そんな犬飼たちはというと、彼らも皆んなから逸れていて、掃除にも参加せずに絶賛サボり中だった。 体育祭同様。単位や出席日数の為に参加はするものの、こういう日ばかりは居心地が悪いから。 なるべく誰にも見つからないように、皆んなから遠く離れて、向かった山林の方面へ身を潜ませる。 そしてこのまま時間が流れていくのを待って、ヒグラシが鳴き始めた頃になっても、皆んなの元には加わらないつもりでいるのだろう。
「・・・小太郎。こういう時までオレに付き合う必要ないから、お前は戻れ。」
しかし犬飼は、そんな時にまで付いてこようとする桃地を自分から引き離そうとした。 だけどその桃地は首を横に振り断る。
「嫌っす。」
「は?戻れって。」
いくら犬飼の命令でも、そればかりは聞けないようだ。 「いくらでも自分をコキ使っていいから」と。絶対に絶対に、犬飼から離れようとはしなかった。
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