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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#90 青ノ葉 七夕祭(前編)(5/5)
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ー・・・だった?

「・・・これで、いいんだろ?この手の話は、もうこれで・・・満足してくれ。」

その答えは、ここにいる3人誰もが驚いた。

「えっ。」

だから比路は、余計に気になって。
さらに訊こうとした途端、

「『だった』って、どういうー・・・「ひろピー!!!」

稚空が大きな声を上げてまで、比路のデリカシーが欠けそうになった発言を止める。

「もう大丈夫だから。田邊部長に頼まれていたことを、今も気にして言ったのなら、もう十分だから。そう部長にオレからも言っておくから。」

「アッキー?」

「ー・・・オレたちも今は早く戻ろう。急いで寮長に梅ちゃんを診てもらうために。」

そしてこれ以上、この手の話をしないように。続かせないように。
青ノ葉学園の奥地から学生寮へと、再び戻ってきたのだった。



今夜の天気

今日の天気は、曇りのち雨。
降り出した雨は、このまま止むことなく、再び梅雨時期らしい天気が暫く続くと予報で告げられる。

「やっぱり今年も駄目だったね。」

「今年こそはワンチャン、天の川を肉眼で拝められるチャンスだと思ったのにな。」

きっと普段なら、こんな生憎な天気でも気にしないだろう。
けれど今日は。今夜だけは。
雨でもなく曇りでもなく、出来れば完璧に晴れて欲しかったのだ。

「七夕って、いっつも雨だよな。」

「なー。今年も彦星と織姫は雨のせいで会えず仕舞いで、七夕が終わっちゃうんだな。」

なんて言っても、本日は7月7日。
彦星様と織姫様が年に1度だけ会える『七夕』だったから。



青ノ葉 第90話をお読みいただきありがとうございました


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