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青ノ葉 恋文乱

一通の手紙から始まった4月最初の出来事
完結][青ノ葉外伝][恋愛]


EP.4 4月1日のラブレター(2/5)
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(・・・・・え!?)

その間も驚きっぱなしで、ただ立ち尽くしていた俺。
怒っていたはずの感情も、混乱に導かれてそのまま消沈。
ただただ告白してきた差出人、空に驚いていた。
1度目は悪戯。
2度目は本気だったというのか。
こんな嘘つき狼みたいな展開、何をどこまで信じていいのか分からない。
けど空は謝ってた。

『・・・ごめんなさい。』

と、最後に置き土産を残していった。
でもそれは何に対して謝っていたんだ?
陸哉と一緒になって俺を弄んだこと?
1度ならず2度までも同じ手を使ったこと?
それとも・・・。
空がどれに対して言っていたのか分からない。
けどどれに対しても今まで築いていた俺との関係を、ぶち壊したことに代わりなかった。

「空のバカ野郎・・・。」





それから夕暮れだった時刻は夜となり、自由時間も過ぎて学習時間を迎えていた。
その時間は皆と同じように俺も自分の部屋にいて、勉強机で春休みの課題を進める。
けど真後ろにはもう1人の差出人、陸哉もいて、ずっしりと空気が重いまま。
寮長の点呼が終わったタイミングを見計らって、今回の騒動の真相を。

「なあ?何であんなこと、空としたんだ?」

「いきなりなんだよ。オレらと暫く口ききたくないんじゃなかったっけ?」

「いいから答えろよ。どうせ発端は陸哉だろ?」

全貌を改めて明らかにさせようとした。

「ご名答。4月バカなくせに、そこは気付くんだ。」

「あんな最低なこと、空がやりたいなんて言い出すはずないから。」

「相変わらず随分と空を信頼してんのな。」

「中学からの付き合い、だから。」

空からの告白はともかく、今は全てが知りたいから。
だから全部を知るこの男と向き合って、向き合わせて求めた答えを述べさせる。

「まあ正しく言えば、オレが空を煽ったんだけどね。」

「な!?」

「悩んでいたのが丸分かりだったのに、いつまでもどっち付かずにいたからムカついて。」

けど語られた内容が、知らなかったことばかりで俺は驚くしかなかった。

「だから空と賭けてやったの。」

「賭け!?」

「そ♪鳴が自分で気付いたら空の勝ち、気づかなかったらオレの勝ちってね。」

全ては陸哉による企みから。
それにまんまとハマったのは俺だけではなく、空もハメられていたのだ。

「陸哉のことだから、どうせ俺をからかうのが目的だったんだろ?けど空まで何で!?」

「・・・じゃないと、オレがいつまでも口説けないだろ。」

「は?」

「さっさと空をふれよ鳴。」

その動機は、あまりにも勝手。

「賭けはオレが勝ったんだ。オレはもう空に遠慮しない。」

「な・・・っ!?」

自分の都合に俺らを合わせた理由と共に、陸哉の気持ちを知る。



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