「さて、着きましたよ」

「Grazie,cara.大きい建物ね」

「イオンだ」

「デパート?」

「ショッピングモールって言うらしいが違いが解らん」

「でもこれだけ大きければ沢山買えるわね」

「アデレードさん、何が欲しいんですか?」

「それは中を見てみないと解らないわ、cara.」

「名前で呼んでくださいってもういいか。さて電車組はもう着いてますね。何処にいるんだろう」

「行けば解るだろ」

「だな」

「そんな簡単に見つかります?イオン広いですよ?」

「女の子たちが群がっているところに行けば大抵いるわよ」

「そんな虫が群がっている田舎の夜の自販機みたいな感じです?」

「リーダーは確かに自販機くらいの高さだもんな」

「いや別に身長の話ではないんですが」

「オイッ!オメーら遅ぇんだよ、とっとと歩けよ。後ろでエスコートしてんのにつっかかんだろーがよォ」

「ギアッチョ、エスコートなんて出来るの?」

「出来るわボケ!」

「アデレードと並ぶと悲惨だな、ギアッチョ」

「あ"?種無しメロンは黙ってろよ」

「あ"?冷凍チェリーボーイがなんだって?」

「ド下ネタで喧嘩しないでください!アデレードさんだって困ってますよ!」

「ねぇ、あそこにいるのがプロシュートたちじゃあない?」

「困ってなかった」

「Ehi!belli!」

「よく躊躇いもなくあの人混みの中に声掛けられますね。さすが美女強い」

「Ehi!bella!アデレード!今行くぜ!ああ、クソッたれ!清楚系ビッチには用はねぇ!」

「プロシュートさん、周りの女の子たちに通じてないと思ってイタリア語でめちゃくちゃ汚いスラング使ってますよね?」

「大家にはどれくらい解ってる?cazzoの意味はどう聞こえてるんだ?」

「メローネさん、セクハラ〜〜〜〜〜〜〜!」

「どんだけ〜〜〜みたいに言うなよ。その反応だと解ってるんだな」

「Ehi ragazze.Per favore vai via.」

「あっ!アデレードさんが女の子たちにイタリア語で話しかけてしまっている!」

「I miei ragazzi.
Soprattutto, è il mio preferito.」

「アデレードの美しさの前じゃあジャポネーゼの女の子なんて何人いても敵じゃあないな」

「蜘蛛の子を散らすようにとはこのとこですね」

「ああ、アデレード……俺のことを今でも特別だと思ってくれているんだな。勿論俺にとってもお前はいつまでも特別だぜ……amore mio.」

「プロシュートさん、ここイオンのフードコートですからね?周りを気にしましょうね?」

「アデレード以外見えねぇ」

「ペッシくんや。君の兄貴、いつもにも増してポンコツじゃない?」

「姉貴のことになると兄貴はいつも必死なんだ!姉貴のことをそれくらい愛してるんだよ。お似合いだと思わないかい、大家」

「違う人を見てるのかな?」

「アデレード、何をする?食事か?買い物か?」

「買い物がしたいわ」

「Si.」

「Cara!行きましょう。あなたのオススメのお店から見てみたいわ」

「私の行くお店にアデレードさんが着るようなお洋服はないと思いますが……」

「大家こそ服を買った方がいい」

「リゾットさんだけには言われたくないですね!!!!」

「そうね。リゾット、あなたの服も買いましょう。その服じゃあ駄目」

「アデレードが見立ててくれるのか?」

「構わないわ」

「あっリーダー!狡いぞ!俺もアデレードに選んでもらいたい〜!」

「メローネさん、途端に可愛い子ぶって……そういうキャラでした?」

「そう言われればメローネが着ているパーカー、可愛いわね」

「ディ・モールト!嬉しいぞ、アデレード!これは原宿で買ったんだが中々良いだろ?」

「サイケデリックであなたに似合ってるわ」

「ユメカワって言うらしいぜ!」

「ユメカワ?」

「夢みたいに可愛いって意味だ。夢みたいに可愛いって何だよ、チクショー!怖い夢とか悪夢とかも見るだろうがッ!」

「ギアッチョはストリート系が似合うかしら。それとももっとスポーティーな方が好き?」

「……アデレードがえらんでくれるなら何でも」

「癖が強いメンズを引き連れて買い物する美女の癖が強い……」

「誰が大悟だよ!」

「私だってノブでもないですよ!」




ショッピングとベッリーナA

行く先々でショップスタッフさんからビビられる集団




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