※全国大会2回戦終了後
吹雪コーチが白恋に戻ってきた設定











フィフスの一件が落ち着き、コーチに復帰した吹雪は練習中の白恋サッカー部を指揮していた。



「(うーん…やっぱりまだぎこちないなぁ…)」

白咲がフィフスセクターから白恋へと希望転入してきて数日。
未だに打ち解けられない雰囲気は続き、吹雪も頭を悩ませていた。

雪村がまだ白咲を受け入れないのが影響しているのか、チームの半分以上が白咲に声を掛けられないのが現状である。





しかし、今日は大きな変化が見られた。

「(白咲、ディフェンスの真狩たちと話してる…)」

ポジションごとの練習中、白咲は数名を集め何やら指示を出していた。
どうやら必殺タクティクスについて、更なる強化を発揮できるよう各々の着くポジションにアドバイスをしているらしい。
DFたちは納得した様子で、ポジションの確認などをとっていく。

色々あったものの、根はしっかりした白咲の頼れる姿に、吹雪の顔は綻んだ。


「とりあえず、一件落着…かな」


寒空の下、吹雪はチーム内の不和が少しずつ解消されていく光景を目の当たりにし、白恋サッカー部はますます発展していくような気が持てた―――





「コーチ、もう一件、落着してませんよ」

「…木瀧、…うんわかってる…わかってはいるんだ……」


何か参考になる情報を教えようと、吹雪が必殺タクティクスの話の輪に参加しようとしたとき、後方から逃がさないと言わんばかりにがっしりと肩を掴まれた。

潔く木瀧と向かい合うと、後ろには酷く疲れた様子のMFメンバーと、


「吹雪センパイ!(部活後、技の練習に)付き合ってください!」

吹雪が白恋へと帰って来たここ数日、異様にテンションが高い雪村がいた。
わざと()内の言葉は小声かつ早口で言う雪村に、チームの皆が間違いなく引いている様子は一目瞭然だ。


そしてこの雪村(の異様なテンション)こそ、吹雪の抱える片付けられない一件なのである。







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