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「2F…?」
「理事長娘の赤羽さんとお友達になりに行くのよ」
松本の前なので、わざとらしく肩書きを言いながら響はにこりとした。
2Fは2Aの舞良達のクラスから一番離れていて、違う校舎だった。
「行かない、いってらしゃい」
響は目を細めて少しムッとした。
朱里の顔を思い出すだけで照れてしまう舞良にとって、響の前で直接会うというのは嫌がらせに近かった。
それに最後に話した内容を思うと、楽しくお話しは出来そうもない。
気まずい沈黙を想像するだけで息がぐっとしにくくなる気がした。
それに響が舞良と朱里を気にかけて行動してる事が切なくなってきた。
響自身は恋の話を避けている。解決したとは思えない。
その時恋の事を思い出した舞良はハッとして顔を上げた。
「そんな事よりナリ、レ…」
「そんな事より?!」
「…いや、」
「何でマイロはそうテンションが低いのよ、まあいいわ、戻って来るから先に帰らないでね」
そんな事より恋の様子が変なのだが、説明する前に響は松本と教室を出て行った。
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CINDERELLA STORY