学生寮へ着くと、何やが玄関前が賑やかになっていた。 しかもそこには生徒会の生徒が全員勢揃いで、学校から帰ってくる生徒をお出迎え。 もしかしたら放課後の抜け打ちすぎる荷物検査? にしてはピリピリした雰囲気は他の上級生たちからもなく、皆んな緩い感じのまま。
「あ。比路たちも、お帰りなさい。」
「な・・・、何してるの?克也も生徒会の人たちも。」
こっちに気づいた久野に何をしてるのか。 話しかけられたついでに、尋ねてみる。
「今日は青ノ葉学生寮の交流会。七夕祭だよ。」
「七夕祭?」
「っと言っても、テストを控えてる時期だから、前にやった学寮戦ほどの大きなイベントじゃなくて。あっちにある長机のところに短冊があるから1人1つ、その短冊に願い事を書いて、あそこにある笹の葉に。左のやつが1年生用だから、そこに飾ってくれればおしまい、だよ。」
『青ノ葉 七夕祭』。 これも毎年行われる学生寮ならではの交流イベントであり、知らなかった1年生からは「七夕祭なんてあったんだ」と、高校生にもなって参加する七夕祭に、以前の学寮戦ほどではないが意表を突かれる。 でもだから玄関前が。特にあっちにある長机の周辺が賑やかだったわけが分かった。
「そういえば前に寮長から、そんな感じにレクリエーションやるって聞いた気がする。」
「蓮さんから聞いたことあるなら、じゃあ話が早いね。」
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