003


「綾瀬ちゃん、ご飯よ」
「ママ、あたしもう学校行きたくないよ」
「あらいやだ、もうって…はじまってもいないじゃない」



リアクション




にっこり笑う母親の作った(焼いた)目玉焼きと作った(焼いた)トーストと(焼いた)ベーコン。
ていうか、焼いただけな朝ごはん。
それらをもさもさ口に運びながら我ながらふざけた事を抜かして(いると自覚があるが言わずにはいられない)、真新しい制服に着替える。
ダサい。
ノーマル過ぎてダサい。

ダサイー、…ってあれはアサイーか。
アサイーってなんだっけ。

そんな事を考えながら制服とは真逆に履き古したローファーを履く。


「綾瀬ちゃん!転校生は転校初日が勝負よ!頑張って友達作らないでね!」

ママが新しいクラスのお友達のママ友を作るの不安だから、なんて補足を受けながらひらひらと手を振る。



心配しなくてもこのあたしに友達が出来るとは思い難い。



乗り慣れない電車に揺られ、銀魂高校を目指す(と言っても一駅だけど)。

最寄り駅で下車し、徒歩五分。
目的となるそれなりに大きな高校の生徒玄関から入り靴を履き替え、昨日なんとか先生に案内された通り職員室へ向かう。


「はよーざーす」
「綾瀬ちゃーん挨拶がなんかダルダルだけど。つーか遅刻」

腕時計を指しながら近付いてきた銀髪の人の真似をして時計を見れば、九時少し前を指していた。

「なんということでしょう」
「別に某リフォーム番組のナレーション真似なくていいから」
「つーか担任のなんとか先生ってどこ?クラス?」

既に一時間目が始まる時間だからなのか、閑散とした職員室内を見回して目の前の銀髪の人に聞くとなんだか驚いたようなリアクションをされた。


「…あれ?昨日自己紹介したよな?…俺、お前の担任の坂田銀八。」
「…そーだっけ」


なんということでしょう〜

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