「なんだよ、空。オレもいちゃ悪い話なわけ?」
「うーん・・・、ううん。陸哉なら、いい・・・かな。」
けど悩んで悩んで決め抜いて頷く空。 陸哉もいていいからと。 矢口に話したかったことも、ようやく続けて話しする。
「待たせてごめんね、純平。あんまり大きな声で言いたくないんだけど、最近、陸上部のグラウンドでキーホルダー見なかった?」
「キーホルダー???」
「うん・・・。お守りっぽいデザインのやつなんだけど、ちょっと前に何処かに落とした・・・みたいで。ずっと・・・、探してて。」
彼は部活中、陸上部のグランド内で落とし物をしてしまったようだ。 特徴を伝えて尋ねたが、心当たりがないと矢口に首を横に振られる。
「見てないけど、鬼頭とかには訊いてみた?」
「ううん、まだ。さっき話が逸れちゃったから、また後で言うつもり。今はちょっと・・・。」
するとそれを見た空は、悲しそうに肩を一段落としてしまう。
|