時も。
今も。
左の薬指にいる指輪の輝きが疎ましいほど、ちらついていたから。

「・・・・・・。」

知ってる、知ってたよ。
最初から結局こうなってしまうことだって分かってた。

「昨日は錦くんにあんな真似をしてしまい、本当に・・・。本当にすみませんでした。」

神崎先生は、優しい人だから。

「そう、ですか。」

どちらに対しても傷付かない選択肢を選んだのだろう。
そう。
神崎先生は優しいからー・・。
だから俺は、そんな神崎先生に。
あるモノを制服のポケットから取り出した。

「神崎先生。『これ』なんだか分かります?」

「え?」

それは一つのスマートフォン。
最新モデルの俺の携帯電話。
アルバムフォルダーを開いて、ある写真を見せる。

「ーーーッ!?」

そこに映っていたモノ。
それは昨日の衝撃的なあの出来事が。
モザイクという優しい修正すらない映像が、生々しく撮られていた。

「困りますよね。こんな写真が色んな人に行き渡ったら。」

今まで聞いたことのない俺の声色に、戸惑う神崎先生。

「に、錦・・・くん・・・?」

他人の目から見れば、それは『神崎先生が俺を無理矢理犯している』ようにも見えてしまう写真。

「未成年の生徒に強制猥褻、なんてことが知れ渡ったら困りますよね。」

「そ、それは・・・!」

「この業界からは永久に追放され、奥さんとももちろん離婚・・・。なんてことになってしまいますし。」

それは今目の前にいる人以外、誰もが疑わないだろう。
始めから神崎先生を俺がハメて、騙していたとはー・・。

「困りますよね、この写真バラまかれたら。」

極限にまで追い込み、負わす責任。
写真の答えがどうであれ、致した事実は変わらない。
切羽詰まった神崎先生は恐れをなしたのか。

「やめて下さい、そんなこと・・・!」

「!」

「お願いです!それだけは・・・ッ・・・。それだけはやめて下さい・・・!」

俺が一番待っていた言葉を。
後も先も考えないで、易々と吐いた。

「本当にやめて下さい!何でもしますから、それだけは・・・ッ!!」

「なら神崎先生。俺とー・・・。」

それを聞いた俺は笑顔をニッコリと見せて、こう答えた。

「付き合っていただけませんか?」

その答えが『ノー』であっても、そんなことなど言わせない。
『ノー』しかない答えに『イエス』の選択肢しか与えない。

「今『なんでもする』って言いましたよね?」

言われるがまま。
なすがまま。
頷くことしか出来ない神崎先生は優等生の錦 浬ではなく、その仮面の下にいる本当の俺を知ることとなるだろう。
さぁ、始めましょうか。
貴方はただ俺を愛してくれるだけで、最悪なシナリオを免れるのだからー・・。




つづく





仮面優等生の歪いた愛欲 第1話を
お読みいただきありがとうございます

以前、告知した通りになりますが
今年のサブ小説は、ちょっと長めです
年内ではなく、公開開始月から
1年内の完結を目指して
ゆっくりゆっくりやっていきます

どうぞよろしくお願いいたします


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