「で?何の用だ?峰岸。」
「え。」
「『え。』じゃなくて。何か用あって、こんな時間に来たんだろ?その用はなんですか?って訊いてんだから、さっさと答えろよ。」
「え。えぇーっと・・・。」
それはそうとして、さっそく本題へ。 寮長室に訪れた理由は、日暮寮長の様子を見てきてほしいと稚空から頼まれたからだ。 なので比路は、さっさと自分の用を済ませようと。
「・・・・・・・・・。」
上から下。 下から上。 寮長を見る視線をゆっくり動かして完了。
「ー・・・なんでもないです。」
「は?」
あとは戻って稚空に報告するだけ。だったのにー・・・。
「なんでもなかったら、普通こんな時間に来ねえだろ。なんだよ。言えよ。またそこの公衆電話でも壊れてたか?」
比路の言い方が悪かったのか。 酔っ払った日暮寮長の何かのスイッチが入ってしまい、そのまま捕まってしまう羽目に。
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