走り出した車は、神崎先生の自宅へ。 もう引っ越された後だから、前に来たマンションとは違い、こじんまりとしたアパートの一室に到着。 その間もずっとドキドキしていたから、かかった時間が何分だったか分からず、あっという間のように感じた。 そうして玄関に上げられ、鍵が閉まる音がした途端、
「・・・ん・・・っ・・・。」
俺は、そのまま神崎先生とキスをしていた。
「・・・ぁ・・・まって。孝さん・・・先に、勉強を。」
「後ででも大丈夫ですよ浬くん。時間は幾らでもありますから。」
「・・・んっ!」
口では渋るような真似を言ったけど、まさぐる神崎先生の手を止めない。しようとした手は悪魔でもフリ。
「あっ!」
寝室にあるベッドに移動して、いつかのように、やや乱暴気味に押し倒されたって無抵抗。 そこでもまた絡み合うキスをして、さっきよりもずっとずっと深くなっていく。 そんな神崎先生についていくだけで精一杯だったけど、すぐに好きになった。
「浬くん、今、すっごく可愛い顔してますよ。」
「ぁ・・・ぅ・・・っ。」
こんな自分をめちゃくちゃにしていいのは神崎先生だけ。 だから、もっと・・・。 もっともっと俺を触って欲しい気持ちが、どんどん溢れてきて抑えられない。
「俺・・っ・・・を。」
だからどうにもならない声色で。
「俺を・・・、俺を犯して。孝さん・・・っ。」
とんでもない言葉を口にした。
「いいですよ。では・・・浬くん、覚悟していて下さいね。」
「あっ!」
そうして今か今かと。 お楽しみが始まろうとしていた、これからっていう時に、
「!」
ピンポーンと鳴った神崎先生の家の呼び鈴。 めちゃくちゃ空気よめてなくて、無視して続行したかったけど、2回も3回も続いたら気が散って仕方がない。
「・・・ごめんなさい浬くん。来客のようなので、ちょっと行ってきてもいいですか?」
「あ・・・、ハイ。あまり待たせたらお客さんに悪いですし。」
だから一旦、中断して、神崎先生に出てもらうことにした。
「ではちょっとの間・・・、待っていて下さいね。」
でもその前に、神崎先生はホッペにチュッと約束してから出て行ったから、ドキドキは止まらないまま。 あそこで呼び鈴が鳴ってなかったら、俺は一体どうなってたんだろう。 想像すればするほど恐怖よりも興奮が勝り、早く神崎先生が戻ってきてくれるのを凄く待った。
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