目を覚ますと目の前には寝顔があった。
その寝顔は私の恋人のものだ。

部屋のなかは暗くまだ日も昇っていないことを覚る。

「相変わらず綺麗な顔…」
顔を見ながら小さな独白をこぼした。
透けそうなほど白い肌の私の恋人はその綺麗な顔を惜しげもなくさらしながら寝顔を見せている。


たまに思うのだ。どうしてこの綺麗な人が私を好きになってくれたのだろうかと。
たまに思うのだ。私はいつあなたに飽きられるのだろうかと。

そして願わくはその日なんて永遠に来なければいいのにと。


「んん…」
寝ていた彼が目を覚ます。
「おはよう」
「…いま何時?」
「まだ朝の5時だよ」
「……ねむい」
「寝てていいよ」

「おやすみ」
そう言い終わる前に彼は目をつむってしまった。

眠っている恋人の首筋に唇を寄せる。赤い跡がついた。
「好きでいてね」


上手く思いを伝えられない私が
いつも私の思いを汲み取ってくれる彼と
ずっとずっと隣にいられるように
彼への好きの想い《しるし》。


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